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まずここで、「南京事件」(いわゆる「南京大虐殺」、前掲の小林のいう「南京虐殺」はこのことを指しています)について簡単に説明します。
「南京事件」とは、日中戦争中の1937年12月13日の南京陥落後、3週間〜6週間にわたって、日本軍が南京において国際法違反の、捕虜、一般市民の組織的な処刑を行い、略奪、暴行、放火、殺人といった行為を行った事件のことをいいます。
これに関しては、事件そのものの有無、規模について諸説あり、いまだに論争が続いています。
では、本論にもどります。この小林よしのりの主張はただ一点をもって致命的です。
それは、ただ一行。
この主張の根拠はどこにある?
ということです。
小林よしのりはP177で
- 証拠なしでは、謝罪も賠償も要求できない。
法治国家である。
証拠なしでいいなら、しゃべりのうまい、演技力のある証言者が、だれでも他人を加害者にでっち上げることができる。
と書いています。
ところが、それが、何の証拠もなしに、
- 東京裁判で捏造された日本の犯罪の一つが南京虐殺である。アメリカが原爆で虐殺した広島・長崎の一般市民30万人と釣り合うくらいの日本人の戦争犯罪が欲しかったのだろう。
と書いています。言行不一致も甚だしい限りで、殆ど支離滅裂といって過言でありません。
大体、終戦時は、原爆による死者は
広島 78,150人(1945年11月末 広島県警調)
長崎 23,753人(1945年11月25日 長崎市調査)
合計101,903人 とされていたのです。
(「戦史叢書 本土防空戦」 P642,649)
もし、小林よしのりの言うとおり、アメリカが南京事件をでっち上げたものならば、南京事件の死者は「一〇万人」だったと主張されていないと辻褄があわなくなります。
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