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何度も書くようだが、軸足がどこまでも国内にあったディープインパクトだから、自分の庭で圧勝するのは当然のことでもある。レースぶりもまさに国内仕様といおうか、普段どおりのディープインパクトのレースをしてくれた。普段どおりの走りさえすれば、圧勝するのは当然だ。
下(↓)にも書いたことだが、凱旋門賞もこのようなレースぶりが出来たら、1位入線していたことだろう(結局、失格になったのだから、どうしようもないことだが)。返す返すも海外1戦だけで引退してしまうのは残念だ。ジャパンカップで3着に入った馬は昨年もJCに出ていたし、今年は前走がブリーダーズカップだった。これくらいディープインパクトにも出来ただろう。
JRAは帯同した獣医師を6ヶ月の出入り禁止処分にしたという。調教師はおとがめなし。は〜ッ? これって、粉飾決算で他の取締役に罪をかぶせて、ホリエモンに無罪判決を出すようなものではないか。最高責任者とはなんぞや、ということだ。あくまでもイプラトロピウムが馬房にこぼれた、ということで、注意義務、そして報告義務を欠いたということにするらしい。イプラトロピウムが零れた寝藁を食べて陽性反応が本当に出るものか、ものすごく疑わしい。どれだけ零せばそんなことになるのか。残留濃度にだって個体差があるはずだ。そんな科学的(?)なことまで説明して、説明といえるのである。それにしても帯同した獣医師って出入り禁止が当然なほど無能ではある。
ハーツクライも引退を発表。やっぱりノド鳴りのせいで凡走したではないか。マスメディアは2強を印象づけた事前の報道を反省すべきである。「ノド鳴りだから凡走があり得る」と書いたジャーナリストはどれほどいたのだろうか。 厩舎サイドの物言いを鵜呑みにするだけで、ジャーナリストといえるか。
ようやくディープインパクトの失格が決まった。レースから1ヶ月以上経過しての裁決だが、この間、関係者からは何の話もなく、失格発表後に調教師が謝罪して一件落着と言うことらしい。
10日前には摂取を止めていたが、禁止薬物(名前を覚える気はないが、念のため記しておくと「イプラトロピウム」)が馬房に飛散して、それをディープが摂取したという説明である。は〜? 実証や証明ができないものは、説明とは言わず、弁解というのである。そんなんでみんな納得するんかい。というより、「それで納得しろ」というような発表ではある。
もはやジャパンカップは来週である。来週まで引きずりたくないのはJRAも同様であろう。マスコミも暗黙の了解と言うところか。日経の野元記者は、軸足がどこまでも国内にあったディープインパクト、と書いていたが、そのとおりだろう。だから、調教師も仏国のルールなんて歯牙にも掛けなかったのだろう。レース後に池江師が語った「今後も挑戦したい」という言葉の割には、軽薄でしかないのである。この厩舎の海外挑戦――いや、今後は「海外参戦」と書くことにしたい――は今後も期待できないだろう。
そういえばハーツクライにのど鳴りの兆候があるという発表があった。それでも出走するという。それでも負けないという自信があるのだろうか。これでまともな走りでなかったら、公正な競走といえるのか疑問が残るものとなろう。日本では禁止されていないイプラトロピウムが効くのではないか?
かたやデルタブルースが豪州最大のレース、メルボルンカップを制覇した。ポップロックも2着ということで、他の出走馬のレベルがどのくらいだったかは全くわからないのではあるが、伝統のレースに勝ったことは、日本人にとっては溜飲が下がる思いである。かようにして日本馬は世界各国で活躍する、そういう時代をもう迎えているのではないか。日本馬のレベルがそういうレベルにあることをまずもって関係者は認識すべきなのではないか。先に「挑戦」ではなく「参戦」だ、と言ったのもそういうことである。だから、なおさら池江師のように、物見遊山のような気持ちで何の戦略もなく参戦するのはいかがなものかと思わざるを得ない。
でもまあ、いまもイプラトロピウムを使っているのかどうかは知らないが(日本では禁止されていないことはくどいようだが言っておく)、ジャパンカップで汚名返上と願いたいものではある。
3着に敗れただけでも「みそをつけた」と言えるわけだが、それに「薬物騒動」とはなにをかいわんや。どこまで脇が甘いのか。いったいどんな感覚なんだ。馬の名誉をどこまで傷つけるのか。
フランスギャロの説明のように、コミュニケーション不足で一件落着になるのかどうかは知らないが、こんなグローバルな時代に、コミュニケーション不足で済むのか。しかも、コミュニケーション以前に、スポーツに携わる者なら、ドーピングは一番に気をつけるべきものではないか。日本の獣医も帯同していたそうだが、日本の獣医が向こうで診療行為が出来ない云々というが、では何故連れて行ったのか。向こうの禁止薬物と照らし、ディープに処方された医薬品についての適切な判断ぐらいは出来るだろうが、それもできない者が何の役に立ったのか。
この件に関し、JRAの差し金でもあるのかどうか知らないが、ここまで、いつも一番にコメントをする調教師からの言葉が何もマスコミからは聞こえてこない。ちょっとおかしい。だから「陰謀」だとか、「ハメられた」とか、憶測が増幅するのだ。
しかもいまだに天皇賞に出走するかしないかの発表さえない。どうなってるんだ。ちょっとおかしいんではないか。これは凱旋門賞に負けたことと無関係ではない。だってもう来週だろう、天皇賞は。ひょっとしたら、ハナから、このまま引退させるという腹づもりなのではないか。JRAとの綱引きでもしているのか。そうであるなら、今回の騒動は、いい口実にできる、と逆にオーナー・サイドあたりはほくそえんでいるのかもしれない。すでにシンジケートが組まれた馬がヘタにレースで故障でもしたら大変だからねえ。これも憶測で言っているだけだけど。
そういえば先代三冠馬のナリタブライアンは勝てずじまいで、結構みそをつけて引退した。そういえば、シンボリルドルフでさえ、米国から帰って、すっきりとした引退ではなかったと記憶する。ディープインパクトもそういう運命をたどろうというのか。種牡馬としての価値に関係するのかどうかは知らないが。
いまだ全体がはっきりしない問題だから、まずは当事者が説明責任を果たすことが第一ではある。
当然「想定内」のことではあったが、凱旋門賞敗退の後での引退表明は、後味が悪い。しかも、調教師も、騎手も、寝耳に水だという感想を語っている。世界一を狙おうとしたチームが、思いが一致していなかったなんて、信じられないことである。馬は馬主のものだというのは至極当然のことであり、馬主が自分の意向を通そうというのも至極当然ではあるが。
引退するかしないかなんて、そんなことはシーズン前に決めておくべきことではないか。チャンピオン・ホースにはチャンピオン・ホースに相応しい処し方というのがあってしかるべきなのだ。だからオーナーもそれに相応しいオーナーとしての判断があってしかるべきだと思う。しかも、そういう判断(引退)があったのならなおさら、いまさら天皇賞でもあるまい、というのが素直な気持ちだ。50億円のシンジケートが組まれることが決定済みなのだそうじゃないか。だったら、なおいっそう「いまさら天皇賞」ではないか。
中途半端な海外挑戦はもはや前時代の遺物である。繰り返して言うが、日本馬はすでに「通用するかしないか」で海外G1に挑むのではなく、勝ちに行く時代だ、ということをはっきり認識してもらいたい。調教師・騎手はそういう判断だったが、日本のチャンピオン・ホースを持つ肝心のオーナーが、そういう気持ちではなかった、ということが残念でならない。たぶん、これだけG1を勝ってしまったから、周りに言われて、凱旋門賞に挑戦しなくてはいけない雰囲気にさせられて、しかたなく挑戦しただけなのだろう。ああ、引退かあ。
タイキシャトル、シーキングザパール、シーザリオ、……もはや欧米のG1が手の届かないところにあるわけではない。それは最高峰の凱旋門賞であっても同じだ。「よくやった」のはそのとおりではあるが、ディープインパクトともあろうものが「よくやった」だけで済むものではないだろう。
結果論で言うのはどうこう言う筋もあろうが、ディープインパクトの本来のレースをやったとはどうしても言えないだろう。武豊にしてからそうなのか、という思いだ。あんなレースは絶対に日本ではやらない。欧州の馬の能力を過大評価しすぎた結果ではないのか。横綱相撲をすればよかったのだ。休み明けがどうの、スローペースがどうの、それはまたそのとおりなのだろうが、ディープインパクトはそんなことは克服できたはずなのだ。最大の敗因は意識のし過ぎということに尽きる、と素人ではあるが私は断言したい。
それにしても、1戦だけですごすごと引き揚げてくるのはいかがか。ディープインパクトを負け犬にするつもりなのか。ブリ−ダーズカップにでも出たらどうなんだ。これはディープはそれだけの馬だと思うから言っているのである。馬の「名誉」も少しは考えたらどうか。
池江師は「今後も大レースに挑戦したい」というようなコメントをしたようだが、それは師のことか、ディープのことか、わからないではないか。オーナーの決断を期待する。
いよいよ明日、凱旋門賞。ディープインパクトは2番枠。といっても、8頭立てだから、枠順はほとんど関係ないだろう。シロッコ、ハリケーンランは相当強いそうだが、ディープインパクトも相当強いと言える。武豊が「世界一にさせたい」と言うのは、それだけの馬だということだろう。いずれにしても、すぐに結果が出るのだから、今からいろいろ言っても始まらない。レースを楽しみにしたい。
それにしてもJRAも相当はしゃいでいるようだ。TV-CMはいわずもがな、現地では日本人向けの馬券購入用紙も用意するらしい。馬券に馬名を入れるようにも進言したらしい(無理だったようだ)。それだったらJRAでも馬券を売ったらどうか。
現地には5000人ほどが観戦ツアーで行くのだそうだ。願わくば、心ない日本人観戦者が、日本のG1のときのように、スタート時に必要以上の喚声を上げたり、ゴール前で紙を撒き散らしたり、顰蹙を買うような行為をしないことを願っている。まあ、無理だとは思うが……。
凱旋門賞まで半月(ハンゲツではない)。日本馬の海外G1制覇といっても、そう珍しくはなくなったが、「凱旋門賞」というとまた別格である。エルコンドルパサーの惜しい2着はあった。誰も何も言わないが、逃げて差されるなんて、明らかに蛯名の騎乗ミスだろう。本人もそうは思っていないようだが。明らかに勝てたレースを取りこぼしたということだ。
今回は日本史上最強馬に日本史上最強騎手の挑戦である。これで負けたら……、という話にもなるのである。期待したい。しかし、なぜ凱旋門賞に参戦するだけなのか。欧米の馬のように、世界の駆け回ってG1に参戦する日本馬は出てこないものなのか。例えば、いままでのケースから敷衍して考えれば、ここで万一負けたとしたら、再度挑戦しようとは決してならないだろう。逆に臆病になってしまうのが目に見えている。ハーツクライもなぜ帰ってきてしまったのか。「凱旋門賞」「ブリーダーズカップ」「ドバイワールドカップ」……世界には挑戦すべき最高峰のレースがいくつもある。まだそれに届いた日本馬はいない。日本にいて競馬するのとの比較で、尻込みするのはわかるが、もっと積極的に海外に挑戦する時代ではないか。
とにかく、まずはディープインパクトに大いに期待したい。