|
|
|

|
| 深夜1時25分。 |
| TG627便が関西国際空港を飛び立とうとしていた。 |
| 私は完全に疲れきった、綿のような体を座席に沈めていた。 |
| 「何故、私はこんなに体を酷使してまで旅に出るのだ?」 |
| その日の夕方まで私はいつものように仕事をしていた。 |
| 若手なので当然仕事も大変なところを任されることが多い。 |
|
そんな合間を縫って、今年の夏は国内旅行は九州、北陸と
|
|
2回も出掛けてみた。もう旅の欲求は満たされており、あえて
|
 |
旅に出る必要はなかった。いわば惰性であった。
|
|
しかし、私の感性の何処かで、激しい旅の刺激を求めて
|
|
いた。旅に出た理由は本当にそれだけだった。
|
|
早朝5時25分。バンコク国際空港でトランジットの為、
|
|
約4時間の待ち合わせだ。昨年、カンボジア旅行の帰りと
|
|
同じ喫茶店で休憩。昨年は、これからトルコにバックパック旅
|
|
に出るという大学生と、この同じテーブルで話して時間をつぶ
|
 |
した。
|
|
しかし無為な時間もたまにはよい。あっというまに時間は過
|
| ぎ、乗り換え便を経て、午後0時35分、ついにネパールの首 |
|
都カトマンドゥに到着した。
|
|
何たる喧騒、何たるパワーの爆発であろうか?!
|
|
車のクラクション、商いの人の声、物乞いの声、ありとあらゆ
|
|
る「人間の力」が渦巻いていた。
|
 |
私は惰性で旅に出たことなどすっかり忘れ、カトマンドゥに夢
|
|
中になった。
|
|
バックパッカーの聖地のひとつであるこの街は、2000年以
|
|
上前からネワール人が暮らしていた。8世紀頃には盆地の中
|
|
に、カトマンドゥ、バグタプル、パタン、という3つの独立王朝
|
|
があった。しかしインドのクシャトリアのとある一族が、ゴルカ
|
|
王朝を建国、全ネパールを統一、現在の国王の祖となった。
|
 |
ネワール文化は3王朝並立時代のものがほとんどだ。 |
|
私はアサンチョーク、インドラチョークと呼ばれる広場を抜 |
|
け、ネワール語で「宮廷」をを意味するダルバール広場に |
|
到着した。ここにはシヴァ寺院をはじめ数々のヒンドゥの |
| 寺院があり、参詣の人間、商いの人間、観光客であふれ |
|
ていた。その後少し北へ歩き、猿神ハヌマンの像がある |
|
ハマンドゥカに向かった。 |
| |
|
>>トップページ>>目次>>第2話 美の都パタン
|