| 梅木 信治/Shinji UMEKI/sumeki@t3.rim.or.jp |
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| 雪印食中毒事件〜問われる安全性〜 NHK教育テレビ ETV2000特集(2000-10-2) を見て |
| 「雪印製品食中毒と品質管理」 「雪印乳業の対策はこれで十分か?」 をご覧になっていない方は合わせてお読み下さい. |
| 雪印乳業中毒事件から3ヶ月あまり経過しました.厚生省からは9月20日に調査結果の中間報告概要が公表されたようですが,まだ最終結論は得られていないようです.NHK教育テレビ10月のETV特集の初回が 「雪印食中毒事件〜問われる安全性〜」というタイトルで,「これからどうすれば良いか?」について専門家を招いて討論が行われました.出演者は,米虫節夫さん(近畿大学教授)と藤原邦達さん(食品安全評論家)のお二人で,
米虫さんは工場管理のあるべき姿の視点から,藤原さんは食品安全の保証をより確実にする視点から問題提起と提案をなされました.具体的には,形骸化したHACCPの見直しと工場全体を見通せる有機的な管理体制の確立,食品衛生法に基づいて決められた監視業務の確実な実施など雪印乳業に限らず,関連業界全体の課題としてアクションをとる必要がある点を強調された. 厚生省の管轄で実施されるべき工場の衛生管理に関する監視業務は衛生監視員不足から法律で定められている15%しか実施されていない現実とか,今回の問題とは直接関係はないが,輸入食品の検疫率は 10%程度で,残りは書類審査のみでパスしている実態などの話も出て,たとえ工場が自主努力で前向きに改善を図ってもそれだけでは安心できないのではないかと藤原さんは強調していた. 今回の事件の直接原因は加熱しても消えない毒素「エンテロトキシン」の検査を怠った点にあるのだが,放送では全く触れず,一般論に終始したきらいがある.信頼すべき筋からの情報によると,厚生省は雪印乳業に対してエンテロトキシンの検査を実施するよう強く指導したようで,雪印乳業のホームページにも社長の約束事項の1つとして載っている.詳しいことは分からないが,本来なら製品規格の中に加えて雪印乳業に限らず関連企業すべてに義務付けるべきだと個人的には思うのだが,どうなっているのだろうか? 藤原さんも強調していたが,食品衛生法そのものが時代にそぐわなくなっているので改正の必要があるようで,それに加えて弾力的な運用も必要になってくるのではなかろうか? マニュアル無視の作業が問題化され,無届のパイプラインが槍玉に上がり,返品乳製品の再使用も怪しからんと批判を浴び,挙句の果ては原料工程での停電事故隠しが結果的に直接原因になっていたと分かって迷走した事件も終幕に近づいている訳だが,その間三菱自動車工業のリコール隠しなど経営陣の不信に繋がる問題も表面化し,本質的な課題は21世紀に持ち越しになる気配が濃厚である. 10月のETV2000特集(NHK教育テレビ 22:00-22:45) は,いろいろな問題を取り上げて,それらの本質に潜む共通原因を探して,解決の糸口を掴みたいと司会者は言っているので,興味とお時間のある方はご覧になられると良いと思います. なお,日本品質管理学会(JSQC)のホームページに「意見交換の場」というのを作っていただき,私のHPのURLを掲載して頂きました(9/18).まだ反響はありませんが,お時間がありましたら覗いて見てください.ただし,JSQCのホームページは顧客満足度が高いとは言い難く,最近の官公庁のページの方がまだ見やすい位で,品質管理の総本山がこの有様では残念ですがアクセスする人も増えないでしょう.新聞社のホームページでも参考にして,見て楽しいページにして欲しいものです. |