2003年2月4日(現地時間)

5日目



さようなら。

8時ごろ、先に起きて残りの片付けをした家人に起こされた。死ぬほど眠いけれど、これは起きるしかない。忘れ物の確認をしていると、旅行社のT氏が迎えにくる。「えー、帰りたくないでしょうが…」という言葉に二人で思わず大きくうなづく。

朝食を取らせてもらっていると、飼い犬モリーが寄ってくる。家人が意を決したようにモリーの正面に回り、「モリー!」「ステイ!」。するとあら不思議、ちゃんと臥せの体勢をとるではないか。こないだまでは見向きもされていなかったのに、家人も成長したものである(?)モリーと、まだエサのところにいたクレイグをなでてバイバイを言い、カーソン氏、トーマスにお礼を言って、宿を後にする。

空港に着くと、搭乗までの説明をしてもらいT氏ともお別れである。飛行機の時間までしばらくあったので、空港のお土産屋さんで、オーロラの写真の額とユーコンの写真集を買う。ちょっと高いけど、自分のフイルムがパァになったときの保険ってことで。

没収になった物たち空港ではボディーチェックが厳しかった。ISO800までのフイルムはX線装置を通しても平気だからと説明されたのだが、思わず日本語で「1600が入っているんです」と言ったところ、向こうも面倒になったのかしぶしぶ手検査にまわしてくれた。勢いが大事らしい。家人は電池を弾丸と間違われ、中身を出すように言われたりして、かなりピリピリした様子だった。

今日の飛行機は行きとは違い、ボーイングの737.羽田→石垣便と同じ?機内では睡眠不足を補いたかったが、窓側の席なので景色に夢中になってしまい、またしても寝られない。もういいもんね。日本に帰ってから寝るもん。名残惜しいけどさようなら、ホワイトホース……。

後方に去り行くホワイトホース市街。

 

 

バンクーバー小探検

バンクーバーに到着。今日の機長のランディングは最高に上手だった。さすがに暖かく、気温は10度くらいらしい。荷物を受け取りに行くと、また現地の旅行社の人が迎えにきていた。空港からダウンタウンにあるホテルまで運んでくれるらしい。なかなか面倒見がいいじゃないか。

家人は機内で読んだ新聞に出てたスポーツの話題などで盛り上がっているが、私は睡眠不足なので半分死にそう。行きかうクルマは、ホワイトホースとは違い普通のセダンや小型車が多い。日本車ではホンダが一番人気なのだそうで、アコードをよくみかけた。あとはエコー(プラッツの海外版?)。都会なんだな。

ホテルでは、なんと旅行社の人がチェックインまでしてくれるというので頼んでみる。でも、ダブルの部屋とツインの部屋と希望を聞いたのに、あんまり関係なかったのはナゼ?

ホテルはダウンタウンの中心で立地はすごくよいのだが、部屋は安手のビジネスホテルみたいで、イン・オン・ザ・レイクには及ぶべくもない。どうせ寝るだけなんだけどね。

少し休んで、早速お土産を調達しに街に出る。なにしろ会社を1週間も空けているので、ちょっと気を使う。いくつになってもこれをサラッとできないのが悩みの種。いろいろ買い込んでいるうちにかなり消耗したので、ホテル1Fのカフェでお茶にする。チョコレート1粒から店内で食べられるのがいい。元気回復する。

サーモン屋のおばさんから教えてもらった中華料理店で夕食を食べたあとは、夜のバンクーバー探検に出る。まずはヴァージン・メガストアで、音楽CDを3枚購入。クラシック音楽の売り場なんてどこの国でも同じだと思っていたけれど、グールドのコーナーはやたら充実してるし(グレン・グールドってカナダ人だったのか)、サミュエル・バーバーの弦楽のためのアダージョ集があったり、どことなく北米色を感じる。その後、24時間営業だという書店で、特売品のカレンダーと地図を購入。

蒸気時計じゃありません。カルティエの店先から投影された路面時計?夜景がきれいだというので、タワーの展望台に向かう。

展望台の時間は終わっていたが、エレベーターが動いていたので、上まで行ってみる。エレベーターの扉が開くと、なにやら高級ムード漂うラウンジ。ドリンクだけでいいかと、受付嬢におそるおそるたずねるとOKとのこと。

しかし、中に入ろうとすると、タキシード姿のウェイターに何やらとがめられる。窓際の席は何かアペタイザーをオーダーしないとだめなのだとか。そんなことじゃないかと思ったよ。しかたないので内側の席に座るが、ソフトドリンクのオーダーもダメ、アルコールでないといけないらしい。とりあえず、手ごろそうなカクテルをオーダーする。

このタワー、窓際の席がゆっくり回転して夜景を360度堪能できるようになっているのだが、回転しない内側の席からみても、息を呑むような美しさだ。オレンジ色の光が、遠くの方まで規則的に並んでいて、この世のものとも思えない。街明かりに蛍光灯が少ないからだろうか、とか道が規則正しく並んでいるからだろうか、とかいろいろ推測する。

ちょっと肩身が狭いけど、来てよかったかも。カクテルもおいしかったし、伝票にチップの額を書き込んで払うってのも初体験できたし。悩むよね、あれ。

ガイドブックに出ている蒸気時計は、故障中で動いていなかった。だらだら歩いて部屋に戻り、少しテレビを見て寝る。



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