コラム2
                       「バラツキ」 は悪か?


 日常生活の中で使われる「バラツキ」と言う言葉は,あまり良い印象を与え
ない感じがするが,果たして本当だろうか?

 何か品物を買う時,
品質にバラツキがないか調べたり,場合によっては選ん
だりする.一般には価格も大きな判断基準なので,自分の納得できるレベルで
決めることが多い.したがっていつもベスト・クオリティを求める訳ではない.

 一方,生産者側では,多くの客に買ってもらえるように,同一製品であれば,
できるだけバラツキの少ない製品を作ろうとするが,コストとの関係で,ある
範囲のバラツキは容認した設計にする.一般に
容認されるバラツキの幅は,
その製品の使用目的に対して,
機能上問題が生じない程度であって,いわゆ
る規格幅より多少狭いのが普通である.したがってその程度のバラツキは許さ
れる範囲であると消費者も納得している.
 消費者の立場で,気になるバラツキとして,寿命とか
アフターサービスがある.一般に購入時点では判断でき
ないので,メーカーを信用するか,友人や知人,その他
の情報から決めることになるが,アフターサービスなど
は,会社や販売店によってバラツキが多く,
ユーザーの
不信を買うことが最近は多い.

 
自然現象やそれによって影響を受ける農作物などの場合
は,
経験的に認知されている範囲内であれば,それら
のバラツキはやむを得ないものとして許されることが多
い.天気や気温などは,自然のサイクルに合わせてある
程度変化しないと,人間も含めて動植物の生態が狂って
くるので,大変なことになる.
 中には,積極的にバラツキを利用する分野もある.
発明新製品開発などの仕事は,今までに無いものや
環境を産み出すために,例外的な目標を求めて,いろ
いろな条件を組み合わせて実験したりして,
意外性
追及する.通常の生産活動とは正反対の思考を必要と
するので,どちらかと言えば変人扱いされる.
 こうして見ると,バラツキにもいろいろなタイプがあることが分かるが,企
業の
経営者管理者は,それぞれの分野に携わる社員に要求すべきパターン
とそれらを実現しやすいような環境を合理的に考えて具体化しないと,企業は
発展しないのだが,どの位気がついているだろうか?