98/6/21 ホームページ掲載記事/ 梅木 信治 sumeki@t3.rim.or.jpURL http://homepage1.nifty.com/QCC/
*** BGM は ボッケリーニ の「メヌエット」(3:58) です。***
*** 今月のトピックス
「 私の勧める SQC手法 (その3) 」 (98/6/21) ***
「 私の勧める SQC手法(その1)」(98/5/4)の冒頭に引用したゴルフスコアの
比較を実際に行う場合の説明をしてみたいと思います。
データ間に差があるかどうか? 品質管理の本を読むと、帰無仮説とか対立仮説などの
専門用語が出てきて 何やら計算し、t 検定やF検定などを使い、数表の値と比較して
「危険率5%(または1%)で有意、あるいは有意とはいえない。」 などの表現を使って
検定しなさい。 と書いてあります。
たかが平均値の差の検定にどうしてこうもややこしいことをしなければいけないのだろ
うか?
世の中には人間の生命に直接影響する医薬品の効果確認とか副作用の確認など面倒でも
厳密に(正確に)判定しなければいけないデータと
アマチュアのゴルフスコアの比較など多少の判定誤差があっても差し支えないデータ
などが混在しています。
前者のケースは専門家にまかせるとして後者のような場合はもっと簡単に誰でも行える
方法があってもいいように思います。
少々品質管理のことを知っている方は管理図の考え方を思い出して下さい。
X bar 管理図は管理限界線に 3シグマ法を適用していることはご存知でしょう。
グループの大きさが n の場合、管理限界線は ±3×(シグマ)/浮 で計算し、平均値
をサンドイッチしています。
計量値のように正規分布を示すデータは全体の約95%が 平均値±2シグマ の間に入
ります。
また 99.7% が 平均値±3シグマ の間に入ることが分かっています。
平均値の標準偏差は個々のデータの標準偏差の 1/浮 になることも分かっています。
管理図はこれらの性質を利用してデータ群がいつもと変わり無いか、あるいは
変化があったのか客観的に検出する手法(道具)です。
今回のテーマである平均値の差の検定は
この手法を逆用すれば良いのです。
つまり、データが n 個であれば、それらの平均値が比較しようとする相手のデータの
(平均値±3×標準偏差/浮)
の外側にあれば、明らかに差があると判断するのです。
たとえばアベレージゴルファーの場合、ラウンドスコアの標準偏差は外的条件を除けば
2 くらいですから、ライバルと一緒に4ラウンドプレーした平均スコアが3打違えば
明らかに(99.7%)実力に差があると見て良いでしょう。
2打差でも実力差があると見て良いでしょう (95%の確率で)。
ハンデキャップが2つ少ない人とスクラッチでチョコレートを賭けてもあなたが勝てる
確率はおそらく10%もないでしょう。
一般の工場のデータや普通の実験データの比較程度ならこの方法で十分です。
実験の場合は次に再現実験と称して確認実験をするのが普通ですからたとえ最初の判断
が間違っていたとしても次のステップで修正すれば良いのです。
しかしながら判断ミスが生命にかかわるとか、莫大なロスになるような場合は専門家に
データ解析を依頼した方が良いでしょう。