*** Quality Information Service  (for Manager, Staff & Scientist) ***
     梅木 信治/Shinji UMEKI/sumeki@t3.rim.or.jp (http://homepage1.nifty.com/QCC/)

1998/8/7 掲載記事

「 最近目を通した品質管理の本の紹介」 (98/8/7)


*** BGM : セバスチャン・イラディエル(1809-1865 スペイン) / 鳩 (La paloma) (2:10) ***
今年の春にダイヤモンド社から出版された 「シックスシグマ」(\2,400) は表題の活動にモトローラが最初にチャレンジし、経営体質の革新に成功して以来、 テキサス・インスツルメンツや IBM,GEなどが相次いでシックスシグマ活動を 開始、導入した事例を具体的に分かり易く説明しています。 品質を重視した経営革新が問われている昨今、発売から数ヶ月経った今でも品質管理 のコーナーでなく経営関連書籍のコーナーに山積みで売られています。 まだ読んでいない品質管理スタッフや経営者は是非一読されることを勧めます。 一口でコメントすれば、すべての品質を6シグマ管理しようと言うのではなく、 人命にかかわるような最重要な品質は6シグマ管理の対象とし、そこまで重要でない 品質はケースバイケースでフレキシブルに管理水準を決めて運用するのが経営の ポイントになると言う趣旨です。
一方、新入社員や初心者向けに役立つと思われる品質管理入門用のテキストとしては 目で見てわかる「造り込みの品質」/日刊工業新聞社 (97/12/27初版 \2,000)があります。これは山武ハネウエルのスタッフが まとめたものでイラスト中心の100ページそこそこの小冊子ですが、品質保証の本質を やさしく分かりやすい事例で書いてあり、数ある入門書の中でもベスト1と言っても過言 でないでしょう。どうしてこのような本が日本科学技術連盟や日本規格協会から出版され ないのか不思議に思いますが、彼らも自民党と同じ体質で内部からリフレッシュされない と本当にユーザーから見放されてしまうのではないでしょうか。
もう一冊、現場レベルで実用的な本を挙げるとすれば、問題解決力を高める 「QC的問題解決法」/細谷克也著、日科技連 \1,800 があります。これはISO9000のマニュアル本でお馴染みの細谷克也さんがほぼ 10年前に書かれた歯切れのよい傑作で、私が先日東京の八重洲ブックセンターで 見たのは、版を重ねてもう14刷になります。現場リーダーや問題解決プロジェクトの メンバーには必読の1冊でしょう。
八重洲ブックセンターといえば(最近1Fを改修中ですが、)2Fのホットコーナーに 多変量解析や統計学の専門書が相当のスペースを占めて並んでいますが、本当に 利用者が多くなったのでしょうか?
そこで見つけた やさしい統計学の本「まなぶ」/管 民郎、 桧山みぎわ著/現代数学社(95/1/20初版 \2,233) を紹介しましょう。 時間がなくてじっくり統計学の本を読むひまがない人や数学の苦手な人にとって格好の 1冊です。イラスト入りの2色刷りで、寝ながら読んでも分かる統計学の本としては 異色の出来映えでしょう。
最後にもう1冊、まだ出版されたばかりの実践的なSQCの本を紹介しましょう。
実践「SQC虎の巻」/日本規格協会(98/7/10発行 \4,500) です。これはサブタイトルに ”ビギナーからプロフェッショナルまで” とあるように、幅広い読者を想定して編集されたもので、トヨタが提唱している サイエンスSQC の教育体系を骨子としてトヨタグループのスタッフを中心した 日本規格協会名古屋QC教育研究会のメンバー10数人が分担して執筆した労作です。 中小企業から大企業まで、現場スタッフから開発部門の研究者まで、その気になって よく読み、実践に活用すれば新製品開発のスピードアップから現場の歩留まり改善など 経営者が求めている課題解決に大きな威力を発揮する1冊でしょう。品質管理の ベテランの方はこの夏休み読本の1冊に選び、今までの復習とこれからのチャレンジに 読んでみられたらいかがですか。
最後はすこし誉め過ぎたかも知れませんが、合わせて計5冊の本を初心者からプロまで どれかが役立つものを紹介してみました。おひまがありましたらどうぞ本屋にも足を 運んで見て下さい。では夏バテに気を付けて夏休みをエンジョイして下さい。