| 2001-7 | QC&C Labo 梅木 信治 |
| *** QCテクニック初級講座 *** ”これなら簡単,誰でも使えるSQC”(第3回) 「ヒストグラムをもっと使おう!」 |
| 工程管理に用いるQC手法としては,管理図が代表的ですが,ヒストグラムも工夫すれば工程管理にも使えます.ヒストグラムの特徴は,データが
100個位あると分布の状態が良く分かるのと,個々の生データを活用できる点にあると思います. 管理図もQC7つ道具のひとつでありよく使われるのですが,相当に勉強しないと効果的な使いこなしができないのが現実です.その点,ヒストグラムは直感的にも分かりやすく,メモ用紙やグラフ用紙が1枚あれば誰でも,どこででも,直ぐに利用できるので,もっと使うべきだと思います.管理図については,いずれ改めて説明いたします. 実際の工場における使用事例 これから説明する事例は,3年ほど前のある工場における電子部品の歩留まりデータですが,1ロットが 1000個単位で 1日に 20-30ロット生産されます.まだ当時は工程が不安定で歩留まりは月平均で 86-87%でした.次のデータは1週間分ですが,全体(4週間分)をご覧になりたい方は表1(ここをクリック)を見て下さい. |
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| とりあえず1週間をグループとしてヒストグラムを作ってみたのが
下の図です.実際には,毎日プロットを追加していきました.工場では毎週1回,定期的に関係者が検討会を開いて情報交換を行ないました.ここでは具体的なアクションについては触れませんが,毎週不良内容別のデータ解析資料を参考にしていくつかのアクションをとります.なお,この工場で使用しているヒストグラムは,90%以上のデータは青,80%台は黄,80%未満は赤で色分けしてプロットして,一見して悪さ加減(良さ加減)が分かるようにしました. この月の状況を描写してみると次のようになります.80%未満のロットは,製造履歴データシートを調べてみると,ケアレスミスによるものが多いことが分かりました.これらは標準化と現場の管理で改善できる不良です. 80%から 90%未満のロットは,材料加工工程における不具合や2,3の電気的特性の不良率がやや高めのためと思われました.なお,品種は10種類ほどあり,材料や工程の設定条件などが異なります.第3週の終わりに加工条件を一部変更し,不良の発生を抑えました.データから見ると,毎週少しずつ歩留まりが向上しているのが分かります. |
| (%) | 6月第1週 | 6月第2週 | 6月第3週 | 6月第4週 |
| 99 | ** | |||
| 97 | ** | *** | *****/** | |
| 95 | *** | *****/*****/ | *****/*****/** | *****/*****/*****/*** |
| 93 | *****/*****/* | *****/*****/*****/* | *****/*****/*****/*****/* | *****/*****/*****/*****/** |
| 91 | *****/*****/*****/* | *****/*****/*****/**** | *****/*****/*****/*****/ | *****/*****/*****/ |
| 89 | *****/*****/*****/**** | *****/*****/*****/*** | *****/*****/*****/ | *****/*****/** |
| 87 | *****/*****/*****/** | *****/*****/** | *****/*****/ | *****/**** |
| 85 | *****/*****/** | *****/**** | *****/*** | *****/ |
| 83 | *****/** | *****/ | **** | **** |
| 81 | ***** | *** | ** | ** |
| 79 | *** | * | *** | *** |
| 77 | **** | *** | * | |
| 75 | * | * | * | |
| 73 | * | * | ||
| 71 | ||||
| 69 | * | |||
| 67 | * | |||
| 65 | ||||
| 63 | ||||
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| 上のヒストグラムは,手描きスタイルですが,沢山のデータをまとめて整理するような場合は,統計解析ソフトを使用すると,短時間に見栄えのよいヒストグラムを作ることができます.次の図は,JMP(ジャンプ)と呼ばれるソフトで描かせたものです. |
| 6月第1週 | 6月第2週 | 6月第3週 | 6月第4週 |
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| 上の図は,4枚のヒストグラムを同時に,しかも目盛を揃えて描かせたものですが,ほかのソフトでは,なかなかこのようにはいきません.しかも,ヒストグラムのクラス幅などは,マウス操作ひとつで連続的に自由に変えることができ,初めて使う人は皆びっくりします.このデータは不良率ですが,規格が定めれらている計量値などの場合には,工程能力指数(Cp)も簡単に算出できるなど,使いやすさとスピードの点ではJMPの右に出るソフトはありません.ただ,このソフトは生まれがアメリカなので,マニュアルなどが英文であるため,英語の苦手な人には扱いにくい問題がありますが,日本語化も進んでいるようなので,これから普及するでしょう. 「JMP」についてもう少し説明をしておきますが,これは SAS Institute Inc. が開発した統計解析ソフトであり,”ジャンプ”と読みます.他のソフトと異なり,グラフィカルな表示が得意でこの分野のソフトでは多分ベストでしょう.唯一の難点は価格が高い(12万円)ことですが,詳しくは次のホームページを参照して下さい.(http://www.jmpdiscovery.com/japan/) なお,JMPは3年ほど前に慶応大学湘南藤沢キャンパスでの選択科目のひとつであるデータ分析入門の講義用ソフトに採用され話題を呼びました.そのテキストは慶應義塾大学出版会から「データ分析入門」(3,500円)の題名で市販されています.(なお,学生バージョンは3−4万円で購入できます.) 以上述べましたようにヒストグラムは,紙1枚あれば,どこででも簡単に作ることができるし,大量のデータを処理する場合には,JMPのようなソフトを使えば簡単に見栄えのよいものが作れ,しかも基本的な統計データも同時に得られるので,とても便利です. |