『老子』金谷治、講談社学術文庫版
正言は反するが若し。(78章)
人民が仕事をするときは、いつもほとんど完成しそうになったところで、だめにしてしまう。(64章)
何もしないことをわがふるまいとし、かくべつの事もないのをわが仕事とし、味のないものを味わってゆく。(63章)
災禍があればそこに幸運もよりそっており、幸運があればそこに災禍も隠れている。この循環のゆきつく果てはだれにもわからない。……実はそこに真相がある。(58章)
くだらない人物に笑われるようでなければ、「道」とするだけの値うちがない。(40章)
そもそもいっぱいにまでなろうとはしないからこそ、だめになってもまた新たになることができる(15章)
道の道とすべきは、常の道に非ず。(1章)
自然の公平無私の平等性は、不幸な弱者にとっての強い励ましであった。(81章語注)
「無為」や「無事」は、したがって文字どおりに何もしないこと、あるいは何事もないことではない。何もしないようにみえて、実は何もかもをなしとげており、何事もないようにみえて、実はすべての事が備わっている。(63章語注)
大器晩成とは、むしろいつまでも完成しない、その未完のありかたにこそ、大器としての特色があるということであろう。できあがってしまうと形が定まり、形が定まれば用途も限られる。それでは大器でなかろう。(40章語注)
しっかりと鍵をかけてこれで大丈夫と安心していると、泥棒はその金庫ごと奪ってゆくという話が、『荘子』にあった。しょせん形に頼ることはまた形で仕返しをうける。相対的ないたちごっこだ。「道」をふまえた自然なふるまいは、形があってもないにひとしいのである。(27章語注)
多言(おしゃべり)がゆきづまるのは、それを裏づける実行がとてもおしゃべりについていけないからである。(5章語注)
和光同塵 鋭いけばけばしさをおさえて平凡なおのずからなありかたに沿うこと。(4章語注)
頑張って生きるだけが人生だとは、とても言えない。(まえがき)
☆
単純な正義から、複雑な正義へと移行するのが成熟である。
この世は複雑にして微妙なバランスから成り立っている。
子供にとって最大の毒は過保護である。
淋しくても、誇りがあれば生きていける
一生懸命生きている人を殺してはならない
能力がなくとも、自分のできる範囲で精一杯やらねばならない
性格は抑えることはできても、変えることはできない
ほかの全てを信じなかったとしても、ただひとつでよいから何かを信じないと人は生きていけない
人を傷つけることは簡単だが、喜ばせるのは難しい
失敗しなければわからない人間は一度失敗するべきだ
人生は夢、まぼろしのごとく
心頭滅却すれば火もまた涼し
朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり
幸福の後に不幸がくる、不幸の後に幸福がくる
あまりに単純な正義は常に批判される