(1973年作品)
|
主人公デイヴィッド・クリーヴランドは、英国ジョッキー・クラブの調査部主任。若くして調査部の責任者となったが、才能はともかく、若さという見かけは心許なさを感じさせるもののようだ。 英国のジョッキー、ボブ・シャーマンの失踪事件の調査の依頼を受け、ノルウェーへ飛ぶ。ノルウェー・ジョッキー・クラブの調査員アルネ・クリスチャンセンと共に調査を開始するが、到着早々ボートの衝突事故で海に投げ出され、必死の思いで岸にたどり着く。その後も、二度、三度とデイヴィッドは命を狙われる。危機回避の描写は、いつもながらハラハラだ。 競馬場の売上金を持って失踪したと思われていたシャーマン。しかし、騎手の稼ぎと売上金を比較すれば、シャーマンが盗むには値しない額だ。デイヴィッドの進言による捜索で、シャーマンは死体で発見され、事件は新たな展開をみせる。そして、意外な人物、真相にたどりつく。 「彼に事実を一つ与えれば、あとは推理してしまうんだよ」 あまり馴染みのないノルウェーの競馬の様子を織り交ぜながら、描かれている。当時のことだから、いまはわからないが、英国のジョッキーが随分乗りに来ているということだ。そして、厩務員がパドックで馬主の服色(勝負服)と同じデザインのセーターを着るのが流行というのも面白い。 さらに、事件の真相である。専門家以外は知らないだろう、意外な物に意外な価値があるということ。 暴走 |