春分の日が近づくと、日時計を作りたくなり…ませんか?。
ということで、日時計を作ってみました。このページ、久しく更新してないので、なんとかしようという意図もあります。
さて、日時計といっても、精度の高いものを作るのは結構難しそうで、とはいえ、あんまり安直なのも作った甲斐がないので、古代ローマ風の4分の1球を使った日時計なんぞを作ってみることにしました。…あくまで、「風」ですが…。
さて、日時計には大きく分けて、赤道型とそれ以外の型(影が回転する型、仮に回転型とする。コマ型、水平型、垂直型など)があるようです。赤道型は両回帰線の赤道よりの地域で使用可能なもので、影の長さによって時間を知るタイプ。紀元前4000年から使用され、出土したもののうちでは最古と言われる約3500年前の日時計なんかもこれにあたります。
エジプトで出土した日時計の概念図
これにたいして、我々日本人が一般的に目にするのは、回転型、特に水平型と呼ばれるものが最も多いでしょうが、このタイプの日時計を作るには、tanα=sinφ×tanθ、等という計算をしないといけません。これはこれでそそるものがあるのですが、今回は最初なので、回転型のうち原理的に最も簡単なコマ型、これの応用である4分の1球型のローマ風の日時計を作ることにします。
まず、コマ型日時計の簡単な原理と作り方を説明しておきます。
北極点に山があるとします。春分、秋分の日に、この山の頂上に日時計を作る場合を考えてみると、直立する棒と、(例えば24個に)等時分割した円盤があれば、これをそれぞれの時刻に合わせた位置に設置するだけで日時計が完成することがわかります。
これは別に山の山頂である必要はなく、片側の(…これは全て南斜面だったりするのですが…)斜面に置いても同じことが言えます。ただし、この場合、山の陰で文字盤の約半分の部分は使えなくなります。
北極の日時計の概念図
これは、別に北極点に限らず、北半球のどこであっても同じです。つまり北半球を巨大な山の斜面と見立ててしまえば、北極の真上の方向、つまり地軸方向に棒が向いていれば、そして、円盤がそれに直角に取り付けられていれば日時計として機能することがわかります。例えば、図は北緯30度の地点に作られた巨大なコマ型日時計ですが、地平線に対して真北に30°傾けて設置すればよいことがわかります。
これは、特に春分、秋分の日(図の黄矢印)に限らず、夏至(図の赤矢印)や冬至(図の青矢印)、その他の日でも同様です。太陽の光の射す方向こそ違え、地軸を中心に一定の角速度で回転しているのに変わりはないからです。(ここでは均時差を考えません)
コマ型日時計の原理
しかしながら、秋分から冬至を経て春分までの期間は、円盤の裏側に光が当たることになるので、円盤の裏側も等時分割して指標を作っておく必要があります。
これが、コマ型日時計の作り方です。
コマ型日時計
この場合、6時から日出から日没まできっちり使うことを考えなければ、円盤でなくても、半円盤でよいことになります(円盤の黄色の部分だけ)。
このコマ型日時計の文字盤の代わりに、4分の1球を取り付けたものが、これから作ろうとしているローマ風4分の1球型日時計です。つまり、円盤の変わりに半球を取り付けたと思えばわかりやすいのですが、これだと冬季に日が射さないので、さらにこれの上半分を取り払ったものが、4分の1球型日時計?なのです。
このタイプの日時計は、古代ローマの都市の広場等に、石柱の上に置かれる様な状態で設置されていました。ヴェスヴィオス火山の噴火にまきこまれたポンペイの発掘でも、同様の日時計が出土しています。この写真の型とは異なりますが、タイプとしては同じものを作ろうと考えています。
ポンペイ出土の4分の1球型日時計
ちなみに、ローマ時代にはすでに水平型日時計もありました。『ウィトルーウィウス建築書』の10の章のうち第9章は日時計についてです。この書にはすでにアナレンマ(年間の同時刻の太陽の位置が8の字を描くように観測される現象)について述べていて、今で言う真太陽日と平均太陽日の概念が表されています。