「三国同盟」の性質が「対米軍事同盟」であることは松岡洋右の証言から明らかです。
 そして、アメリカは「三国同盟」の性質を正しく理解していました。

同盟の主な目的が合衆国を目標としていることは明瞭である。米国に太平洋区域に危惧を起こさせる点で、これが独伊両国に都合がいいことは明らかだが、日本の利益が何であるかはそれほど明らかではない。事実、何か以下の諸点の一つあるいは数個に関する秘密条項が存在しないとすれば、独伊対日本の利益は、まったく釣合がとれぬように思われる。諸点というのは-(一)仏印と蘭印における日本の支配あるいは開発が支援を受けること(二)重慶における調停によってドイツが中国との衝突を仲裁すること(三)日本の北方における不安がソ連の協力によって落ち着くこと。」

「この条約の締結によって、日本がドイツによる英国の敗北を念頭においた大賭博に乗り出したことは明らかである。

「現在日本は略奪国家の列に加えなれなければならぬ。日本は道徳と倫理のすべての観念を棄てて、公然無恥な機会主義者となり、如何なる場合にも他国の弱さにつけ込んで、自分の利益をはかろうとつとめている。日本の南進政策は合衆国の太平洋における利害関係を公然と威嚇するばかりか、東洋における英国の立場に対する致命的な脅迫を構成している。」

 これは、アメリカにおける最親日家として知られた、ジョゼフ・C・グルーの日記「滞日十年」からの抜粋です。

 ここに見られる分析の正確さは、日本の分析のお粗末さと見事な対照を成しています。それは、アメリカ大使ジョゼフ・C・グルーの情報収集能力の高さ、分析力の正確さを示すと共に、日本が、最親日家であった彼にすら「侵略国家」と断罪されるような状態になっていたことを示しています。

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