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お読みになった方も多いかと思いますが、日経ビジネス
98-3-9 号の特集記事 ” 蘇れ品質のニッポン ” の中で不況脱出の鍵は 「品質重視の経営」 にあるとの 意見を最近のアメリカでの成功事例や日本での幾つかの新たなチャレンジの例
をあげて強調していました。最近は ISO9000
や ISO14000 の話題が多い中で、 「SQC手法の活用」 を訴えている点が目を引きましたが、最近の参考図書の紹介も
含めて私の考えを述べてみたいと思います。
1. 管理図の活用
古くからある代表的な SQC手法ですが、品質管理の参考書に書いてある幾つか
の管理図の中で計数値の管理図などは実際にはあまり役に立ちません。製造工
程でよく問題になる歩留まり改善を例に挙げますと例外なく
p管理図が登場し ますが、実際に使いこなした話はあまり聞いたことがありません。
不良率などは、データの分布の対称性を高めるために
ロジット変換 (対数変換の1種)した値を用いて、 X bar-σ管理図 を使うことをお勧めします。 管理図そのものは攻撃的な手法ではありませんが、健康管理における血圧や体
温みたいなもので異常があれば赤信号を示してくれる貴重な物差しだと思いま
す。
2. 複雑系のデータ解析
工程が複雑化してくると品質に影響する要因の数が多くなり、直感的な判断で
は因果関係が分からなくなってきます。最近、複雑系の経営とか経済学などと
称したマネージメントの本が数種類、書店に並んでいますが、品質管理の分野
では30年位前から多変量解析と称するデータ解析の手法が研究され、一部の
人達が活用を試みていました。コンピュータの使用が必須条件であったので、
一般には普及しませんでしたが、最近のパソコンの高性能化と普及により、工
場などでも使用されるようになってきました。この分野での新しい手法として
ロジスティック回帰分析やグラフィカルモデリング
などが注目を集めています。 以前にも紹介したことがありますが、次の本はとても実用的で参考になります。
多変量解析事例集 第2集 /吉沢 正、芳賀敏郎
編/日科技連/\3,000
特に事例 3.「Al-Mn系合金のキャップ割れ特性の改善」はロジスティック回帰
分析を使用した不良率のデータ解析事例ですが、多くの工場で応用できると思
います。
3. SQC教育用テキスト
最近は製造現場でもパソコンを使うことが普通になり、生産性向上に寄与して
いますが、SQC手法もパソコンを使って効率よく活用する時代になってきました。
専門的なスタッフ向けのソフトや参考書は以前からありましたが、一般社員を
対象とした手頃なテキストはなかなか見当たりませんでした。今年になってか
ら、EXCELをベースにした実用的な下記の本が出版されました。
すぐわかる「 EXCEL による品質管理」/内田
治 著/東京図書/\2,800 です。初心者でもこの本を、毎週1章づつ、パソコンを使って勉強すれば、
3ヶ月弱で品質管理の基本的な SQC手法をマスターできます。
なお、姉妹編として中級、上級向けに下記の2冊が既に出版されています。
すぐわかる「 EXCEL による統計解析」 /内田
治 著/東京図書/\2,800
すぐわかる「 EXCEL による多変量解析」/内田
治 著/東京図書/\2,800
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