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モデルに基づく展開の実際

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 当事者や関係者からのヒアリング

1)フォーカス・グループ法について
 フォーカス・グループ法は1950年から80年代にかけて米国を中心にソーシャルマーケティングの
手法として発展し,現在は社会科学,行動科学の分野で広く活用されている手法です。具体的には,
まず話し合ってもらうテーマを決定し,質問の大枠を準備します。

 テーマに関して同じようなバックグランドをもつ6〜10名の人たちに集まってもらい,司会者が
提供する話題について自由に話し合ってもいます。
 ディスカッションの内容はテープに録音したり,模造紙に可能な限り発言を忠実に記録します。

グループインタビューを成功させるポイント
a) はじめの雰囲気を大切にします。率直な意見を活発に出してもらうには
 かたぐるしい挨拶などは省き,日常的な会話などから普段の雰囲気のまま
 インタビューに入れるような工夫が必要です。
b) はじめに話し合うテーマを明確にして参加者に伝えます。このことで話
 が横道にそれるのを防ぐことになります。
c) 発言された内容について否定的な反論をしたり,いいわけをしないこと
 が重要です。せっかくいい意見が出そうになっているのを妨げないことが
 重要です
d) 参加者全員に名札をつけてもらい,司会者はもれなく意見を出してもら
 うように発言を促します。
e) 時々合いの手を入れたりして,発言者にこちらが傾聴している姿勢を伝
 え,積極的な発言を促すことも重要です。 f) 発言された内容を整理して
 投げ返すようにして,今,何について話し合っ ているのかをみんなに
 常に認識してもらいましょう。
g) 話が大きくはずれだしたら発言している人の呼吸をよく見てタイミング
 良く話に割り込み,話を戻します。 h) 司会者は司会に専念し,記録者を
 別に準備した方が良いでしょう。


 モデルを構成する因子の抽出

 ヒアリングで出された意見から,QOL,健康問題,QOLや健康問題に影響を及ぼす生活習慣や
環境,それらに影響を及ぼす準備・強化・実現因子など,モデルを構成する因子を抽出します。

因子を抽出する手順
1)模造紙やテープに記録された発言をポストイット等のカードに転記します
   この時,1枚のカードに1つの内容にすることがポイントです
2)これらのカードをまず,上記の因子ごとに分類します
3)同じ因子内で同じような内容のカードをまとめます
4)ネガティブな表現をプラスの表現にしたり,表現の整理します
   例:家族が○○することに協力してくれない
       → 家族が○○することに協力してくれる
5)専門職として,必要と思われる因子を追加します 
   健康問題に影響を及ぼす生活習慣や環境因子
   生活習慣や保健行動の背景にある準備・強化・実現因子,環境因子
6)各因子間のつながりを確認します
   他の因子とつながりのない因子が見つかった場合には,どの因子と
   つながるのかを検討したり,必要に応じて因子を追加・削除します


 抽出した因子の例  
     1)糖尿病患者からのヒアリング
     
     2)運動を普及させる取り組み



各因子についてアセスメント(事前評価)
 
QOLの指標,健康指標,生活習慣や保健行動,環境因子,準備・強化・実現因子など抽出された
各因子の実態について情報を集めます。

 必要に応じて,実態調査を行うことになりますが,既存の情報を活用することが重要です。
 こうして得られた実態についての情報はベースラインデータになるとともに,取り組む因子を選定
する際の優先順位付けの根拠にもなります。

 また,個別の健康教育においては,個々人のこれらの因子のアセスメントに基づいて,健康教育を
企画することで,効果的な健康教育が可能になります。
 
保健事業第4次計画で導入されるヘルスアセスメント(健康度評価)においても,QOLや
準備・強化・実現因子,環境因子を盛り込んだアセスメントにすることで,より効果的な事業の
展開が可能になると考えます。

効果的なアセスメントのために
1)標準化された設問を用いる
 抽出された因子の実態を把握するための設問をそれぞれの地域でオリジナルに作成することも
必要ですが,他の地域にも共通の因子については,可能な限り既に標準化された設問を用いることを
お勧めします。
 標準化された設問は,質問の表現や選択肢の設定などについて,信頼性や妥当性が
検証されており,既存の研究や大規模な調査(国民栄養調査や国民生活基礎調査等)に用いられて
いることから,他地域との比較も可能という利点もあります。

2)ルーチンワークの中で情報を集める工夫をする

 アセスメントのために,わざわざ実態調査をすることも必要ですが,これでは5年に1回程度の調査に
なってしまいます。これでは,経年的なアセスメントは困難です。
 こうした意味で,健診や健康相談,健康手帳の配布の際など,ルーチンワークの中でアセスメントが
できるように,問診票の工夫などが重要です。


 

取り組むべき(改善すべき)因子の決定

 優先順位は重要度(効果)と改善可能性の2軸で評価されます。すなわち,効果が大きく,実現可能性の
高い生活習慣の改善が最優先ということになります。

 例えば,感染症対策における予防接種をするという保健行動が挙げられますが,生活習慣病対策では,
この象限に入る生活K慣は少ないのが現実でしょう。むしろ,効果は期待できるが,実現可能性が乏しい
ものや,実現可能性は高いが,効果はそれほどでもないものが多いのが現実です。

 ここで重要なのはこれら2つの優先順位です。L.W.Greenは効果は期待できるが,実現可能性が乏しい
ものを優先すべきで,実現性が高くても,効果が期待できないものは「戦略的な場合」にのみ取り組むべき
であるとしています。

 この「戦略的な場合」とは,まず,住民が改善しやすい生活習慣や実行しやすい保健行動から始めて,
徐々に効果が期待できて実行が困難な生活習慣の改善へと取り組みをシフトさせていく「戦略」が明確に
なっている場合という意味です。

 こうした意味では,地域保健活動の現場では,実現しやすいが,効果は対して期待できない生活習慣の
改善をめざして,毎年,同じ事業を繰り返しているのかもしれません。

 場合によっては,右下の象限に分類される,効果も実現可能性も乏しい生活習慣の改善に取り組んでいる
ことも少なくないのではないでしょうか。スクラップ・アンド・ビルドの必要性が叫ばれて久しいが,スクラップ
すべき取り組みをこうした優先順位付けにより,明確にすることも大きな意義があります。

重要度(効果)について
 重要度(効果)は上位項目(行動・環境診断ではQOLや健康指標)との関連性の強さと働きかけを
必要とする対象者の頻度の積で捉えられます。すなわち,QOLや健康指標への影響が大きく,
当該の生活習慣や保健行動の改善が必要な対象者が地域に多いほど,重要度は大きい(改善
できたときの効果が大きい)ということになります。

関連性の強さの評価
 上位の項目との関連性の強さについては,実証的な根拠に基づいて評価するのが基本であり,
複数のコホート研究の結果を分析することにより求めるのが原則です。断面調査である実態調査の
結果から因果関係を論ずるのはバイアスの制御が困難であり,関連性を論ずる際には注意が
必要でしょう。

 もう一つ関連性の強さについて評価する際に,注意しなければならないことがある。
 それは健康指標との関連だけでなく,QOLとの関連をも視野に入れることである。例えば,
糖尿病のコントロールにおいて,HbAlcの値を良好に保つという点から見れば,飲酒は避けたい
ものですが,患者のQOLにとっては,禁酒というわけにはいかないのが現実です。

 このようにある生活習慣が健康指標にとってはマイナスに働き,QOLにはプラスに働くというような
場合に,それをどう評価するのかが問題となります。現実的には,飲酒と糖尿病のコントロールの
関係を患者に十分説明した上で,当事者である患者に,どちらを優先するかを決めてもらうことに
なりますが,健康指標とQOLの両方にとってプラスになるような生活習慣を設定することも必要
でしょう(例えば,ここでは,コントロールがよい場合に限って,1日2単位以内の飲酒をする等)。

頻度について
 対象者の頻度については,ある生活習慣を実践している者の割合が実態調査で明らかになっても,
その割合が多いか少ないかの判断は難しいことが多い。理論的には,好ましい生活習慣については,
100%が理想であり,好ましくない生活習慣については0%が理想ですが,この理想の値と比較して
頻度を議論するのは現実的ではないからです。

 このため,同様な生活習慣の調査を近隣の地域で行ったり,既存の調査(国民栄養調査,
国民生活基礎調査など)から全国の実態についての情報を求めることが必要になります。
 幸い,「健康日本21」の策定の伴い,ベースラインとなる生活習慣のデータが把握されることになり,
頻度については,全国のデータを得やすくなることが期待されます。

実現可能性について
 改善可能性(実現可能性)については,よくデザインされた介入研究の結果をもとに評価されるのが
原則ですが,国内にはこうした研究が少ないのが現状です。

優先順位の決定における住民参加について
住民の参画について
 L.W.Greenは社会診断から教育・組織診断の4つの段階に当事者をはじめとする住民の参画の
重要性を強調していますが,疫学診断以降,特に,こうした優先順位の決定については専門的な
判断の占めるウエイトが多くなり,住民の参画が困難になることを指摘しています。しかし,
優先順位を検討するための実証的な根拠を可能な限り集め,それらを住民代表や関係者に示して
一緒に協議することは重要です。実態調査のための調査票づくりから場合によっては配布と回収
まで住民と一緒に進めていながら,その解釈は専門家まかせというのでは,エンパワーメントも
中途半端なものになりましょう。

 自分達の問題について,自分達で判断できるよう支援することこそ重要と考えます。
 こうした住民代表や関係者とともに協議会などの場で優先順位を決定する場合には上述のような
優先順位を検討するために必要な3つの要因(上位の項目との関連性の強さ,地域における
働きかけが必要な対象者の割合,実現可能性)について,わかりやすく説明した後に,それぞれの
要素について,大か小かを判断してもらうと良いでしょう。

 この場合に,多数決ではなく,皆が納得いくまで議論して決めることがポイントです。
 グループに分かれてこの作業を進めることも良い工夫ですが,進行係はこれらのことを踏まえて,
グループ内の声の大きな人の意見に引っ張られることなく,示された根拠となる情報やデータを
読みとり,可能な限り論理的な議論になるよう配慮することが必要です。

 健康教育の見直し

 糖尿病教室のように現在行っている健康教育の見直しにこのモデルを適用する場合には,
教室の参加者や教育に関わるスタッフからヒアリングを行い,困っていることや気になることは
何か?それがどうなったらいいと考えているかを引き出すところから始めることになります。

 こうして各因子を抽出した後に,実際の参加者を対象に実態調査を行い,抽出された因子が
実際にはどの程度充足されているのかをアセスメントし,集団教育における重点ポイントを絞る
ことが可能です。

 また,事前の状況が数値で把握されていることにより,事後の評価も容易になります。
 しかし,必ずしも実態調査を行う必要はありません。実際に抽出された因子について,
今までの健康教育では誰が,いつ,誰に,どんな機会に,どんな教育媒体を用いて,
どんな内容を伝えていたかをチェックするだけで,教室の中身を見直すことができるからです。

 また,個別教育においては,集団での因子の充足状況より,その人にとって,どの因子が
不足しているかを,教室開始時の問診で把握することにより,より効果的な健康教育が可能なります。

 
表1(糖尿病患者のアセスメントシート)
は当保健所において,糖尿病患者や保健婦,
医師からのヒアリングに基づいて抽出された各因子をもとに作成された糖尿病教室の問診票です。

 設問数が多く,20名以上を対象にした糖尿病教室では最初の問診に時間がかかりすぎるのが難点で,
こうした教室用にはもう少し設問を絞り込んだ問診票の開発が必要でしょう。もちろん,健康相談や
訪問指導など,個別に指導できる場であれば,このままでも十分に活用できると思います。

 現在,保健事業第4次計画において,個別健康教育がクローズアップされていますが,
個々人のヘルスアセスメント項目の中に,準備・強化・実現因子や環境因子は含まれていません
(一部,改善意欲という形で準備因子が含まれている程度)。

 今後,個別健康教育におけるヘルXアセスメントの項目として,これらの因子を盛り込むことが
重要と考えます。

 糖尿病患者用のアセスメントシート(一部) 


 新たな施策の検討
 
 教育・組織診断で選定された実現因子を満たすために,新たな施策が必要となることも少なく
ありません。こうした新たな施策の検討にこのモデルは最適です。欧米では,新規事業はこの
モデルによって企画書が作成されていないと通らないとさえ言われています。上司や財政サイドを
納得させるには,事業によってめざすものが何か,そのことにより地域住民の健康とQOLの向上に
どれだけ寄与できるかが明確になっていることが必要です。更に,優先順位についての実証的な
根拠を示すことができれば,なぜ,この事業を選択したのかを説明することも容易です。

 当該事業の効果や重要性についての根拠を示すことができずに,補助金がある等の実施
しやすさのみで事業が選定されたりしがちですが,こうした弱みを解消することが可能になります。

 大分県佐伯保健所管内の鶴見町では,高齢者の「食」を支える地域づくりをめざして,
このモデルを適用し,高齢者や関係者からのヒアリングに始まり「鶴見町の高齢者の食を考える
検討会」での検討,高齢者全員を対象にした実態調査を経て,新規事業として,巡回歯科相談
事業が始められました。
 また,ケーブルテレビを用いて,高齢者世帯向けの食材宅配システムの
検討が行われています。

 この取り組みの詳細については,文献(藤内修二:PRECEDE-PROCEEDモデルに基づく実践活動
の展開−大分県鶴見町における高齢者の食を支える地域づくり.
(新井宏朋編集「健康福祉の活動モデル」 医学書院、東京、1999.)を ご参照ください。
   参考文献のページへ

 保健計画の策定
 
第4段階までに選定された,QOL指標,健康指標,行動指標,環境指標,学習目標,組織・
資源目標などを整理し,現状の値と将来の目標値を記載し,その目標値達成のための施策に
ついてまとめたものは,事業の企画書というより,保健計画にほかなりません。

 当保健所管内の佐伯市では,栄養改善業務推進計画をこのモデルを用いて策定しましたので,
その経過を簡単に紹介します。

 まず,第1回検討委員会において,グループに分かれて,各委員が感じている地域の食生活の
問題点を,小児期,青壮年期,高齢者の3つの世代ごとに自由に出してもらいました。
 出された意見をモデルを構成する因子に分類した後,実態調査のための質問票を作成,
それぞれの世代をホ象に実態調査を行いました。これらの結果をもとに計画の素案を作成し,
第2回検討委員会で承認してもらいました。

 予算の関係で,検討委員会の開催が少なく,因子の分類や調査票づくりに関係者や
食生活改善推進協議会のような住民組織に参加してもらえなかったのが惜しまれますが,
検討委員会では自分たちの指摘がそのまま計画書に盛り込まれており,参謔キる回数は
少なかったものの,「自分たちの計画」という認識を持ってもらえたのではないでしょうか。
 また,実態調査により,自分たちが考えたことが確認できた(例えば,朝食に蛋白質を
とっていない児童で骨折の既往が有意に多かった)ことにより,取り組みの必要性を関係者で
共有することができたと思われます。

 計画書では食行動についての目標を達成するための条件(準備・強化・実現,環境因子)への
働きかけを「施策の方向」として記載し,その施策の進捗状況をチェック(経過評価)するための
「評価基準」まで記載しています。

 また,当保健所管内の米水津村では「健康文化と快適な暮らしのむら創造プラン」をこのモデルを
用いて策定しました。
 
その詳細については,文献(藤内修二,山田わか子:健康づくりから健康なまちづくりへ
−PRECEDE-PROCEEDモデルに基づく健康文化と快適な暮らしのむら創造プランづくり−
生活教育 44(4):12-21,2000.) を参考にしていただければ,幸いです。
 

佐伯市栄養改善業務推進計画の記載例

項目 現状 目標 達成するための
条件
現在の条件の
充足状況
施策の方向 評価基準
バランスの

取れた

朝食をとる
朝食を毎日
食べる

   78.5%
90.0% バランスのとれた
朝食が必要
だと思う

朝食の準備に
20分程度かける
ことができる

成績よりも
健康や食生活が
大事だと思う
必要と思う児童
     86.1%

必要と思う親
     98.3%

朝食の準備に
20分程度
かけている
     45.8%

そう思う
     95.6%
食生活について
の学習の場を
保育園でも持てる
ようにする

手間をかけずに
短時間で作れる
バランス食の
献立例を紹介する

健康や食生活の
大切さについて
PTAの広報部や
保険給食部等を
通して広くPRする
保育園や学校等

で行う食教育の

実施回数や

参加人数を

把握する
朝から主食・
主菜・副菜が
そろっている

   15.8%
35.0%
骨折したことが
ある

   14.2%
 
朝食にたんぱく質をとってない児童では
骨折の既往が有意に多かった

 協議会の活性化や立ち上げ

 関係機関や団体の代表からなる各種協議会での議論を進める上でも,このモデルは有効です。
協議会において,構成メンバーから出された意見が施策につながったり,関係機関や団体の
活動方針に反映されることが少ないのが現状でしょう。せっかく素晴らしい意見が出ても,
それをまとめ,次のステップに生かすことができずに,毎年同じような意見が出て,
「貴重なご意見ありがとうございます」を繰り返しているのではないでしょうか。
 このモデルを適用することにより,参加者から出された地域の課題を整理し,
必要に応じて実態調査を行い,取り組むべき課題を明確にし,それぞれの機関や
団体の役割を検討するというプロセスを容易に進めることができます。

 大分県佐伯保健所では,平成11年度地域保健推進特別事業として,
「乳幼児と親の健康づくり協議会」を立ち上げ,初年度は5回の協議会を開催しました。
 この協議会には,管内の23保育園(所)の園長,保育士,市町村の教育委員会と
母子保健担当課,育児サークルの代表,児童館,福祉事務所が参加し,
50名を超える大所帯でした。

 第1回協議会では,6グループに分かれて,「子供や子育てのことで気になること」を
出してもらいました。6グループより延べ243項目もの意見が出されました。
 これらの意見をモデルを構成する各因子に分類したところ,行動因子として分類される
問題が15項目抽出されました。更に,これらの生活習慣に影響を及ぼす準備・強化・
実現因子に分類しました。

 第2回協議会では,これらの15項目の問題となる生活習慣や保健行動とその
背景にある要因を,望ましい生活習慣とそれを実現するために必要な条件に
置き換えて,第1回協議会で出された因子以外の条件をグループに分かれて
検討してもらいました。

 第3回協議会ではこれらの生活習慣とその条件について実態を把握するための
調査票のたたき台についての検討を行い,実態調査の方法について検討して
もらいました。幸い,全保育園の協力が得られ,3歳児の両親を対象に実態調査を
行うことになりました。

 対象となった318組の親子から309組の回答が得られました(回収率97.4%)。
 第4回協議会では実態調査の結果を示し,取り組むべき生活習慣についての
優先順位を検討してもらいました。その結果,15の生活習慣のうち,6つが取り組む
べき課題として選定されました。協議会ではこうした優先順位の検討をぞれぞれの
保育園でもできるように,保育園ごとの集計結果を提供しました。

 第5回協議会では,来年度の保育園での取り組みについて具体的に検討しました。
来年度には,モデル保育園を設定し,選定された生活習慣の改善に向けて,どう
取り組むかを保健所をはじめとする関係機関と協議しながら進めることにしています。
こうしたモデル保育園での取り組みについて,来年度の協議会で経過を紹介する
ことにより,他の保育園にも普及を図る予定です。

 事業の評価指標づくり

 事業の評価にもこのモデルはしばしば適用されており,国内においてもエイズ教育の
評価に適用された事例,乳幼児の発達教室の評価に適用された事例,
地域栄養活動の評価に適用された事例などが挙げられます。

 特に,地域栄養活動の評価に関する研究は保健所の6つの地域栄養活動についての
評価表をこのモデルに基づいて再編したもので,関係者から高い評価を得ています。

 栄養活動により,対象者のQOLや健康指標,食環境,喫食者や調理担当者の意識や
行動は改善したのか,といった結果評価や影響評価の評価項目だけでなく,経過評価に
あたる評価項目をきめ細かに抽出しており,これらの評価指標をセルフチェックすることに
より,効果的な栄養活動ができるマニュアルと呼べる評価表が作成されています。
 詳細は,下記のメールへお問い合わせください。
 
     tanaka3@olive.ocn.ne.jp (埼玉県健康づくり支援課 田中久子)

 結果評価や影響評価の重要性は言うまでもありませんが,経過評価がきめ細かに
できていなければ,事業の効果は期待できません。数年後の結果評価や影響評価で
「目標値は達成できませんでした」で済まされるようなら,何のための事業でしょうか。

こうした意味で,経過評価の評価項目についての知見の集積は非常に重要と考えられます。
 また,結果評価や影響評価の項目についても,3年後や5年後に実態調査で評価
しましょうと言うのではなく,事業の中で評価のための情報が集められる仕組みを検討
することが不可欠です。

 1年目,2年目の行動指標や健康指標が順調に改善しているか,このまま推移して
5年目の目標値が達成できるのかを判断し,必要に応じて取り組みの強化を行ったり,
軌道修正することが必要だからです。
    

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