2003年2月1日(現地時間)

2日目



ホワイトホース到着

春節のお祭りみたいの2回目の機内食が終わると、ほどなくバンクーバーに到着。気温は7度、天気は雨。今夜は曇るような予感が走る。入国手続きを済ませ、国内線のターミナルへ向かうと、ロビーでは何やら賑やかに、長崎くんちみたいなものをやっている。そうか、今日は春節の最初の日なんだ。バンクーバーには中国系移民が多いらしい。(注:どいどいを氏より指摘をいただきました。これは「Lion Dance」というもので、おくんちとは全く別物だそうです。)

さて、国内線の搭乗口に向かうと、またもやX線検査である。検査は往復合計4回。まだ3回もあるのかと思うと憂鬱だ。今度は日本語というわけにはいかないので、緊張の面持ちで、おずおずとフイルムの袋を差し出す。が、ここでもあっさりハンドチェックOK。「Don't X-ray」と書いた紙を袋に入れておいたからだろうか。なにはともあれ拙い英語で説明しないで済んでほっとした。あとは帰りの2回だけだ!

成田からの便は日本人ばかりだったが、ホワイトホースへの飛行機では我々だけ。みんなどこへ行っちゃったんだろう?機内ではピザ生地みたいなホットサンドが出る。飛行機はエアバス社の少し小さい飛行機だったので、今度は窓から景色を見ることもできるが、夜に向けて睡眠もとりたい。結局どっちつかずのまま3時間過ごす。

ホワイトホース空港。こう見えても国際空港らしいですよ。ホワイトホースに到着すると、現地旅行社のT氏が迎えにきていた。「イン・オン・ザ・レイクはホワイトホース市街から60キロ離れているので必要なものがあればいま買っておくように」ということなので、市内の小さなスーパーに寄ってもらい、ミネラルウオーターとお菓子を少し買う。本当はコダックのフイルムを買いたかったのだが、なぜかどこにも売っていなかった。

T氏の運転する車でイン・オン・ザ・レイクを目指す。クルマは4000ccのバンなのだが、このあたりでは小型な部類らしい。さすが大陸、スケールが違う。道路は時速100キロ制限で、実際100キロで走っているのだが、日本でいうところの60キロくらいのスピードにしか感じない。

道中、気温が低いとエンジンがかからないとか、中古車の走行距離が日本とけた違いだとか、T氏はオーロラの写真も撮影するとのことなので、寒いですかとか露出はどんなですかとか、いろいろ話している間に到着する。

 

イン・オン・ザ・レイク

モリーとカーソンイン・オン・ザ・レイクは聞いていたとおり、湖畔の一軒宿だった。T氏より、設備について一渡り説明を受ける。若い人がトーマスで、おじ兄さんがオーナーのカーソン。部屋はここで、夜中はここにあるコーヒー、紅茶を飲んでよろしい。オーロラは、玄関脇の小道を通って向こう側に出ると凍った湖が開けているのでそこで見るのがおすすめ。室外にはジャグジーバスもあるし、地下にはインターネットができるパソコン(ただし日本語入力はできない)や、ジムのマシンもいくつかおいてある。なかなか居心地が良さそうだ。

辺りを見回していると、大きな黒猫も現れた。13歳になる老猫で、クレイグ(?)という名前らしい。この猫、なでようとすると、しきりに尻尾を立てるのはいいけど、お尻を高々を持ち上げて菊のご紋を誇示してくる。やめてほしい。あとはシェパードのモリー。大きな体だけど、5月生まれでまだ生後8ヶ月の子犬なのだとか。楽しくなってきたぞ。

T氏が帰ったあと、部屋でちょっとくつろぐ。外は少し晴れ間が増えてきたようだ。天気というと、高校時代の地学部の合宿で、昼は晴れているのに夜は曇られてばかりだったので、どうも悲観的になってしまう。まぁしかし、ここまで来たら考えてもしかたない。もらったパンフなど読んでいると食事の時間になる。

キャンドルに照らされるダイニング。

今夜の宿泊者は我々のほか、日本人の写真家夫妻と、中国系カナダ人と思しき老人たち4人の合計8人。オーナーのカーソン氏がメインディッシュのチョイスを聞いて来る。今夜はビーフステーキかラム肉らしい。キャンドルがともされて、なんとなくいい雰囲気だ。

食事は、思っていたより油っこくなく、夜中にお腹が減りそうな感じである。写真家夫妻によれば、一昨日はかなりのオーロラが見られたのだとか。それに今日はNOAAの情報でレベル10が出たとのこと。さっきカーソンが血相を変えて、プリントアウトしたやつを配ってくれた。天気さえ持ってくれれば…。

 

外に出るのは9時すぎくらいからと決めて、しばらく休む。北側の廊下から空を見ると、ガラス越しにうっすらと薄緑色の雲みたいなものが見えている。おおー、これかぁ!よっしゃ、見に行くぞー!

 

初観測

日本で予行練習したとおりに、防寒着を順番に着る。ところが室内で支度をするだけで汗だくになってしまう。室内は暖かいとは聞いていたが、これほどとは思わなかった。カイロをつけるタイミングが早かったのか、他に手間取ったのか、とにかく耐えがたい暑さ。おまけに靴を履こうと廊下にでると、中国人が「電気を消せ」とうるさい。仕方ないので真っ暗な中で履こうとすると、何が何やらわからない。見かねた家人が「ウェイト・ア・モーメント、プリーズ」と言ってくれたが、暑いわプレッシャーだわで、もう泣きそうである。

どうにかこうにか部屋を出るが、慣れない防寒靴をはいている上、雪道なので足元がおぼつかない。

やっとの思いで湖の上に出ると、北の空に淡いオーロラが出ていたので、まずは数枚写真を撮る。しかし空はどこか雲がちである。しかも時間が経つにつれて、どこからともなく全体を覆い始める。1時ごろには願いもむなしく全天が雲に覆われてしまった。(それでも一応撮った写真はこちら。新しいウィンドウが開きます。)

どうしようもないので、荷物をまとめて写真家夫妻とともに宿に引き上げる。暗い中、カメラなど気を使う荷物を持って戻るのがこれまた大変で、両手は塞がっているわ足元は滑るわで、ちょっとした斜面を登れず。もうやだー。

侵入者、クレイグ。

部屋に戻り、愚痴やら装備の反省やら話し合いながら、30分おきに外を見るが、垂れ込めた雲がいなくなる気配はない。もう今晩はだめなのか?

家人は3時ごろ諦めて布団に入る。

一人残って、ポテトチップやらリンゴやらつまみながら、昼間もらったパンフなどを読んでいると、思いがけず部屋に宿の老猫が紛れ込んでくる。灯りに引き寄せられたのだろうか。猫をなでながら曇った空や雪明りの湖面を眺めたりしていたが、、6時ごろ夜が白んできたのであきらめて布団に入る。

 



前の日へ | 目次 | 次の日へ