ユルセルーム世界において、空に視認することができる天体は数多いが、その中でも著名なものを挙げておく。
○太陽(オザン)
オザンの居ます所と考えられる最も明るい天体。
昼夜、1日、1年を決定する太陽は、24時間周期で東から登り南中し、西に沈む。この軌道を『オザンの道』と呼ぶ。
ヘリア学院を筆頭とする各研究機関の精密な測定によると、季節、及び南北の位置により日出、日入の位置、時間が異なり、また南中高度も変わる。イーヴォ祝祭日頃(春立てる日)とガルパニ祝祭日頃(秋立てる日)に真東より出て、真西に沈む。南中高度は、メディート祝祭日頃(夏立てる日)に最も高く、日照時間も最も長い。また、ザリ祝祭日頃(冬立てる日)に最も低く、日照時間も最も短い。
中天にある時は、白色に近い金色に輝くが、地平付近では赤色が強く混じり、イーヴォ、ガルパニからなんらかの影響を受けると考えられている。
視度(視半径)においてほぼ月と一致する。
時に、日食と呼ばれる現象が見られるが、これは新月の日にしか起こらない。精密な測定から、月と太陽の位置によるとされるが、メディートの魔法が関わっていると指摘する賢者も多い。オザンすら死と再生を行うという説まである。日食は、平均して年1〜2回程起こっていると言われるが、実際目にする頻度はそれより低い。太陽全てが隠れる皆既食、周辺部が環状に光る金環食、一部分だけが暗くなる部分食などがある。
皆既日食の最中には『オザンの髪』、金環食では『オザンのたんこぶ』と呼ばれる美しい天体現象が見られる。
オザンのたんこぶ
○月(メル)
メデイートの居ます所と考えられる、夜空で最も明るい天体。
1月の移り変わりを決定する月は、29.53059日で満ち欠けを繰り返す。これは、死と再生を司るメディートの特性でもある。東から登り、西に沈む。太陽からややずれた軌道を通り、この機動を『メディートの道』と呼ぶ
中天にある時は白色に近い銀色に輝き、地平付近では赤が強く混じる。また、青味がかかって見える場合もあり、イーヴォ、ガルパニ、アウルの影響が言われている。
また、高度が上がってからも赤い月は、『赤血の月』と呼ばれ、凶事や陰謀、災害との結びつきが語られることもある。
時に、月食と呼ばれる現象が見られるが、これは満月の日にしか起こらない。月食は、平均して年1〜2回程起こり、日食よりも目にする機会は多い。月全てが隠れる皆既食と、一部分だけが暗くなる部分食などがある。
|
|
○星(クステ(単複同形)、クステル、クスト)
夜空には数多くの星が見られるが、これらはメディートと、星の精霊スィスの影響を受けているとされる。太陽や月と同じく、天の北極を中心に東から上り西に沈む。特に有名なものに、運命の瞳=≪クステ≫、がある。
○ハウクス(運命の瞳、≪クステ≫、クステ、運命の星)
ハウクスは、より広い意味を持つ運命の瞳、≪クステ≫、を決定する北天の極星を指す。変光星でもあり、深緑(大亀の瞳、ミレルクス)、銀(大龍の瞳、ムイルクス)、闇(闇、デュン)、金(鷲の瞳、ナルルクス)、赤紫(魔神の瞳、グズレクス)、青紫(一角獣の瞳、ラムレクス)、青緑(月ウサギの瞳、メディラクス)の七つの色に変化すると言われる。
この変色現象には規則性はない。古今東西、多くの学者がなんらかの規則性を見いだそうとしてきたが、徒労に終わっている。ただ、単位時間の各色彩の出現頻度は大まかにわかっている。出現順序、変色するまでの時間についての法則性はない。
大龍15%、一角獣15%、鷲17%、魔神10%、大亀18%、月うさぎ18%、闇7%という報告が、四王国時代の文献に載せられている。
その位置が不動であることから、船乗りの導き手として重視される。
運命と深く結びつくとされ、”音聞き”と呼ばれる技能者は、生誕時のハウクスの色によって運不運を占うことができるとされる。
○星座
いくつかの星の集団は、その配列の特徴から何かしらの形象に類似し、星座として知られている。以下に各季節の代表的な星座を挙げる
○大猫座、子猫座(モアキー)
春の夜空を飾る星座。特に明るい青色と金色の『猫の瞳(モアキクステ)』と、『猫の尻尾』と呼ばれる三つの星、さらに『猫の髭星団』、を持ち、付近にある『子猫の瞳(ニムキクステ)』(子猫座)とあいまって、各地でこの星座にちなんだ伝承が生まれた。
○魚座(アモン)
夏の夜空を飾る星座。『魚の目』と呼ばれる青色の星が最も明るい。この星が中天に上がる頃、大猫座、子猫座が東の空から上がるので、猫達がこの魚を追いかけているという伝承がある。
○龍座(ムイラ)
秋の夜空を飾る星座。赤い『龍の心臓』と黄色の『竜の尾』が最も明るい。龍の翼に当たる一連の星は、地方によっては『天の弓(アタンメル)』とも呼ばれる
○鳥座(リオネラ)
冬の夜空を飾る星座。緑色の『鳥の瞳』(リオネラクステ)が最も明るい。地方によっては『天の十字』『大×』とも呼ばれる。この鳥が『黄昏の国』からメディートの御元に魂を運ぶ、という伝承がある。
○天の道
特に星々が集まって、帯状に見える部分。『天の川』『メディートの帯』等と呼ぶ地域もある。地上の王の道は果てはここに繋がっており、生あるものの祈りを天へ運ぶのだ、とも言われる。