戦数説2

「戦時国際法規綱要」海軍大臣官房 1937年


戦數(Kriegsraison)
獨逸系學者中ニ、戦争法規ノ外ニ、戦數即チ戦争ノ必數ナルモノアリテ、普通ノ交戦法規ニ遵フトキハ緊急状態ヲ脱シ得サルカ、叉ハ戦争ノ目的ヲ達成シ難キ場合ニハ、右戰數ガ活動スルニ至ルトノ説ヲ唱フル者アリ。
畢竟
或ル場合ニハ、戦争法規ハ之ヲ度外視得ベシトノ主張ニ外ナラズ。右説ハ之ヲ採用スベキ限ニ在ラズ。
普通
戦争法規中、戦争ノ必要已ムヲ得ザル場合ニハ、特殊ノ例外的措置ニ出ヅルコトヲ得ル旨ヲ規定シアルモ、之ハ所謂戦數ノ観念ヲ認メタルモノニハ非ズ。

 (「戦時国際法規綱要」P62〜63)

  • 「戦時国際法規綱要」は、1937年、榎本海軍教授兼書記官が編纂したもので、当時の海軍次官、山本五十六の名前で「海軍士官ノ責務ニ資シ兼テ其ノ研究材料トシテ適當ナルモノト認メ之ヲ部内所要ノ向ニ配付」された、海軍の公式文書。
  •  帝国海軍は、陸戦隊を持ち、陸上戦闘を行う場合もあったため、本書には「主トシテ海戦闘係事項ヲ收録シアレドモ、海軍トシテ必要ナリト認ムル範圍ニ於テ、陸戦其ノ他ノ關係事項ヲモ收メ」られている。
  •  本書は「国際法規慣例中凝議ニ亘ルモノノ解釋ハ、中正ヲ期センコトヲ努ムルト同時ニ、帝國ノ事情ヲ深ク考慮シ」、「国際法規慣例ノ依ルベキモノナキ事項ニ付テハ、獨断ヲ避ケ主トシテ關係国際會議ニ於ケル審議ノ結果等ヲ参酌シ」たものである。



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