| サラブレッド、ジョッキー、競馬一般、小説、エッセイ、などなど、最近読んだ本について、独断と偏見でご紹介します。 (^^ゞ みなさんもぜひ優良本から駄本まで、ご紹介ください。 |
| 『競馬番長のぶっちゃけ話』 藤田伸二著 (宝島社・1200円) 最近このテの本を買うのは、ほとんど躊躇してしまうのだが、なかなか面白そうなので思わず買ってしまった。藤田伸二の『特別模範男』も読んでみようと思っていたのだが、そういうわけで躊躇してきたわけ。…ンなこたあ、どうでもいいってか。 構成は3章。「第1章 調整ルームの秘密」「第2章 あの騎手の正体」「第3章 検量室・ジョッキールームの内側」。正直、藤田騎手のブログも目を通したことがないのだが、当事者には当たり前のことだから(別に隠しているわけでなく)誰も言わないことが、ファンが知りたいことだったりすることが出版の動機ということらしい。 たしかに、第1章「調整ルーム」や第3章「ジョッキールーム」の内部の様子は興味がある。そのへんはなかなか細かく書かれていて面白い。「調整ルーム」で騎手がどのように過ごしているかも興味深いが、他国にはないこのシステムに関して、「別にあっても良いけど、ルールで縛る必要はない」というのは、小生も別ページで書いているとおり、同感である。しかも公正確保を言うのに、JRA騎手以外には例外ありというではないか。しかもなんでこんなに時間に厳しいのかちっともわからない。 これは競輪の話だが、競輪は「調整ルーム」というのかどうかは知らんが、携帯電話を持ち込んだだけで、1年間の騎乗停止、じゃなくて斡旋停止を受けた選手がいたという。ルールと言えばそれまでだが、おとな、それもプロフェッショナルに対して、失礼、傲岸不遜なルールである。 しかも藤田が言うとおり、ファンの立場からみても、ちっとも公正でない「裁決」はまま見受けられる。ご都合主義はお役人の典型である。外国人に弱いのもお役人の典型である。地方を見下してみるのもお役人の典型である。 騎手クラブはもっと主張すればいいのに、と思ったら、藤田は「騎手は仲間意識はあるが、団結力はない。リーダーになる者がいない」と言っている。なるほど、納得。 ……あまりこの本にふさわしくない紹介になったようだ。この本は、もっとぶっちゃけた話満載の騎手の日常、とくに開催日前後を知る好書であり、飾ることなくストレートに訴えるキャラどおりの藤田の主張がいい。どうもあの風貌は好きになれないのだが…。 ★★★★★(平成21年11月10日記)
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| 『書斎の競馬学』 山本一生著 (平凡社新書・819円) 10年前に何号か出た雑誌「書斎の競馬」に連載した「競馬学シリーズ」をまとめたものだがら『書斎の競馬学』。競馬と絡めて自分の人生を記すスタイルのものを読むのが小生は大嫌いなので(「作家さんのことを知りたくて読むわけねえだろが、競馬の本を。どうでもいいんだよそんなこと。公開するなよ、そんなこと」と思ってしまうのです)、最初と最後がそれなんで後味が悪く感じるのは小生特有の問題だが、題材も10年以上前のことであるので、出てくる馬の名前なども最近の競馬ファンには馴染みのないものとなろう。アメリカ競馬の話と、競馬を題材にした作家の話が多い。 11編の中で買うことにした決め手は、もちろん「第十話 D.フランシスの究極のミステリー」である。これはグラハム・ロードの書いた『ディック・フランシスの競馬人生』(Graham Load“DICK FRANCIS A Racing Life”)を題材に書かれたものだ。要は競馬シリーズの本当の作者はメアリー・フランシスだ、というもの。真相はどうなのか。勘ぐれば、これもフランシス夫妻の仕掛けた謎かけなのかもしれない。「さあ、いったいホントはどうなのか? 考えてみない?」と陰でほくそ笑み、楽しんでいたのかもしれない。夫人が亡くなって、いまは息子との共同執筆となっているが、フランシス工房を息子へと引き継ぐ布石に違いない。読者としては、面白いものだったら支持するし、そうでなければ見放すだけである。いまはまだディックの名があるから、読者はそうは離れていないということか。 ★★★(平成21年1月24日記)
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