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ディック・フランシスの主人公のように生きたい
小生、そんな読書量を誇るものでもないし、小説になるとますます少ない読書量を誇る
(^^;) ものですが、唯一ディック・フランシスの作品だけは、日本で出版されているものはすべて
(だと思うが…)読んでいます。
もともと20年来の競馬ファンで、今でこそ競馬関係の本は掃いて捨てるほど出ていますが(そのかわり最近の本は玉石混淆である。読者は十分な目をもって本を選ぶべし)、かつて
はそれこそ競馬を題材にした本を本屋で探すのも大変でした(必勝本の類いはありましたが、
そんなの読む気がしない)。辛気臭い寺山修司は肌に合わんし(ファンの方ごめん)、沢木
耕太郎のノンフィクション読んだら 「お前そんな見方しかできんのか」 と思ったし、小説は
ギャンブル色ばかり。面白いストーリーものは発見できないでいました。
そんなとき、ディック・フランシスに初めてふれ、新鮮な感動を覚えました。流石!
本場イギリスの小説は違う、と。
ところで、ディック・フランシスですが、その多くが競馬界を中心としたストーリーですが(すべてではない)、競馬を知らなくても(知ってたらなお面白いと思う)、ぜひどの1冊でもいいから読んでもらいたいものです。すぐにその魅力がわかるはずです。
その第一は、どの著作にも共通する主人公の魅力です。私は常々フランシスの小説の主人公のように生きたいと思っていますが、実態は全く逆。鋭敏な頭脳、洞察力、機敏な判断力、決断力、強固な意志、それでいて人間味があり、悪党以外からはまず好感をもたれ、我を張らず、欲張らず、本分をわきまえている。これは自叙伝を読めばわかるように、フランシス自身そういう資質をもっているようです。
かつては女王陛下専属のプロ騎手で、障害の全英チャンピオンだったフランシス。世界最大の障害レース「グランドナショナル」でのデヴォンロック号の不可解な落馬で有名です(フランシス自身も実際の原因はわからないようです。興味のある方は、最近文庫になった『女王陛下の騎手』を読むべし)。それが、引退後は華麗なる転身をして、一流作家となり、数々の賞を受賞しています。
いわゆる「競馬シリーズ」のすべての著作が一人称で書かれていますが、その主人公のせりふがまた魅力です。なかなかにくらしいフレーズが出てくるんです、これが。
また、日本語版では、タイトルが二文字に統一されているのが評判です(最近はタネが尽きてきたか?)。それから、いろいろな職業や題材を採りあげるのに、よく研究していて、
浅薄な記述がありません。読者は著作から豊富な蘊蓄、知識を得ることができます、ホント。……などなど、まあそういうことです。
『敵手』を読了し、この秋の新刊がいまから楽しみなこのごろです。初期の作品しか評価しない人もいるようですが、むしろ私は最近の著作により一層の魅力を感じます。
(1997年2月1日記)
メアリー夫人の死後、ディック・フランシスは「手紙以外は書かない」と宣言し、その言葉どおりになっています。残念ではありますが……。(2000年記)
いやいやディック・フランシスは健在なり。2006年! 堂々の新刊を出版。しかも読者を魅了してきたシッド・ハレーが4度目の登場である。
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