2001-2 QC&C Labo 梅木 信治

*** QCテクニック初級講座 *** 
これなら簡単,誰でも使えるSQC
(第1回)
「グラフの活用と管理グラフへの展開」


 この講座では,製造現場で作業しながら,自分たちのとったデータを,自分たちで解析し,歩留まり改善や,品質向上に役立つようなQCテクニックについての解説を中心に,具体的な事例をあげて,分かりやすく,即戦力になるようなノウハウを提供したいと考えています.

 まず初めに,工場の現場で,重要視される製品歩留まりを例に挙げて,説明してみたいと思います.図1は,ある電子部品の歩留まり実績データですが,1ロットが1000個単位で,1日に10ロット生産しています.5日分(50ロット)のデータを示しましてありますが,すべてのデータをご覧になる場合は図1をクリックして下さい.比較的新しい製品であるため,まだ歩留まりは安定していないようです.図1の一部を下記に示しました.

 グラフにすると,歩留まりの良いロット,悪いロットなどが,視覚的に分かるので,工場ではよく使われます.歩留まりは良い方がいいに決まっているので,悪いロットが発生すると,原因を調べて,改善対策を検討します.

 一般に,特定のロットだけを調べても,原因は掴めないので,先ず,全体の動きを見ながら,傾向を掴むようにします.平均値から大幅にずれているロットを探し,共通点を調べることが第一歩です.

 図1の例では,75%以下のロットをマークしてみました.逆に歩留まりの良いロットについても注目する必要があります.ここでは,90%を超えるロットをマークしてあります.同じように生産していても,このようにデータがバラつくことが,多く見られます.統計的には,管理限界線を計算して,良いロット,悪いロットをマークするのですが,実際には,全体の10%位(上下とも)のところに,点線でも入れて,仮の管理線とすれば良いと思います.

図1(部分) ある電子部品の歩留まり実績データ(一部)

 あまり半端な数値より,区切りの良い値を選んだ方が,実用的です.管理線を記入すると同時に,改善目標値を決めると,それだけでも改善効果が上がるものです.
なお,図2に パソコンを使ったグラフ表示の例を示しました.これはマイクロソフトの表計算ソフト「Excel」に含まれているグラフ機能を利用して作成したものです.


図2 表計算ソフト「Excel」を使用して作成した管理グラフ

上のように簡単にカラー表示ができるので,視覚に訴えるには,効果的ですが,最初の条件設定がやや面倒であり,誰でも直ぐに使えるとは言えませんが,慣れれば大量のデータをグラフ化する場合などには威力を発揮します.なお,先月(1月)触れましたが,「JMP」を使えばより簡単にグラフの作成できますが,次回以降に説明したいと思います.

 実際の改善活動は,歩留まりデータだけグラフ化して,眺めていてもヒントは掴めませんので,要因(原因)系の情報を記録して,それらと歩留まりとの因果関係を調べる必要があります.これについては,このシリーズの後半で説明する予定です.