*** Quality Information Service ***
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98/6/3 ホームページ掲載記事/ 梅木 信治 sumeki@t3.rim.or.jpURL http://homepage1.nifty.com/QCC/

*** BGM は ショパン「ワルツ変ト長調、作品70の1」(1:54) です。***

*** 今月のトピックス 「 私の勧める SQC手法 (その2) 」 (98/6/3) ***

1.データ処理は Excel を使う!
約40年前の私が学生時代の頃は、ソロバンと計算尺で計算し、手書きでデータを 整理していました。コピーマシンもなく、複写したい時は写真を撮り、暗室で現像、 焼付けをするなど、いま思えば懐かしい時代でした。 その後科学技術の進歩で、今やパソコン、インターネット、複写機、FAX, VTR, デ ジタルカメラなどが日常生活の中で普通に使われる時代になりました。データの統 計的処理も最近はExcel のグラフや統計関数、分析ツールなどで誰でも簡単にでき るように準備されています。インターネットを使えばデータや解析結果の転送も瞬 時にできますから、思えば本当に便利になったものです。

2.QC手法は簡単なものに限定する。
誰でも使えるためにはシンプルであることが第一条件であると思います。昔から、 QC7つ道具と言われている手法がありますが、これらを中心に現代風に使いこな すために、具体例で少し説明してみたいと思います。 今回は「 対数目盛を使った不良率グラフ 」 です。

3.不良率のデータはどのように扱うのが良いか?
実際の生産工場では製品歩留りが問題で、対策に苦慮しているケースが圧倒的に 多いと思います。それも外観品質などの官能検査によるものが多く、数値化が難し く、適当な基準で良品、不良品を識別しているようです。データとしては計数値と 呼ばれる不良率でありますが、これを従来の方法で統計処理をしようとすると、大 抵の場合うまくいかないのではないかと思います。 品質管理の本には 「 p管理図を使うのが良い。」 と書いてありますが、 これほど使いにくい管理図はない のではないかと私は思います。いわゆる異常値が続発して どのようにアクションをとれば良いのかわからなくなってしまい、結局は止めてし まうケースが多いように思います。本には不良率は二項分布と称する悪い方に裾を 引く非対称な分布であり、云々と、一般の人には難解な説明が出てきてここでお手 上げになってしまいます。

データは一般にバラツキがあり、それらは平均値とバラツキ具合を示す標準偏差で 説明することが多いのですが、この場合、正規分布と称する平均値に対して左右対 称なモデルを前提にしています。世の中には正規分布を示すデータが多いのですが、 そうでない場合は正規分布に近づけるために適当な変換をして使用しているケース が多くあります。例えば音の強さなどは人間の感覚に合うように対数変換をしたデ シベルで表示しています。

それでは 「不良率も対数変換すれは扱い易くなるのでは?」 と考えたらどうでしょ う。対数方眼紙を使ったことのある方は多いと思いますが、不良率を対数目盛でプ ロットしてみると、あら不思議! 従来の p管理図とは異なり、感覚的にも理解し易 いグラフに変身するではありませんか。一つの事例を示してみたいと思います。

次の グラフ ( クリックして下さい ) は、 上段が普通目盛、 中段が対数目盛、 下段は(上級者なら知っている)ロジット変換 した値のグラフです。ただし、PDF ファイルなので、Acrobat Reader が必要ですが、 まだインストールされてない方はこの際、 Adobe Systems にアクセスしてダウンロ ードして下さい(無料です)。

このデータはある製品の外観不良率ですが、外れ値を除くと平均値が約5%で10% 以上は異常値でしょう。中段(対数目盛)のグラフを見れば、ロットNO.45 から 70 番 あたりは、明らかに異常だし、18 から 40 番あたりの中には不良率の低いロットが いくつかあることも一見して分かります。

たったこれだけのことで不良率データも利用価値が高まるのですから、不良率で悩ん でいる方は試してみて下さい。なお、参考までにロジット変換したデータのグラフを 下段に示しましたが、これはいずれ詳しく説明をいたします。