栽培と管理 
2000/ 4/15


5月の栽培

 会誌「サキュレント」96年5月号掲載記事より(筆者N.W. 東京都在)

 4月に続いて5月は,休眠態勢に入った玉型メセン以外の冬型種にも,これから最盛期を迎える夏型種にとっても快適な季節となります。昨秋以来,長期間の断水,休眠を強いられたものも,4月以来の暖気にはぐくまれ,次つぎと新葉を繰り出すもの,早くも開花を始めるもの等々,多肉・サボテン人冥利に冬きる季節ともいえましょう。この月間は,植換えを初め,胴切り,芯えぐり,接ぎ木,種まき等々で忙しい時期で,日曜や休日でも朝寝坊は禁物でしょう。賭けマージャンやら飲み歩きやらで深酒する人,ゴルフや競輪・競馬などに憂き身をやつす面々には所詮この趣味は通さないものでしょう(老爺心まで)。朝露に濡れて,陽光に照り映える姿にしばし見とれる楽しさは,門外漢には分からない楽しさでしょう。
 5月に入り,最低気温も10℃を下らなくなると,高温を要するサボテン温室は別として,多肉専用の温室では終日開放栽培となり,窓や扉を開閉する手間も省ける点は大いに助かります。
 関東以西では”そめいよしの”も4月上旬には散り,雨ざらし可能な強健種は既に戸外放出となりましたが,戸外栽培でまず第一に気付くことは,草姿が引き締まってくること,色艶が良くなることでしょう。5月一杯は,青天井で遮光無しの栽培のほうがかえって植物のためには好結果が得られるようです。この時期は,たとえ数日間の雨天曇天が続いても,真夏の蒸れ腐れや陽焼けの心配もなく,水も鉢底から抜けるほど充分に貰えるからでしょう。しかしこれも,6月に入り梅雨が始まる前までとし,以後は天井を覆った置場に移動することです。
 地上栽培の場合,鉢を直接地上に置くのはぜひ避けて下さい。ドロのはね上りや,これにより病害を受ける恐れがあります。地表から数十センチは離した台の上に置きましょう。
 さて,強健種を放出した後の温室・フレームの中はどうでしょう。窓や扉を全開しても,外より気温が高いのは当然で,特に風のない日は外気温とかなりの違いがあるものです。太陽もこの季節になかなり入射角度を増し,頭上より照りつける感じとなり,陽焼けを防ぐための遮光が必要となります。午前より午後のほうが照度も気温も高くなるので,遮光ネットは先ず西側の屋根から張ったはうが良いでしょう。これから盛夏に向かい,日照も更に強くなるので,これに合わせて東側の屋根や西側面を遮光ネットを張ることにします。しかし,温室の立地条件により,終日陽のあたる温室と半日程度しか陽が差し込まない温室とでは,当然ながら遮光の方法も手順も違ってきますので,その点を勘案したうえで実施しましょう。
 ところで,サボテンも多肉顆も,日中と夜間の温度差(日較差)を好む植物ですが,香港や台湾の同好の方は如何ように作っておられるのでしょうか?冬の間は暖房の苦労もなく,栽培も楽なことと思いますが,問題は,日較差の少ない長い夏をどのように過ごさせているのでしょう? 温室に冷房機を取り付けて,日没後冷風を室内に取り入れ,温度差を人工的に操作したら,バッチリ良く育つのではないか(?)などと愚考していますが・‥…。現地の皆さん方のご意見を拝聴したい気持です。

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