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ネパール記

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第8話 ガス欠と子供達

日が明けた。今日はポカラに広がるペワ湖の北岸に行って

みることにした。ペワ湖には何本かの河川が流れ込んでいるが、
その中でもパルパン・コーラという川は一番大きく、その河口は
風光明媚な名勝として知られていると聞いた。距離にして片道
6キロくらいなので、先日の片道12キロのマヘンドラグッファに
比べると大分近い。しかし話には、整備されてない道がほとんど
で行くのは至極大変だとのことであった。とにかく丸一日あること
だからそこに向かってみることにした。前とおなじ男から一日300

ルピでバイクをレンタルする。

しかし借りたバイクのガソリンの残量をチェックしてみたとこ

ろ、およそ3分の2しかなかった。日本では車などをレンタルし
たときは満タンにして返すのが常識だが、ここでは全てが自
己責任。ガソリンを足すのも使うのも自分次第なのだ。だから
満タンにして返す必要も無い代わりに、足りないと自分で補給
しなければならない。

借りてすぐ私は、これでは少ないんじゃないかと不安になっ

た。しかし市内にはガソリンスタンドがかなり少なく、一番近い
所でもレイクサイドからは単車で15分くらいのところにあった。
私は少し疲れが溜まっていたので、面倒になりついついその
まま出発してしまった。それが失敗のはじまりであった。
道はとにかく最悪で、砂利道の上、水溜りが非常に多く、また
道の上に川が横切っているなど、もはや道とは言えない部分
が多かった。そして容赦なくガソリンは削られていったのであ
る。ふと前を見ると、水溜りを避けるように歩いてくる4人組の
女の子に出くわした。彼女達は物珍しそうに私のまわりをとり
かこんだ。何かをねだるわけではなく、どこからきてるのか、
何をしてるのか、とひとしきり尋ねた後、私に食べていたお菓
子などをすすめてきた。ほんとに和気あいあいとした瞬間だっ
た。その後女の子の一人が写真を撮りたいと言い出し、私は
一人一人と写真をとった。また全員写真もかなり撮り、フィ
ルム1本は十分に使った。しばらくすると友人の男の子も

合流し、「バイクの後ろに乗せて欲しい」と言い出した。そ

して私は男の子を後ろに乗せ、30分あまり、激しい道な
どをわざと走り、愉しんでいた。それを見ながら女の子達
もはしゃいでいた。ガソリンが少ないことなどすっかり忘れ
ていた。合計で1時間ほど子供達と遊んだ後、私はそのこ
とを思い出し、背筋に冷や汗が走るのを感じた。確かめる
とガソリンは底のほうに少ししかなかった。私は彼女達に
「帰らなければならない」と告げた。「明日も来て欲しい」と
言われたとき、本当に感動した。それを振り切るようにし
て別れる。本当にいい経験だった。だから旅はやめられな
い。しかしその代償に案の定途中でガソリンが切れ、数キ
ロにわたりバイクを押して帰ったことは言うまでも無い。
 
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