*** Quality Information Service ***
(for Manager, Staff & Scientist)
98/11 ホームページ掲載記事/ 梅木 信治 sumeki@t3.rim.or.jpURL http://homepage1.nifty.com/QCC/

*** BGM : 鱒 D550 (3:49)/シューベルト(1797-1828, オーストリア) ***


表やグラフはPDFファイルで添付します。PDFファイルをご覧になるためには Acrobat Readerが必要です。左側のアイコンをクリックすれば無料でダウンロードできます。

JSQC(日本品質管理学会)主催の講演会(98/10/12, 甦れ品質の日本 - 外部有識者に見るTQM - )に行ってきました。最初の講演は 日経新聞社の 徳田 潔  さんの話で、アメリカ企業の取材活動からGEの 6シグマ運動などを例に して、品質の定義を「知的パワーを生み出す源」とし、 顧客情報からCTQ(Critical to Quality)を見出すこと が先ず大切であり、それをR&D部門に提示してテーマ化し、製造部門も含めたプロ ジェクト中心型の組織運営で商品化するシステムが有効ではないかとの提案であった。 GEの研究所でもDFSS (Design for Six Sigma)が重視され 、意欲的に6シグマ運動が展開されているとのことであった。日本でもこれからの品質 活動は営業、開発部門も含めた経営全般に対する旗振り の仕事に発展させて行けば効果が上がると思うと述べて締めくくった。

二つ目は東大経済学部の教授である 梅沢 豊 さんの 「経営学者の 立場からみるTQM:一応援者からの提言」で、最近TQM委員会から出版され た 『TQM−21世紀の総合「質」経営』 の本に対するコメントの形で話された。学者ら しく次元の高い切り口で、用語の解釈などにも客観的な指摘などがあり、ややもすると お手盛りになりがちな品質管理学会の曖昧さに数多くの鋭い建設的な提言がなされた。 一例をあげると「質の良い経営」 とは何を指すのか?  世の中ではまだコンセンサスがない! 「一時期、日本企業が優勢でアメリカの企業 を幾つもつぶし、勝った、勝ったと舞い上がっていた頃、アメリカでは失業者が続出し、 これでは戦争と同じではないかとアメリカ国民からひんしゅくを買っていたことを思い出 して欲しい。 あの頃の日本企業の経営は質が良かったと言えるのか? 」との引例には反省させられた。

*** 「 重回帰分析(その1): 相関係数行列と散布図 」 (98/11/9) ***

前置きが長くなりましたが、いよいよ 「私の勧める SQC手法」 も核心に入ってきました。 抽象論を書いても意味がないので事例解説で進めます。解析データは少し古いのですが、 1991年男子プロゴルファー公式記録の一部を借用しました。この年は尾崎直道が頑張って トップになった年ですが、まだ AON(青木、ジャンボ、中島)も健在で、常に上位を 独占してた頃です。

次の表はベスト10の記録ですが、データ解析には50位までの記録を使用しました。
元のファイルは Excel97 ですが、すべてを HTML化して表示するのはメモリーも不経済 ですし、あとで表をプリントして活用する場合、便利なので PDFファイルにしました。
( Acrobat Reader をまだインストールされてない方はダウンロードしてインストールして 下さい。)
PDFファイルは jpga91a.pdf です。(クリックして下さい。)

Rank Player Money Stroke Putting Par-on Par-save Birdie/R Money/G Eagle Birdie Game Round
1 尾崎直道 119.507 70.94 29.43 69.44 84.75 3.73 4.121 9 380 29 102
2 R.Mackey 113.137 70.56 29.48 71.89 86.97 3.73 5.143 0 313 22 84
3 中島常幸 111.639 70.67 29.40 70.06 87.16 3.42 3.721 9 352 30 103
4 尾崎将司 99.060 70.50 28.53 65.06 85.67 3.91 4.717 9 297 21 76
5 青木 功 74.237 71.19 29.81 70.20 85.80 3.34 2.855 4 331 26 99
6 牧野 裕 66.358 71.40 29.50 66.99 85.19 3.03 1.952 4 364 34 120
7 金子柱憲 66.191 71.44 29.52 66.94 84.24 3.38 1.839 11 412 36 122
8 羽川 豊 62.590 71.95 29.91 67.45 82.84 3.18 1.841 4 359 34 113
9 鈴木弘一 61.745 71.65 29.73 66.06 82.39 3.40 1.930 8 340 32 100
10 藤木三郎 61.638 72.17 30.23 67.81 82.09 3.12 1.712 2 377 36 121

これなら SQCに馴染がなくてもゴルフの好きな方なら後を読んでくれるでしょう。一般に 平均ストローク数の少ない方が獲得賞金も多いのは誰でも分かりますが、それだけでは すべてを説明できないようです。
なお、解析に際しては1試合あたりの獲得賞金額(Money/G)との関係を調べることにしま した。

1.相関係数行列を Excelで計算する。(ツール --> 分析ツール --> 相関)
2.相関係数の絶対値が1に近い変数の組み合わせを探す。
3.それらの散布図を Excelで描く。(グラフウィザード --> 散布図)

以上の処理結果を表示すると次のようになります。(なお、PDFファイルは jpga91b.pdf です。)

  Stroke Putting Par-on Par-save Birdie/R Money/G
Stroke 1.000          
Putting 0.439 1.000        
Par-on -0.689 0.307 1.000      
Par-save -0.897 -0.484 0.582 1.000    
Birdie/R -0.830 -0.308 0.634 0.535 1.000  
Money/G -0.844 -0.340 0.622 0.708 0.815 1.000

ChartObject Chart 5 ChartObject Chart 6

ChartObject Chart 7 ChartObject Chart 4

ここまではただ単に散布図を並べただけで、事実の把握を視覚的に行っただけです。 このあたりまではその気になれば多分誰でもできるでしょう。今回の解析の目的は 「どうプレイすれば上位入賞できるのだろうか?」であり、どうやらバーディ数が 鍵を握っているような予感がしませんか?
この続きは次回に行いますが、重回帰分析手法の価値が証明されるかもしれません。