〜北アルプスHeaven's Drive〜
平成14年5月25〜27日
26日・日曜日
午前6時半、時計のアラーム音も副会長の力も借りず一人で目覚めた。私にしてみりゃ偉い!今日の気分は遠足モードに入っているので、さほど目覚めが辛くない。
窓の外は申し分のない晴天。申し分がなさ過ぎて日焼けの恐怖に怯えなければならないほどだ。コーヒーで完全に目を覚まし、顔と首の日焼け対策を万全にしてホテルを出発。
松本からはR158・野麦街道を使い安曇野を目指した。早朝のせいか交通量は少なく、あっと言うまに道の駅・風穴の里に到着。乗鞍高原や上高地の入口なせいか、バイク乗りもたくさんいるし観光バスも大量にいる。観光客はこれからの道程を楽しみにしているようで、誰の顔も晴やかだ。

道の駅・風穴の里
「かざあな」と読めばいいのか「ふうけつ」と読めばいいのか?
ここで地図を睨みながらこれからの行程の確認。どれを走っても楽しそう、でも有料道路も多い、上高地はマイカー規制がかかっているので入れない、スカイラインも楽しそうだしエコーラインも良いし、乗鞍林道から白骨温泉で休憩もまた良し、貴重な休みを使って来ているんだからいっぱい楽しまなきゃ...
R158から前川渡大橋→ペンション街を抜けて→乗鞍エコーライン→そしてメインの乗鞍スカイライン→平湯到着、時間があったら安房峠を抜けて上高地乗鞍林道を走って白骨温泉でほっこり。
これが私達の選んだルート。
この時点では何の問題もなくこれだけ走れると考えていた。この考えが甘かったと言うか、今から思えば山の天候を舐めきっていた。
9時過ぎに道の駅を出て山へと向かった。太陽が高くなり日差しが澄んでいる。山肌は黄緑や深緑でマーブル模様になり迷彩色のようだ。
梓川沿いにはいくつもトンネルが並び、入山トンネルではR158と県道26号の分岐まである。突然のトンネル内分岐に驚きながらもR158を北上。
トンネルを出ると朝陽を受けて光る梓湖と水力発電用の奈川渡ダムに遭遇。黒部ダムを一回り小さくしたようなダムで迫力があり、思わずアクセルを緩めてしまった。そしてまたトンネルを通過、足元には水が溜まっていてお世辞にも走りやすい状況ではなかった。
3つ目のトンネルを抜けたらいきなり交差点があって、これを西に曲がると前川渡大橋。掲示の「乗鞍高原↑」を確認して顔がほころぶ。

乗鞍岳付近に掛かる笠雲
副会長コメント「うああ、東京ドーム浮いとる!」
橋を越えるとまたトンネル、そしてその向こうは高原の町。綺麗に整備された道の傍には洒落たペンションがいくつも並ぶ。どの建物も敷地を贅沢に使っているのでゴミゴミした感じは無く優雅な雰囲気がある、高原ならではの雰囲気だ。
道はアップダウンやカーブが続くのだが、路面が整備されているのでスピードさえ出さなければ何も怖い事は無い。
飛ばしてコーナリングを楽しむのも悪くはないだろうが、私はこの景色をしっかりと記憶するためにゆっくりと走りたかった。
走るたびに標高が上がってゆく。それに伴い風も冷たくなってきた。かなり寒いと言う事は事前に了解していたので今回は真冬用のジャケットを着込んでいたのだが、これでちょうど良いくらいの気温だった。
空気はただ冷たいだけでなくどこかピンと張ったところがあって気持ちがいい。
乗鞍温泉を越えたあたりから何台ものバイクとすれ違った。みんなスカイラインの北側から入って南へ抜けた人たちかと思っていたが大間違いだった。
三本滝レストハウスが見え、いよいよエコーラインだと思ったら...ゲート閉まってる。なんで!?
レストハウスの駐車場には20台くらいのバイクが停まっていて、私達もそれに並ぶように駐輪した。そして近くにいたBMW乗りのちょっと綺麗なお姉さんを捕まえて質問、「エコーラインって閉鎖しているんですか?地図じゃ普通に通れそうなんですが...」
このお姉さん、詳細は知らなかったようだがそれでも連れの人達に尋ねてみてくれた。結果、エコーラインは現在雪のため閉鎖、スカイラインへの通過はできないと判明。
後ほど調べてわかったのだが、エコーラインは6月27日まで通行止めのようだ。5月ではかなり雪が残っているらしい。 5月の末にまだ雪、正直言って最初は信じられなかったが、実際に閉鎖されているのだから信じるしかない。

三本滝にて
係員のおっちゃん、「ココを通るならワシを倒してから行け」
と言いたげな雰囲気
ここまで来て走れないのはむちゃくちゃ残念だった。
BMWのお姉さんは「スカイラインなら国道を北に上がって安房トンネル抜けていった方が早いですね。北側からならまだ入れるはず。ここからなら1時間くらいでいけるし、今年限りの道だから行かれてみては?」と親切に教えてくれた。
そう、乗鞍スカイラインは2003年度からマイカー規制がかかるのだ。一般車両が入れるのは2002年10月末まで。冬期は雪のため閉鎖されるので、天候によってはもっと早い時期に入れなくなる。
遠方に住む私達にとっては今回がラストチャンス。ここで引き下がっては女が廃る、大枚はたいた高速代と無理やり取った有給休暇が無駄になる。
お姉さんが進めてくれたように北側から行ってみましょう!
来た道をそのまま戻り、R158を北上。途中、上高地へと向かう県道の前を通ったのだが、入り口は検問のような雰囲気で係員が張り込んでいる。
この上高地公園線もマイカー規制がかかっていて、一般車両は一切合財シャットアウトなのだ。上高地に向かう場合は平湯か沢渡でバス若しくはタクシーに乗り換えなければならない。2003年には乗鞍スカイラインも同じことになる。
最初は安房峠を下道で抜けようとしていたのだが、道の入口がわからず結局安房トンネルを通過。5kmのトンネルは中が広く明るいので走りやすい。これなら有料でも仕方がない。
トンネルを出て料金所そばのトイレにてちょっと休憩。平湯にて給油をしていよいよスカイラインへ。

前川渡大橋
こいつを見過ごすと三本滝方面に入れない。
スピードを出しすぎると見落としてしまう。
平湯からスカイライン料金所までの道は平湯峠を通るのだが、峠道だけあってクニャクニャでこれだけでも十分に堪能できるほどだった。料金所手前の展望台にてまた休憩。さすがに人も車も多い。
行き交う人々の姿を見てみると、軽快な半袖姿から季節を逆行した完全防寒姿の人までいる。しかし半袖姿の人はみな震え上がっていた。正午だと言うのに気温が15℃を下回っているのだ。
ここから先はまだまだ寒くなるだろう。
料金所にてお金を払い、いよいよ日本一高所の道へとアクセルを吹かした。ちなみにこの時期はエコーライン閉鎖のために南側へ通り抜ける事ができず、山頂の畳平から引き返さなければならない。つまりピストン状態、料金もキッチリと往復分2,200円を取られた。
夫婦で4,400円、ちょっと痛い。日本一高所の道路は料金もそれなりに高かった。二人合わせてタイヤは4つなんだから車1台分の料金で勘弁してくれないものか。
料金所からいきなりカーブが続く。バイクもちらほらといるが、車はその倍以上いてやや渋滞気味になっていた。ひとつひとつカーブを通るたび標高が上り、道の傍には汚れた残雪が寒さを表している。
針葉樹の生い茂るエリアを抜けると雪はさらに嵩を増す。眼下に見え出すのは高山辺りの町だろうか。あまりにも遠くに見えるので、自分が経験した事のない高さにいる事が良くわかる。
それでもまだまだ中盤、天国に一番近い道はまだずっと上なのだ。
いよいよスカイラインへ、遠くに見えるのが乗鞍岳。
このころから雲がどんどろ広がりだしていた。
雑誌などでよく紹介される大きなS字カーブにでた。今までのイメージではここを爽快に駆け抜け...だったが、あいにく車が列をなしていて思うようには走れない。しかし調子よく走れないのは渋滞のせいばかりではなかった。
なんだかシェルパの調子がおかしい。急に吹けが悪くなりだしたのだ。事前に友人から「気圧低くてエンジン吹けにくいよ」と聞いていたが、これがまさしくその状況なのか。
実際、いつもなら4速で上がれそうな登りカーブが2速に落とさないと上がれない。我が愛するシェルパもブヒブヒバホバホ鳴きながら必死になって山を登る。
シェルパとは確かヒマラヤに住む民族の名で、それが転じて登山案内人を指すようになった言葉のはず。そんな名前のくせして高い山に弱いのか、でもがんばれ!シェルちゃん!
前にはワゴン車が2台、真っ黒な排気を撒き散らしヘンなエンジン音を響かせながら走っている。きっと躍起になってアクセルを踏み込んでいるのだろう。この真っ黒な排ガスも自然破壊の一因、乗鞍スカイラインに規制がかかる主因は環境保護のためなのだ。
最初はアクセルワークに戸惑ったのだが、連続カーブを抜けて緩やかな道になった辺りから何となく操作がわかりだした。
2速か3速くらいでとにかくジワジワとアクセルを開きギアをつなぎ、急ぶかしは行わない。ゆっくり引っ張って回転数を合わしてやれば滑らかに走ってくれる。ブレーキはエンブレだけで十分。
R1100のような大排気量車ならともかく、小さなシェルパは息を切らしながらがんばっているのだから、ここで無理にムチを入れるのは無駄な事だ。

桔梗ケ原の駐車場から。
雲が近すぎて恐いくらい。
ジワジワと速度が乗ってきたところで屁こきワゴンを追い越し、やっと煙幕から脱出。桔梗ケ原と呼ばれる場所に出た。目の前には数台の車と、道、空、残雪、それだけ。
普段は山や建造物に囲まれて走っているがここには何も無い。土を覆う雪と、まだ春を待つ高山植物が足元に広がるだけ。手を伸ばせば既に指先は空の中なのだ。この山頂は空中庭園だった。
空を覆う雲はどんどん厚みを増してくる。分厚い綿を被っているようで、なんとなく威圧感がある。そのくせ体にまとわりつく風は妙に軽く、同じスピードでも山頂と下界とでは違うと思った。
山頂が見え出した頃から風が冷たく鋭く、そして湿度を含みだした。この独特の感触、なんだかスキー場に来たみたい...それもそのはず、遠くに見える山頂斜面は一面の雪景色、おや?斜面に遊ぶ人々が手にしているのはスノーボード!?
山頂の駐車場では車がぎっしり。そして駐車場横の斜面ではスノーボーダーがたむろしている。ここでは未だ雪遊びを楽しむ人がいたのだ。
この冷蔵庫のような場所が日本で一番高所の道。いつもよりかちょっとだけ天国に近づいた。
駐車場にバイクを停め、寒さに凍えながら周りを観察。道は、乗鞍エコーラインへ通り抜けられると勘違いしたドライバーが列をなして大渋滞している。車から降りた観光客は大抵が軽装、寒さに驚いて車にすぐに戻っていた。
駐輪場にはハーレー乗りのご夫妻がいて、震えながらもちょっとお話、「信じられないほど寒いね!それにエンジンふけないから走りにくい」と同じ思いを語り合った。重たいハーレー(ヘリテイジ系?)で吹けが悪かったらさぞかし上りは辛いだろう。

雪と戯れるボーダー。
この時、神戸の親友から来たメールには
「めっちゃ暑い〜、気温30度くらい行ってるで」と書かれていた。
それにしてもやたらと寒い。一応は寒さを覚悟してトレーナーの下に防寒用シャツ(高級ババシャツ)、ジーンズの下にはスキー用の防寒タイツ、登山用の靴下、ジャケットは真冬用だったのだがこんなものじゃ到底間に合わない。
私よりも薄着の副会長は歯の根も合わないほど震えている。もう気温が何度かなんて考える気も起こらない。
乗鞍の神は我らツーリングライダーを拒み、季節はずれのスノーボーダーを御身の天の庭へと招き給うのか...もう5月の末と言うのに、下界では水着と浴衣が売り出されていると言うのに、もうすぐ例年より早い梅雨入りを向かえるかと言うのに。
「あかん〜!寒い〜!!」とうとう副会長がキレた。これを合図に下界へと退散。私達には天の庭は似つかわしくなかった。本当は鶴ケ池などゆっくり見て廻りたかったのだがこのままだとチルド冷凍されてしまう。
まだ機嫌の悪いシェルパに再度火を入れて、すたこらさっさと下山。さすがに下りは楽なもので、エンブレが使える程度に吹けていてくれればそれでOKだった。
下りも交通量は多い。多少は飛ばして遊びたかったのだが、諦めて風景と道とをしっかり観察する事に集中した。少し気持ちに余裕が出てきて、広い風景も行きとは違う感覚で見れた。
道は正に「下る」と言う言葉が相応しい、標高差1,000mをあっと言う間に降りてくるのだから。途中、切り立った崖のカーブは宙に浮いているようで「このままブレーキかけないで飛んで行けば、お空の彼方に行けるかも」なんて危ない気持ちにさせる。
30分もしないうちに料金所を通過、展望台に帰ってきた。震えながらメットを脱ぎ、ミラーで自分の顔を見てみると...あ、鼻水たれてる、唇は紫色、まぶたは腫れ上がって顔はむくみまくり、しかも鬱血してまだら模様になっている。うわあ、我ながらぶっさいく。
寒さのダメージが真っ先に顔に来るとはね、年かしら。

凍りかけの副会長
このまま凍らせてクール宅急便で送ったほうが
交通費が安かったかもしれない。
副会長と二人してレストランに飛び込み、噛み付くようにして暖かい素うどんと天そばを補給した。今はとりあえず暖かいと言うだけでごちそうだ。お腹の底がポッと暖まり、生き返った気分になる。これこそ天国からの生還だ。
レストラン内には未だストーブが焚かれていた。
外に出てみると料金所の方からやかましいアナウンスが聞こえてきた。「乗鞍スカイライン山頂、雪のため閉鎖いたします!」どおりで寒かったはず。
しかし蒸し暑い関西で住み暮らす私にとっては、5月末に雪だなんて季節感が伴わなくてヘンな感触。日本も狭いようで広いものだ。
レストランを出た段階で午後1時。まだまだ日は長いのだが高所ツーリングよりも温泉が恋しくなり、平湯へとバイクを進めた。途中、R471沿いの道の駅・奥飛騨温泉郷上宝に立ち寄りおみやげ物の物色とおやつ補給。
さすがにここでは半数以上が半袖姿。重装備ジャケットを着た私は完全に世間から浮いていた。
道の駅から新穂高温泉を目指し蒲田川沿いに走行。川は雪解け水が流れているのか、ウソみたいに澄んで涼やか、そして山へと進むにつれ幅が細くなり流れも険しくなる。
いくつもの温泉宿を通り抜け、本日のお宿「ペンションほのみ亭」に到着。山を背後に控えたログハウスで、なかなか雰囲気がいい。
しかし到着はしたがチェックインできるのは3時から。とりあえず荷物とシェルパを預け、R1100にタンデムして新穂高観光へ出た。背中のリュックにはもちろんお風呂セット搭載。

副会長ご推薦のお土産
中は黒豆の甘納豆
まず目指したのは新穂高ロープウェイ。少し雨が降った後、雲が切れて晴れだしたので今なら最高の景色が拝めるだろうと期待していた。ロープウェイ乗り場にはこれまたたくさんの車と観光バス。
さあ、日本最高所のロープウェイにいざ乗らんとチケットを買おうとしたら往復で2,800円、二人で5,600円、高い。副会長にどうすると尋ねたら「高すぎる、やめとこ」
お互いビンボーだから仕方が無い。ケチって片道だけ乗っても自力じゃ帰って来れないし。
かと言ってこのままペンションに帰っても仕方ないので、代替案としてバス停横にある、村営で無料の"新穂高アルペン浴場"はどうかと尋ねたら「タダほど高いもんはないしなあ」...どないせえっちゅうねん。
結局はアルペン浴場案が採択された。これ以外に無料の温泉と言えば"新穂高の湯"と言うのがあるがここは川原の露天風呂で橋の上から丸見えで、花も恥らう乙女としてはちょっと入れない。
対するアルペン浴場は屋内施設で男女別で脱衣所も完備、有料だがロッカーもあり浴室内には3基だけだがシャワーもある。無料にしては設備充実。
入ってみると客は私だけ。薄暗い中一人で入るのは少々気味が悪かったが、お湯の良さはバツグンだ。ちょっと硫黄の匂いのするお湯は熱いけれど、柔らかくて肌触りがいい。
薄めたお湯ではなく源泉をそのまま汲んでいるのか、タイルや壁に錆がついて変色している。循環式なんてセコいことはしていないのでじゃんじゃんお湯が流れてゆく。
浴槽は大人10人くらいなら何とか入れそうなほど広く、これを貸し切り状態で入ったのだから贅沢気分満悦だ。
窓の向こうは蒲田川の清流、少し窓を開けると冷たい風が入り込んで、のぼせた身体を冷ましてくれる。こんな温泉が村営管理で無料とは、上宝村って偉い。

新穂高バス停から。
奥に見えるのが槍ヶ岳...だったと思う。
お湯につかっていると遠くからパシン!とラップ音のような高い怪音が響いてきた。不気味に思っていたらその正体は雷鳴、空が近いせいか雷までも音が違う。あっという間に空が黒くなり大粒の雨とともに眩しい閃光。
お湯からあがり外に出てみると土砂降りの雨だった。すぐに止むだろうと期待して、隣のみやげ物屋に30分ほど避難。試食品を食べ尽くし気に入った物を買い、何かと楽しんでいる間に雲は流れていった。
山の天気は私と同じくらいコロコロ変わる。青空が戻った頃、蒲田川の上流にそびえる槍ヶ岳がようやく機嫌を直してその勇姿を私達に見せてくれた。
白く鋭く尖った姿からは"コーンに盛ったジェラート"を連想してしまう。ああ、お腹すいた。
雨上がりの川沿いはキラキラして美しい道だった。またタンデムで帰り今度こそペンションほのみ亭にチェックイン。迎え出てくれたのは結構美人のオーナー夫人、冷たく美味しいぶどうジュースで歓迎してくれた。(ほのみ亭HPへジャンプ!)
このペンションの売りは料理と貸切りできる露天風呂。親友からも「お風呂がサイコーなのー」と聞いていたので、部屋に荷物を置くなりすぐさま温泉に突進。
洗濯したばかりの清々しい空の下、雰囲気の良い露天風呂を独占して気分は女王様だ。
お風呂の向こうは静かな森と山が広がるだけで人の気配は全くない、覗きに来るのは森の野生動物と夕陽くらいのものだろう。
大きな木枠のお風呂は二つ並んでいてどちらも威勢良く湯が流れ出す。お湯の中にも花が咲く、と歌われたのは草津温泉だったかと思うがここだって負けてはいない。湯の花が乱れ咲いてフワリフワリと舞っていた。
感触はアルペン浴場と同じような肌触りのいいお湯で、筋肉痛や打ち身の箇所にピリピリと沁み込んでくる。顔にもお湯をつけてみるとジワッと沁みてきた。
この頃年齢のせいかやけに肌が弱くなり、特にバイクに乗っている時に大量の排気ガスを浴びると、必ずと言っていいほど肌荒れを起こすようになったのだ。
今回も走りっぱなしだったので既に皮膚炎を起こしていたのだが、洗顔した後にじっくりと温泉の蒸気を浴びていると少し炎症がマシになった。

これがほのみ亭露天風呂
西向きなので夕日を眺めながら入れる。
1回目のお風呂をゆっくり楽しみ、部屋で仮眠を取り、6時過ぎには待望の晩ご飯。
暖かい雰囲気の食堂でワインと共にゆっくりと料理を堪能。それぞれの品は前評判どおりの美味で、決して期待は裏切られなかった。
特にねぎ味噌で味付けした陶板焼きと胡麻豆腐の天麩羅がなかなかの逸品、これは家でも試してみなければ。
食後には2回も露天風呂を楽しみ、やっと落ち着いたら10時過ぎ。窓の外はかなり冷え込んでいたが温泉のお陰で体は芯から温かい。あーなんて幸せ、うちにもあんな露天風呂が欲しい!