高原の紫陽花

平成17年8月6日〜7日  兵庫県大河内町

天候 うす曇で雷雨でのち星空キラキラ
支出金額 10,000円(高速代、飲食費、ガソリン代、キャンプ代、入泉料)
走行距離 約250km(発着:赤松PA)
参加者

ワカ様、カワノ君、ともち、キタさん、イシダファミリー、ヤギファミリー、スガちゃん、DENTU君、管理人、

チェック

ポイント

とちのき村 http://www2.nkansai.ne.jp/org/tochinoki/

温泉保養館おじろん http://www5.nkansai.ne.jp/off/eeu/

 

 


 

6日AM9:00

 

カワノのシェルパ いつもよりちょっとは涼しいかなと思える朝、中国道の赤松PAにて集結。毎年の如く、ジャリタレ軍団がわらわらと車から降りてきて大騒ぎをしている。ほんの1〜2年会わない間に、こいつらはやたら大きくなっている。もはや成長したのではなく、変態したのではないかと思えるほどだ。

 

 今回は懐かしいメンバーの復帰日でもあった。3年弱ぶりにカワノ君が参戦している、ひょろ長い体躯でのんびりしている様は変わりがない。やあやあご無沙汰と再会を喜んだら、「みんな老けたなあ...」と憎まれ口をたたきやがる。それはあんたも同じでしょうが。

 

 久々に見てみたら、彼の愛車はカワサキの初期型スーパーシェルパに変わっていた。あれだけ相思相愛だったニンジャはどうした?と聞くと...「バラバラに分解して自宅の2階に保存中、いつか必ず復活させてやる!」 

 保存するのは結構だが、家を掃除する奥方から見れば単に邪魔モノじゃないのかと同情してしまう。とっとと復活させないと、そのうち荒ゴミの日に捨てられてしまうぞ。

 

 

 

AM10:00

 

温泉保養館おじろん 薄雲の下、中国道から舞鶴若狭道を通過。ところどころ、路面が濡れていてひんやりと涼しい。北へ向かえば向かうほど涼しくなるのかと思うと嬉しかった。しかし丹南篠山口ICで降りて、R176、県道7号を走って青垣町に入ると少しムシムシ。そしてR427と遠阪トンネルでクールダウンしたが、R9で旧・和田山町こと朝来市内に入った途端、ムシムシムシムシ。

 息をするのが苦しくなるほどの蒸し暑さ、もちろんバイクの冷却ファンも飛んでいきそうなほどに回りっぱなしだ。

 

 今回のイシダ君はビッグスクーターでの参戦で、背後には子供が交代で乗り込む。このタンデムランがチビどもには嬉しくて楽しくてたまらないらしい。さすがにバイク乗りを父に持つ子供達だけあってか、パッセンジャーとしての乗り方もさほど危なっかしくない。この楽しい思い出がいつか芽を吹き、近い将来この子達が正しいバイク乗りになってくれたらもっと楽しいだろうなと思ってしまう。

 しかし今はまだまだ子供、油断は禁物だった。ヤギちゃんの甥っ子、チカラ君はタンデムシートでうたた寝をしてしまったのだ。しかも私がすぐ後続でついている時に。首が左右に揺れる様を見て、もしも落っこちたら確実に轢いてしまうと血の気が引いた。もちろんチカラ君は車へ強制送還、お姉ちゃんのスミレちゃんと交代させられた。

 

 暑さで吐きそうになりながら道の駅ハチ北にて再びクールダウン。そしてややこしい山道に入って、第1チェックポイントの“温泉保養館おじろん”に到着。幸いにも空いている時間帯だったのか、貸切に近い状態だった。

 ここは、事前にチェックしていたら何かと割引ワザを使うことができる。何よりも尼崎市民と香美町民は無条件で割引してもらえるのは有難い。近頃、JR脱線事故やアスベスト問題で何かと評判の悪い尼崎だが、探せばいいところもあるものだ。

 お風呂は男女別の大浴場と、別棟に水着必須の混浴露天風呂があった。私は水着を持ってきていなかったので、一足先にロビーで休憩していたが、ジャリタレ軍団は風呂で一暴れしていたらしい。

 

 

 

 

PM2:00

 

キタさんのFJR おじろんで日帰り参加のキタさんと合流し、バイク6台+車1台でキャンプ場を目指す。キタさんはピカピカ新車のFJRで参戦。重装備のフルカウルが見ているだけでも暑苦しいが、乗っている本人も暑さで参っているようだ。

 

 キャンプ場があるとちのき村まではバイクで20分ほどの距離。山頂にあるのでクネクネ道を登るのが一苦労だ。

 とちのき村の建物が見えてきたところで、先行したはずのカワノ君がなぜだか路肩で駐車してしゃがみこんでいる。いったい何をしているのかと見ると、大汗をかきながらシェルパのチェンジペダルをいじっている。何でも走行中にペダルがぽろんと抜け落ちて側溝の中に落ちたらしく、ギアはセカンドのままどうしようもなくなったらしい。

 皆は「カワサキだからそんな事もあるよねー」と笑っていたが、私が以前乗っていた赤シェルパはそんなことは一度もなかった。もっとも私は新車で買って、彼は中古と言う違いはあるけれど。

 炎天下で望まぬ修理をするハメになったカワノ君、「帰ったらバイク屋に文句言いに行ってやる」と大いに憤慨していた。

 

 アクシデントも無事片付けたところで、とちのき村にチェックイン。キャンプ場に入ってみるときっちり整備された使い勝手のいい施設だった。かと言ってオートキャンプ場のように無粋なわけでもない。それなりの雰囲気を残しつつ、充分に安全なアウトドアが楽しめるようになっている。これならジャリタレ軍団がいても安心だ。

 このとちのき村は尼崎市の公共施設、さすがに税金を投入しているだけの事はあった。我々が苦しい思いをして払った市民税を取り戻すためにも、力いっぱい楽しまねばならない。

 

 

 

 

PM5:00

 

BBQ 山頂のキャンプ場は下界の暑さを忘れさせてくれるほどに快適だった。テントを張っていてもあまり汗をかかずに済んだし、天然の涼風はエアコンと違って体に優しくて心まで落ち着かせてくれる。オーバーヒート気味だった愛車たちもほっと一息ついているだろう。

 

 日がゆっくりと傾く中、全員で夕食の段取りに励んだ。幹事のワカ様があれこれと指揮を取っていたが、ハタから見るとほとんど小学校の教頭先生状態。キャンプツーリングと言うよりはPTA参加の子供会キャンプだ。

 その指揮される子供達を見ると、男子児童はまだまだ暴れたりないのかBBQの手伝いをしながらも悪さを続ける。イシダ君ちのたっくんはカマドの火を起こすのに夢中になっていた。これこれ、火遊びってのは大人になってから楽しむものだよ。

 対して女子は料理がしたくて仕方ないものだから、かなり積極的に手伝ってくれて頼りになる即戦力となった。これなら良いお嫁さんになれそうだ。

 

 今宵のメニューはBBQに焼きそばに豚汁。荒っぽいBBQと焼きそばは男子に任せ、女子は豚汁に集中した。スミレちゃんが器用に豚バラ肉を細切れにし、ミユちゃんが小さな手でコンニャクをちぎり、ともちと私とで大根やニンジンを荒っぽく刻む。このとちのき村では事前予約をしていれば材料も食器も調理器具も全部調達してくれるので、料理もかなりはかどる。

 大きな鍋に材料と水を加え、一煮たちしたところで味噌を投入して美味しくなあれと願いを込める。BBQの準備を済ませた男子に毒見、ではなく味見を任せてみると、「めっちゃ旨い!」と大絶賛。そりゃそうだ。女子4人が真心と愛情をふんだんに込めて作ったのだから。ケチを付けようものならバイクで市中引き廻しにしてやる。

 

キャンプファイヤー 夕食がすんで日帰り組のカワノ君とキタさんは帰路に着いた。タイミングの悪い事に夕立が降ったがこの時期のこと、走っている間に乾くだろう。シェルパはまたペダルが落っこちるんじゃないかとも思ったが、まあカワノ君なら自分で勝手に何とかするだろうとお気楽に見送った。

 

 お見送りの後は再度お風呂に入ってさっぱりとし、本日のメインイベントであるキャンプファイアーを楽しむ。ビールを空けながらオレンジ色の炎を眺めていると、火とはつくづく不思議なものだと感じ入ってしまう。使い方一つ間違えば世界を狂わせるが、間違わなければ美味しいご飯を作ってくれたり暖を与えてくれたり、そして気持ちを和ませてもくれる。

 

 炎はいつの時代もただ炎であるだけだ。要は扱う人間の心根一つで化けるのだろうなと、太古のプロメテウスに問い掛けてみたりする。

 

 

 

 

 

PM9:00

 

 キャンプファイアーが終了すると、再び暗闇に目が慣れてきた。ワカ様が「空を見上げてみ、星がすごいぞ」と坂本九みたいな事を言い出した。ビールに酔った視線を上げてみると確かにとんでもない星空が広がっていた。幸いな事に先ほどの夕立が大気をキレイに洗ってくれたので空には塵一つなく、しかも今夜は新月だ。凝視していると天の川まで確認できる状態だった。

 先生役のワカ様は続いて「天体観測に行くぞ!」と引率を始めた。とちのき村には立派な研修用の建物があるのだが、その屋上には本格的な天体望遠鏡が設置されているのだ。これも我らの税金から支出されているのだ。真面目な納税者として見ないわけにはいかない。

天体望遠鏡

昼に見た状態。てっぺんの丸いドームの中に巨大望遠鏡が鎮座まします→

 

 キャンプ場から本館まで星を眺めながら散歩を楽しんだ。本館では若い女性職員に案内されて屋上へと上がる。「皆さん、寝転がって星空を楽しんでください」とのお姉さんの勧めに従い寝転がって夜空を仰ぐと、キャンプ場で見たよりもさらに凄い星空だった。これだけ星が多いと遠近感が狂ってきて体が宙に浮くような錯覚に襲われる。しかも気持ちのいい風がフワフワ吹いている。

 「ああ、今夜はここで寝たいなぁ...」、ヤギちゃんが恍惚としてつぶやいた。

 

 私たちが星空に酔っている間、職員のお姉さんが天体望遠鏡の準備を進めてくれていた。しかし時間が少なかったためにアウト。残念なことではあったが、もはや望遠鏡など不要なほどの星空を眺めたのだ。不平不満を口にする者は誰もいなかった。

 それにジャリタレ軍団は巨大な望遠鏡やパソコンのディスプレイに映し出された星の姿を見ただけで大喜びだった。館内を去る時には全員で「お姉さん、ありがとうございました!」の気持ちよい大合唱。それを受けたお姉さん職員、「はい、どういたしまして。みんなまた星を見に来てくださいね」とこれまた気持ちのよい返答。こんなに清々しいシチュエーションを生み出してくれたのかと思うと、市県民税を払うのも自動車税を払うのも、まんざら悪くないなと感慨深くなる。

 

 

 

 

7日AM7:00

 

一夜の宿 クーラーなしで熟睡したのは久しぶりだ。明け方には寒さで目が覚めたほどだった。テントの外では早起きのワカ様とたっくんが周辺散策していて、オヤジのイシダ君はまだテント内で大いびき。

 7時前にはみんな起床して、本館へと向かう。朝食は予約していたので本館内の食堂でいただくことになっていた。ぽつぽつ歩きながら山を下っていると、前方から見覚えのある男の子が歩いてくる。日帰り参加日曜組のDENTU君だ。この日はDENTU君とスガちゃんが当日参加予定で、各自現地集合となっていたのだが、このキャンプ場は少々わかりづらい場所なので、無事に来れるのかと不安だった。しかし「大阪から3時間ほどで来れましたよ」と聞いてほっと一安心。

 

 食事の後はキャンプ場でともち持参のコーヒーを堪能し、テント撤収に励む。着いたばかりのDENTU君をこき使い、10時前には出発する事になったが、困った事にスガちゃんが来ない。心配になって携帯電話で連絡をとってみるが、電波を受信できるのはauだけだったのでかなり不便だった。

 当のスガちゃん、R9で村岡町まで来たのはいいが、そこから先がわからずに一人寂しくさまよっている状況。だいたいこの人はクラブ内随一の方向オンチなのだ。山を登れと言ったら下ってしまったり、東へ行くはずが西に向いてしまったりする人なのだ。単独で来させる事自体、無茶だったのかもしれない。事前にメールで「間違って日本海まで出たらあかんで」などと冗談を言っていたが、あながち冗談では済まなくなってしまった。

 

 

 

 

PM12:00

 

雨に煙る道の駅 やっと携帯電話で連絡を取る事ができ、道の駅村岡パークファームでスガちゃんと落ち合う事になった。涼しい山をあっという間に下ると、下界はやっぱり蒸し風呂。焼けたアスファルトと、熱を発散しまくる愛車のエンジンが憎たらしい。

 道の駅村岡についたところで無事にスガちゃんと合流。聞くと本当に日本海に程近いところまで走ったらしい。一人で彷徨ったのがよほど心細かったのだろう。「走ってるうちにだんだんと目の前が涙で曇ってきたっちゅーねん!」と泣き言を口にした。

 

 道の駅では名物の但馬牛関係のお昼ご飯をいただく。チカラ君は乗り物酔いと疲れでグロッキーになっていたが、他のガキンチョ軍団は元気良く定食を平らげる。お味噌汁をすするヒロム君に「昨日の豚汁とこの味噌汁と、どっちがおいしい?」と聞くと「豚汁に決まってるやん」と答えてくれた。この一言が聞けただけで気分は上々だ。 

 

 道の駅を出ると、空は黒い雲に覆われてきてぽつぽつと小雨が降り出した。どうせ通り雨だろうと期待していたが、ものの10分ほどで路面が霞むほどの大雨。雨粒がやたら大きいものだからバチバチ当たって手足が痛い。

 雨宿りに道の駅ハチ北へ逃げ込んだが、雨雲はなかなか去ってはくれない。哀れなのはスガちゃんとDENTU君だ。朝早くからテント撤収させられたり、孤独に迷子になったり。あげくの果てには大雨でズブ濡れ。よほど日ごろの行いが悪いのか。

 

 いつまでも雨宿りをするわけにもいかないので、小雨になった隙に再出発した。しかし全員の日ごろの行いが悪いせいか、雨はシャレにならないほど激しくなった。シールドに当たる雨粒がバチバチと音を立てて炸裂する。

 私はレインスーツを持ってきていなかったので、服から靴からズブズブにウェット状態。このまま脱水機に入りたいくらいだ。背後に積んだテントももちろんびしょ濡れだろう、帰ってから片付ける事を思うと気が重い。和田山市街に入った頃には無線機のPTTスイッチにまで水が入り使えなくなってしまった。もうどうにでもなれとヤケッパチになってバイクを走らせる。

 

 

 

 

PM3:00

 

 和田山から播但道に乗って朝来SAにて休憩。さっきまでの黒い雲が完全に晴れ、いきなりお日様がギンギラ燃え出す。冷たかったり暑かったりで自律神経がしっちゃかめっちゃかになりそうだった。

 レインスーツを着込んでいた連中は哀れにもサウナスーツ状態になって、汗で濡れたのか雨で濡れたのかわからなくなっていたようだ。

 

 播但道を南下するにつれ、やはり暑さは増してきた。中国道は完全な灼熱地獄。せっかく服が乾いたのに、背中に受ける日光のせいでまたも汗だくだ。同じ兵庫県内なのに、さっきの村岡町とでは差がありすぎる。

 水分不足になりながら赤松SAにて休憩兼解散式。タイヤを見ると熱さのせいか表面がうっすらと融けていた。ジャリタレ軍団はクーラーのきいた車内でぐっすり寝たおかげか、やっぱり元気。ちょっとうらやましい。

 

 赤松からは毎度おなじみの大渋滞。排ガスにむせながらも自宅に着いてテントを広げてみたら、案の定ぐっしょりと湿っていた。やはり5,000円のバーゲン品に高い防水性は望めない。来年こそはお小遣いをためていいテントを買うぞと、沈む夕日に貯金を誓った夕暮れだった。所詮、適わぬ誓いなんだろうけど...