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これは統計学的には超幾何分布と呼ばれるもので,実際の計算はマイクロソフトの表計算ソフトであるエクセルに含まれている Excel関数のひとつである hypgeomdist(r,n,R,N) などで簡単に計算することができる.上の例で説明すれば,r はサンプル中に含まれる不適合品の個数,n はサンプルの大きさ(100),R は母集団の中に含まれる不適合品の個数(10),N は母集団の大きさ(1000)に相当する.なお,超幾何分布関数は次の組み合わせの計算式と同じである.即ち,
hypgeomdist(r,n,R,N)= RCr ×N-RCn-r/NCn
これらを実際に計算した結果を図1に示す.これから分かることは, 100個すべてが適合品(不適合品0)である確率は 34.7%,1個不適合品が混入する確率は 38.9%,2個混入する確率は 19.5%,3個の場合は 5.7%,・・・ということになる.
これらの事実を別の表現で例えれば,不適合品混入率が1%のロットを 100ロット抜取検査を行うと,35ロットは不適合品が0個,39ロットは不適合品が 1個, 20ロットは不適合品が2個見つかることになる.つまり,不適合品が0, 1, 2個見つかる累積ロットは 94ロット(94%)になるから,一応ここまでをロット合格にしてはどうかと考える.この時,残りの 6ロット(6%)は不合格となってしまうがこれを生産者危険と呼ぶ.
次に購入者側(消費者)のリスクについて考えてみよう.今まで説明してきた事例で,抜取検査の結果,不適合品が0個か1個の場合は直感的に合格にしてもよいと判断する方が多いと思うが,不適合品が2個出ても合格にしてしまうのはおかしいと疑問に思われる方も多いのではなかろうか.購入者の立場で,できるだけリスクを回避しようと考えれば当然の発想であるが,0か1個の時だけ合格にすると決めれば,継続して購入したロットの平均不適合品率は直感的には 0.5%強になり,約束の1%より厳しすぎることになってしまう.
従って統計的には不適合品が2個の場合でも合格にして良いのだが,それも5回に1回程度で,続けて不適合品が2個も出るようだとおかしいということになる.このあたりを合理的に計算し,いろいろな場合を想定して抜取検査基準を定めることになる.一般に生産者危険は5%,消費者危険は10%程度が適当であると言われているが,その根拠と双方の条件を満たす具体的な組み合わせなどについては次回詳しく説明する.
図1 抜取検査における不適合品混入率の計算事例
ロットサイズ(N):1000個,不適合品数(R):10個,
サンプリング数(n):100個の場合,不適合品数( r = 0, 1, 2, 3 ・・)が検出される確率を超幾何分布関数から求める.
(Microsoft Excel にある超幾何分布関数 hypgeomdist(r,n,R,N) を使用)

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