まず、初歩的な間違いですが、いわゆる世界大恐慌は、1929年10月24日(木曜日)、ニューヨークウォール街のニューヨーク株式市場における株式大暴落をきっかけにして発生しています。1929年は当然のことながら1920年代です。 従って、これは、「一九二九年に恐慌が始まる」か「一九二〇年代に恐慌が始まる」の間違いです。 次も初歩的な間違いですが、アメリカが高い関税をかけたところで、日本商品を世界市場から締め出すことができないのことは明らかです。 これは明らかに「アメリカ市場から」の間違いです。 では「恐慌が始まると、アメリカは高い関税で日本商品を「アメリカ市場から」締め出」したという主張は正しいのでしょうか。 結論から言えば、これも間違いです。 世界恐慌の起こった1929年から太平洋戦争の前年の1940年までの12年間の日本の主要国別の輸出額の「実際」の推移は別掲の表の通りです。 さて、この表から明らかなように、1931年は、日本が満州事変を起こし、満州をめぐって緊張関係が生じていたためか、一時的に輸出は落ち込んでいますが、それ以降は、1937年までは、アメリカや英連邦に対するは輸出量は概ね増加しています。 日中戦争勃発後の1938年以降は、輸出の増加は止まっていますが、それでも、アメリカや英連邦は、日本の主要な輸出先であり、外貨の獲得先でした。(中国向けの輸出は円建て多く、外貨を得ることは殆ど出来ませんでした。) 日本は、締め出された訳ではありません。勝手に締め出されたと思いこんだに過ぎなかったのです。 残念ながら、未だに根拠もなくそう思いこんでいる人が多いのは、藤岡氏の例でも明らかでしょう。 |