|
読めばわかるけど、原題(Wild Horses)は、すんごい意味深長ないい題だなあ。それがなんで「告解」なんだか「解」せないなあ。
主人公は新進の映画監督トマス・ライアン。祖父は調教師だったし、トマス自身はアマチュア騎手をしていたこともある。いま『不安定な時代』という映画を撮影中。26年前に起きた調教師の妻の怪死という実話を題材にした小説をもとにした映画だ。それはまたトマスの生まれ故郷での出来事であった。
脚本を原作の作家であるハワード・タイラーがつとめるなか、トマスは大胆なストーリーの変更を要求する。主役“メガスター”ナッシュ・ローク。撮影監督モンクリーフ。プロデューサーのオハラ。映画製作の現場でのパートナーシップと葛藤が、ストーリー展開とは別に面白く描かれていて興味深い。
元装蹄師で競馬ジャーナリストだった老人ヴァレンタインは、トマスの幼い頃の知り合いで、蔵書をトマスに遺すことを約していた。いまは妹ドロシア・パニアーとつましい晩年を過ごしている。ここでトマスは、ヴァレンタイン兄妹の主治医ロビイ・ギルと知り合う。
ヴァレンタインの死後、その家は荒らされ、ドロシアも兇刃によって重傷を負う。かたや映画製作が26年前の泥をかき立て、製作を中止させようとする脅迫が、メガスターやトマス周辺を襲う。幾本もの兇悪なナイフの出現(バタフライ・ナイフよりすごいやつだ)。トマスが26年前の真相を解き明かそうとするのを恐れた誰かの仕業なのか。一見関係ないドロシア襲撃とトマスへの脅迫は、奇怪なナイフを通じてからみあうのだ。
ロビイ・ギルがいなかったら、トマスもたいへんなことになったはずだ。ナイフを持つ人間、収集する人間の心理。昨今日本で起こっている兇悪な少年事件にもオーバーラップしてしまう。
|