生体磁石


前項では電磁波について述べてきましたが、ここからはより深く生体磁石について考察します。

 

ではまず、ヒト以外の動物について考えてみましょう。鳥やサケ、ミツバチなどは体内にコンパスのようなモノが備わっていて、地球の磁場を感知し方角を知るということは古くから考えられていた事でした。

生体磁石の発見

その草分け的研究が1971年にコーネル大学のウィリアム・キートン博士が行った伝書鳩による「鳩の方向感覚」の研究です。キートン博士は、太陽光、視覚記憶、そして磁気的な方向感覚という仮説をもとに長期にわたり実験を行いました。 

そしてこの分野の研究が科学的に解明されようとしたきっかけの一つとして1975年に当時、マサチューセッツ工科大学の学生だったブレイクモアが海底の泥から嫌気性のバクテリア(走磁性細菌)を発見した事が挙げられると思います。その後、1979年にはこのバクテリアから「生体磁石」が見つかります。

動物たちの生体磁石

この生体磁石は、マグネタイト、すなわち磁鉄鉱(Fe304)を脂肪酸が覆う構造をもっています。その後の研究でこの生体磁石はバクテリアのみならず、ハトや渡り鳥、サケの脳内にも存在する事がわかってきました。後にこの生体磁石はマグネトソームと呼ばれます。 

この生体磁石を使って動物は方角を感知するのではないかという研究が始まったのです。魚や鳥の帰巣性に関しては地磁気と電界成分をマグネタイトで感じ、イオンの共鳴現象から地磁気を判定しているのではないかという説もありますし、ごく最近、広島大学の、原田学長が証明したものでは鳥や魚には磁性を持つ耳石が耳石器内にあり、これが地磁気を感知してナビゲーターの役割を果たすというものもあります。 

この説は鳥や魚の耳石器にはほ乳類にはない第三の耳石器「壺嚢」があり、この中の耳石にある、磁性物質が地磁気の変化に応じて、壺嚢の感覚毛を刺激し、 感覚細胞を興奮させ、これが脳に伝わることによって、鳥、魚は飛ぶ方向や泳ぐ方向を判断するというもので、実際にハトでの実験が行われ壺嚢が地磁気を感じるセンサーだということが立証されています。壺嚢は魚類、鳥類、両生類にありますが、機能は分かっていません。またサケは鼻の嗅上皮の細胞が地磁気からの磁気モーメントを電気信号に変換するトランスデューサーとして機能する説や「嗅覚記憶」つまり、生まれ育った川の臭いを感知し帰巣する説もあります。

いずれにしても動物種により磁性体の存在する部位や機能が違いますが、「磁鉄鉱の磁石に基づく磁気受容器仮説」は立証されかけていて、次の段階である「結晶粒子の鎖がどうやって磁場を神経系の電気信号に変換できるのか」に向かっていることは間違いありません。

ヒトの生体磁石

さて、人間もこの例にもれずイギリスのマンチェスター大学のロビン・ベイカー博士によって、人間の脳にも磁気器官があることが証明されています。この磁気器官は、鼻孔後側の上方にあり、脳下垂体の前にあります。

そして、頭の中央部にある松果体でも、磁場を関知することができるということが最近になって解ってきました。松果体は「第三の目」ともいわれ、光の量を測定する機能を備えています。この松果体はメラトニン、セロトニン、ドーパミンなどの神経ホルモンを生成し、脳自体の活動を調整します。また体内時計機能の維持調整を行います。朝すっきりと眼を覚ますには日光を浴びることが有効とされていますがこれは視神経から光が信号として松果体に送られ脳を覚醒させるためです。

余談になりますが時差ぼけや睡眠障害の解消にメラトニンがアメリカでは健康食品として販売されています。(日本では無認可)

さらに生体磁石であるマグネタイトが脳内にあることを1992年にカリフォルニア大学の研究チームが発見しました。脳表面の細胞に多く分布し細胞1グラムあたり500万個も存在することが解りました。

生体磁石と地球

さて、ここまで生体磁石について説明してきましたが、人間と地球環境はどう影響しているのでしょうか。次に述べたいと思います。

ここで話を一旦、電磁波に戻します。

地球が誕生して先カンブリア紀頃の地球の地磁気は非常に強力でした。とりわけ10〜30Hz程度の超低周波は雷を発生させるほどだったそうです。しかしこの電磁波こそが、有機分子を集めて、生命を誕生させた源であり、現在も存在し続けています。

現在、未解決の問題である携帯電話のマイクロ波ですが、太陽からも降り注がれています。もっとも中継局のアンテナと比べると10万倍も小さい値になりますが.....

生体活動と地球磁場

人類は誕生の時から地球磁場、太陽、月などの影響下にあるわけです。1952年にイリノイ大学のシューマン教授によって、超低周波の電磁波が地球全体と共振していることが発見され「シューマン共振」と名付けられました。このシューマン共振はその後、生物の生命活動と密接に関連していることが解っています。シューマン共振は7.5Hzですが、人間の健康体の共振周波数も7.5Hzです。またリラックスした状態で脳波に現れるα波も7.5Hzです。

そしてこの共振周波数は個人差があり、病気治療への応用が進められています。(個人の共振周波数に合致する共振周波数を持つ薬を投与するなど)また地球の地磁気は北極、南極付近では約0.6ガウス、その他では約0.5ガウスあります。この地磁気が変化すると生体活動に影響するのは容易に想像できることです。

脳の神経細胞活動は電気反応に依存しています。脳は神経細胞の集合体であり、無数の神経細胞がシプナスで繋がり電気信号で情報を伝えあっています。その電源となるものは、細胞膜を挟んで存在する静止膜電位です。

地磁気が影響している一例

地磁気の変化が人体に影響を与える一例を挙げると、磁場変化が頻繁に起こるような場所では幻覚作用を起こすことがあります。これは感覚神経の神経活動が乱されるためです。実体のない閃光が見えるたりするのは、磁場の変動によって鼓膜に弱い電流が誘導され、光の強さの違いを感知する細胞に作用し、この神経細胞に活動電位を起こさせ、その信号が脳に伝わるためです。

またよりミクロな例では、胎児が母体の中で左右非対称に形成されるとき(内臓の配置など)KIF3遺伝子(分子モ−タ−、キネシンの一種)の鞭毛が旋回し身体の外に流れとして信号を送り、身体の左右が決まります。体液は電気双極子の凝集体といえますが、これがDNAの周りを右から左へと回りながら様々な元素や有機物質を分配して左右を決めるメカニズムになっていることが証明されています。(東大医学部の広川教授)。この分子モ−タ−の回転は地磁気の影響ではないかと考えられています。従って動物の内臓左右対称まで影響している地磁気や周波数を応用すれば、効果のある疾病治療が出来ることになります。 (その後の研究成果はこちらから

地球磁力と風水

そしてこの考えを古代から外的環境要因を利用して実践してきたのが風水なのだと私は考えます。土地の良し悪しを判断し地球磁場を読み取りヒトに合う環境を見つけ整える。現代風水では、電気製品を有効な位置に配置し電磁波さえも利用します。

風水では個人の磁性感応傾向である本命卦を重視しますが、これは生体磁石や磁性受容器官に個人差があるためだと考えられます。

本命卦と生体磁石、天体の影響について考察し本命卦の謎に次回は迫ってみたいと思いますが、今回はここまでとします。

次回につづく....(^_^;)