99/3 ホームページ掲載記事/ 梅木 信治 sumeki@t3.rim.or.jp URL http://www.t3.rim.or.jp/~sumeki/
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*** BGM : ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」第2楽章(10:10)/ Mozart(ブゾーニ編曲) ***Since 1998/3/1 ( Last updated 1999/3/29 )
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*** 庭木の花(早春) 2選 世田谷/東京 ***
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1.完全週5日制の下、ゆとりの中で展開する特色ある教育 --- 必修単位を削減
2.数学嫌いを減らすための配慮 --- 数学基礎の新設
3.表現力を高める工夫 --- 国語、社会、英語におけるオーラル・コミュニケーション
4.「情報」を必修科目として新設 --- コンピュータの実習重視
これらの改訂案が発表されると、早速、批判意見と問題提起がなされました。 ひとつは大学入試とのギャップに関する指摘であり、もうひとつは理数系学会 からの数学、理科などの授業時間数削減による自然科学の学力低下 を懸念する批判です。
私は10年ほど前、約5年間アメリカに駐在し、二人の子供がそれぞれ現地の中学、高校 でお世話になった経験がありますが、当時すでにアメリカでは今回の改訂案とほぼ同じ ような教育がなされていました。教科書は生徒が買うのでなく、学校から貸与され、1年 経つと返却し、次の学年でまた使用されます。しかも教科書は学校で使うだけで家には 持って帰りません。つまり家で教科書は見ないのです。宿題は社会科などでテーマを与え られて調査レポートを出すことがありますが、地域の図書館を利用するケースが多かった ように思います。
学力は日本と比べて数学、理科は約1年遅れの感じであり、自己形成の面では 表現力、自己主張力とも日本より数段上と言う印象を受けました。 1クラスの生徒数は約25人で、しかも基本的に能力別教育ですから日本の数学みたいに 落ちこぼれたまま、いやいや我慢して授業を受けることはありません。
大学入試の一つとして日本のセンター試験に相当するSATと呼ばれるテストがあり、 これは数学と英語(アメリカでの国語)の2科目だけです。 ただし、1発勝負でなく、本人が希望 すれば二回以上受けることが可能で、最高点を申告することができます。 試験は年間5,6回あったように思います。ほかに高校からの推薦状と面接試験があり、 本人の能力に見合った大学へ行くことになります。ただし、彼らも適当に勉強している わけではなく レベルの高い大学へ入るには高校2年までに良い成績を取っていないと推薦してもらえ ないし、かといってクラブ活動などの実績がないと駄目だし、SATのスコアは大学に よって事実上のボーダーラインが決まっているので、大変です。ただし、日本みたいに 落とすための試験ではありませんから、本人も納得できるのでしょう。
SATのための予備校があり、夜通う生徒も多くいます。日本みたいに浪人する人は 恐らくいないのだと思いますが、高校3年生は面接の終わる夏休みくらいまでは懸命に 勉強するようです。最近でこそ日本でもパソコンを使った教材が使われるようになって きましたが、アメリカでは10数年前からSATのパソコン教材が使用されており、 これによって短時間に実力を付けることができるため、毎年ミリオンセラーになって いました。つまり、優秀な高校生の殆どはパソコンを持っていて、ゲームなどにも勿論 使いますが、勉強にも活用していた訳です。当然先生もパソコンを使えるのが当たり前で、 今の日本は10年以上遅れていることになります。
大学は日本と異なり、良く勉強しないと単位が取れませんから理数系の場合、この段階 で数学や理科のレベルは日本に追いつき、追い越して行く事になります。アメリカは 日本みたいに単一民族ではありませんから、いろいろな意味での格差は日本より大きく、 すべての人達が優秀という訳ではありません。ただ、教育システムに関してはアメリカ が世界一であると自信をもっており、日本も学ぶべき点が多いように思います。
話題は変わりますが、10年ほど前に慶応大学が湘南藤沢キャンパス にユニークな学部 を創設したしたのをご存知の方も多いことと思います。私の理解では外国からの帰国子女 を対象にした学部で、入学試験も英語(外国語)と海外での高校の成績、それから面接で 決める方式になっていると思います。勿論帰国子女でなくても受験できますし、英語力が それなりに高ければ入学できます。
最近の新入生は90%以上がパソコンを持っていて、大学の授業もパソコンを使用する 講座が多いと聞いています。 このホームページをご覧になっている方の中には統計学に興味をお持ちの方が多いと 思いますから、すでにご存知かもしれませんが、慶応義塾大学出版会から出版された 「 データ分析入門(第2版)JMP IN対応 」と言う本があります。これは湘南藤沢 キャンパスの1年生対象の選択必修科目の一つに「データ分析」と言う講座があり、 そのテキストに使用しているものだそうですが、使用するソフトは SAS Institute が 販売している統計パッケージ「 JMP IN 」であり、数学の不得意な学生にも好評を 博して、ここ1,2年の実績は殆どの1年生(約1000人)が履修しているとのことです。
つまり、基本的にアメリカ方式の授業で、全員がパソコンを使い、自分で勉強しながら 統計学の基礎を学ぶスタイルが話題になっているようです。 ただし、まだ日本ではどこの大学でも実施できるような環境には程遠いので、時間が かかるかと思いますが、新学習指導要領による授業が定着し、大学入試の方式が改善 されれば、10年後には普通のことになるのではないかと思います。 もっともアメリカの10年後はもっと進んでいるでしょうから、追いつくのは大変だと 思いますが、良いことはすぐ実施する考え方で展開すれば効果が早く上がる訳ですから 批判ばかりしていないで、実行に移すことが大切だと思います。
注)JMP IN は JMP の学生版で、学生なら 35,000円位で購入できる。(JMP は12万円位)
レベルは学生向けの教育用でなく、実社会のデータ解析用として十分に使えます。
JSQC(日本品質管理学会)主催のクオリティ・パブは2ヶ月に1回、夕方6時から
サロン
形式で35人ほど集まってゲストの話を聴く方式で開かれます。
今回は ISO-9000 主任審査員として日本で最初に登録された細谷先生の話を中心
に
ISO-9000 とTQMの関係やそれぞれのメリット、デメリットについて活発な
ディスカッション
がなされました。
これらの要点をまとめると下記のようになるかと思います。
1.ISO-9000 はTQMを越えられない。
(1) 営業的には商取式のパスポートとして国際的に認知されているが、
(2) ISO-9000の認証取得をしただけでは製品歩留りや品質の向上は期待できない。
(3) ISO-9000の品質保証は検査重視型であり、造り込みによる保証の考えは薄い。
2.双方の主な特徴
(1) ISO-9000は維持管理であり、TQMは改善(最近は革新も)を重視している。
(2) 不具合対策としては ISO-9000 は応急処置が中心で、TQMが重視するのは
再発防止や未然防止などである。
(3) ISO-9000 は差別化商品としてセールスポイントになっているが、TQMは
PR不足で、その期待効果を理解している経営者が少ない。
3.これからは ISO-9000 のメリットを導入してTQMを展開するのが望ましい。
(1) 自分の会社に必要なルールを決めること。(変更は弾力的に行なう。)
(2) 決めたルールを確実に守ること。(ルール違反をチェックするしくみも必要)
(3) ルール通りに実行していることを証明するために、記録を必ず残すこと。
(4) 定期的に客観的な監査を行なうこと。
(5) 前向きのマネージメント・レビュー(方針の徹底、目標管理)を行なうこと。
追記
当日(1999/3/26)の日本経済新聞に「デジタル経営の条件」の記事が載っていました。
ビル・ゲイツ氏の新著、「思考スピードの経営」の紹介記事ですが、そのキー・ワードは
「デジタル・ナーバス・システム」で、人間や生物の反射神経をモデルにした
「思考と同じスピード」で経営を進めることを、デジタル機器を使って実現する考え方です。
ISO-9000 はもともと品質保証のミニマム・リクワイアメントで、TQMのように
エンドレス的
な不確定性はありません。いずれにしても、日本の展開はスピードの点でアメリカに
負け
ているのは事実であり、この点をクリアしないと基本的なシステムが優れていても
トータル
で勝てないのではないかと私は思います。
次回は5月12日(水)/ゲスト:森 秀太郎 氏(ダイワ精工(株)代表取締役会長)/
日科技連、東高円寺ビルにて、 テーマは 「 普及率と市場品質 」です。