97/4 掲載記事

*************************************************************************

「品質による経営」(久米 均、東京大学教授/ENGINEERS 97-3,日科技連)


久米先生は品質管理の仕事をしている人ならよくご存知の方で、ここ数年は
ISO 9000 の日本代表の最高責任者としても活躍されています。

私が最近読んだ関連記事の中ではベスト1に近い内容で、これからの企業に
おける経営指針として参考になる点が多いと感じました。

1.品質を重視するのは、品質が長期的に企業に利益をもたらし、その発展
  をもたらすものであることを純粋に経済的な観点から主張しているので
  あって、顧客に奉仕するためではない。

2.最近、ISO 9000との対比で、デミング賞審査が不透明ではないかとの意
  見があるが、デミング賞は品質管理活動の新しい創造に対して評価する
  ものであり、ISO 9000で行われている適合性(規格、規準に対する)の評
  価とは異なる。ISO 9000が義務教育だとすれば、デミング賞は学位論文
  審査であり、各企業においてその独自性を発揮した品質管理の創造を期
  待したい。

3.統計的方法を活用する場面で注意したいのは、大きな変化があった場合、
  「よくわからないから、もっとデータを集めよう」は間違いで、
  「現場へ行って、見て、聞いて、質問しよう」が正しい姿勢である。
  必要なのは量的情報に基づく統計的解析ではなく、質的情報に基づいて
  本質を見抜くことである。

4.今後の品質管理を考える時、ISO 9000に対する考慮は欠かすことはでき
  ない。この規格、制度が企業の品質管理に本当に有効なものとなるため
  には、規格、審査登録制度の両面においていくつかの克服すべき問題が
  あるが、一方、多くの可能性を具備していることも事実である。

5.日本の品質管理が今後も発展を続けるために必要なものは、まず国際化
  への意識の転換、次に情報技術の積極的活用、最後にこれまでの方法を
  超越する革新のための意欲とエネルギーである。

*************************************************************************

Back to TOP PAGE