栽培と管理 
2000/ 9/16


サボテン多肉栽培中級講座 A

 会誌「サキュレント」2000年1月号掲載記事より(筆者Y.N. 埼玉県在)

水やり

 サボテンは水をやらなくてもいいんでしょ。サボテンの売場でこんな言葉をよく耳にします。その場で私は、すぐ言い返します。生きものだから、水をやるときは十分にやらなければダメですヨ。
 水をやって枯らした人は、やらなければ枯れないと思っているのでしょう。やって枯らすよりは、やらないで長持ちさせるはうがいい、と思うのは確かに人情です。
 水やり3年、という昔からの例えがあります。水やりがちゃんと出来るまで、3年はかかると云うのです。私なんか何十年やっても、まだわからない。
☆培養土との関連
 水やりは、表面の土が乾いたらやるのが原則です。サボテン・多肉の場合は、乾いたらすぐやるか、2,3日たってやるか、やる時は鉢底から流れ出す程度にたっぷりとやります。このへんのことは、だれでもよく知っていることです。
 よく閑人がいて、水をしょっちゅうやりたがる人がいます。こんな人には、培養土は軽石で植えなさいと云っております。軽石は水分を含んだら余分なものは、外に出してしまうので、根の先端にいっまでも水が停滞していることはないのです。従って根は軽石の間で呼吸が出来て元気に生育するのでしょう。
 忙しくて、なかなか水やりの時間がない人は、赤玉土だけで植えるのもいいかと思います。赤玉土は水持ちがよく、よほどの強い風が吹いて、好天が続かない限りかなり長い間土の表面は乾かないはずです。
☆夏の水やり・冬の水やり
 夏は夕方から日没までに水やりをします。3時過ぎたら大丈夫でしょう。曇天や雨天の時はやりません。休眠中の冬型植物は入梅から、秋のお彼岸の頃まで水やりは中止します。
 小型のコノフイツムなど休眠中でも、夕方涼しい北風の吹くときチョポットやります。
 あまり乾燥させますと、秋の生育期になってこじれて枯れてしまうからです。
 冬の水やりは、朝10時頃までにやります。朝忙しい人はそれより前でも止むをえません。水は人肌程度に温めたぬるま湯をやります。冷たい水をやりますと、日が昇って根が温まるまでにかなり時間がかかりますから、これはなるべく避けたいものです。
☆苗の大きさによる水やり
 種蒔きをして、発芽して2〜3月までの幼苗は、なるべく乾かせすぎないように注意します。赤玉土か川砂の細かい用土に植えて、土の表面があまり乾かない程度に、噴霧器などで、スプレーしてやります。寒冷紗などで、光線を弱めてやることも大切でしょう。
☆水やりこぼれ話
 あるサボテン業者の温室を見学した時のこと。入梅明けで真夏の太陽がガンガンと照りつける午後の昼下がり。ハウスは全部月下美人ばかり。なんとこの著さの最中、園主は、汗だくで水やりをしているではありませんか。
 なんで、この書いのにみずやりを?と問いただすと、水をやって冷やさないと根が熱くなって‥・という答。水をやったら、お湯になってしまう?と私は反論。
 ホラ、触ってみて、と指差す園主。さっそく触ってみて驚きました。水をやったら、急に鉢の温度はさがるのです。なんとも当たり前の話です。しかし、あとでまた元の温度になりはしまいか。園主は自信をもってこれがいいんだと云う。これは千葉県の話。
 信州とか東北地方なら、夜間の最低気温が下がる土地ならわかるのですが・・・。いや、私サボテン何十年やってても、まだわからない水やり。水やり3年いや、30年、もしかして300年?水やりは園芸をやっている者の永遠のテーマかもしれません。
 皆さんはどう思われますか。


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