マスターズはタイガーウッズの圧勝に終わりました.アメリカ大リーグでは日本選手の活躍が定着しつつあります.ここ2回ほど日本プロゴルフツアー2001の公式記録を対象に獲得賞金額(1試合当たり)と平均ストローク数やパーブレーク率との関連などを散布図を使って示しました.今回は重回帰分析の手法でアプローチしてみたいと思います.
本シリーズは「誰でも使えるSQC手法」の解説なので,率直に申し上げると,重回帰分析は少し荷が重過ぎます.数学に例えれば微積分みたいなもので理数系の方には必須科目ですが,文系の方は今までは敬遠されていた方が多かったのではありませんか? ところが最近は経済学や経営学の分野では必須科目になってきました.それは企業経営が複雑化してきたために,いろいろな経営指標を総合的に解析する際,重回帰分析や主成分分析を含めたいわゆる多変量解析法が必須の道具になってきたからなのです.
今ではパソコンを使えば重回帰分析のプログラムは簡単に操作できるようになっていますので,結果だけを求めるのであれば少し勉強すれば誰でも一応の結果は得られます.ところが,変数間の因果関係についてはパソコンはそれらの情報を知らないので,ユーザーである人間が適切な判断をしないと誤った結論を出してしまう恐れがあります.そこで前回取り上げたモデルを重回帰分析の手法で解析したらどうなるかについて使用上の注意点も含めてこれから説明してみたいと思います.
初めてこの記事をお読みになる方のために簡単に状況を説明しますと,昨年の日本プロゴルフツアーで選手が獲得した賞金額と平均ストローク数,パーブレーク率の関係を調べるために,前回は散布図を使って,次のように解説しました.
獲得賞金額(1試合当たりの獲得賞金額を対数変換したもの)は平均ストローク数と強い負の相関関係にあるのは当然として,パーブレーク率(1ラウンド当たりのバーディ+イーグルの獲得率)も獲得賞金額に寄与しているようです.ただし,パーブレーク率が高ければ平均ストローク数も当然少なくなるので,見かけ上のことかも知れません.そこで今回はそれらと獲得賞金額との関係を同一のグラフ上で図示してみることにしました.とりあえず,次のグラフをご覧下さい.この図は横軸にパーブレーク率,縦軸に獲得賞金額の対数をとり,平均ストローク数の70台(70以上71未満)を赤色,71台を緑色,72台を紫色の3段階に分けて表示したものです.
|