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ブーレーズ:ソナチネ

Pierre Boulez:Sonatine pour flute et piano

データ作成者:ぴっころ
データ形式:MP3
制作日:2004年2月

ピエール・ブーレーズはパリ音楽院でオリヴィエ・メシアンのクラスでその鋭い分析で頭角を現し、音楽と数学との関連性を意識した実験的作品を作曲して現代音楽の牽引者として、また指揮者としても大変活躍していることはご存じの方も多いと思います。

彼の作品は全部で40曲ほどしか無いのですが、改作を重ねてどれも完成度が非常に高いと言われいてます。このフルートとピアノのためのソナチネは、1946年の作で、ブーレーズ最初期の作。まぁいろいろ難しい解説をすると、ちょっと引いてしまうかもしれないので、まずは聴いてみてください。なんだか訳がわからない、とか適当にフルートとピアノを滅茶苦茶弾いているんじゃないかって思うかもしれません(^_^;)。でもこの曲の楽譜は、まるでバッハの譜面のように厳格に一音たりとも疎かにされず書かれています。それは、それまでとは違った新しい音楽を産み出そうと求めている姿とでもいいましょうか。聴いて拒否反応を示す方もいるかもしれませんが、まずは今までの先入観をとっぱらって虚心になって聴いてみて下さい。そこには日頃聴かれている音楽には無い、不思議な響きやもの凄く変化に富んだリズム、そして強弱の急激な変化やフルートとピアノの右手・左手が奏でるそれぞれが不思議な、しかし魅力的な遠近感、対位法となって聞こえてこないでしょうか?

この不思議な感じはどこからきているかというと、まずそれまでの西洋音楽というのはハ長調とかト短調とか、調というのが基本にあって、それに従った和声進行こそが音楽の基本だったのですが、20世紀になってシェーンベルクやウェーベルンが半音階の12の音すべてを均等に扱って、調性を感じさせないと言う新しい音楽システムで作品を書き始めました。それが12音主義(セリー)と言われるものですが、この曲もその方法を取っています。(楽曲の構成もシェーンベルクの室内交響曲を下敷きにしていると言われいます。)ブーレーズや師のメシアンらはそれをさらに押し進めて、リズムや強弱、アタックや音色にまである規則を当てはめるというトータルセリーの手法を使い始めます。私達が日頃聴いている音楽のほとんどが調性音楽ですから、いきなりこういう作品を聴くと戸惑うかもしれません。しかしどっぷりと調性音楽に浸っている日常のなかで、私はふとこういう作品を聴きたくなったりします。調のある音楽というのは、ある意味で大いなるマンネリズムでもある訳で、時にそこから飛び出して聴いたり弾いたりしたくなるんですが、皆さん、どうでしょう?ほとんど1小節ずつ拍子が変わり、また一つの旋律が長く続くということは無く、2個から数個の音からなる小さな動機が、まるでジグソーパズルのように組み込まれ、その一つの小さなユニットの強弱がフォルテ、その次がメゾピアノ、その次がピアニッシモ、その次がフォルテッシモ・・・・という具合に極端に急激な変化を伴いながら連なっていきます。そしてそれらの小さな動機群は独自に絡み合い発展・変容しながら音楽が進んで行くのです。

ブーレーズやこの頃の作曲家達は新しい音楽の語法を求めて様々な試みを始めていました。こういった20世紀初頭から第2次大戦後しばらくまでの音楽の世界は、新しいダイナミックな冒険に満ちていて、それらは今聴いても新鮮かつその時代の強いエネルギーを感じることができると思っています。

こういう作品を実際に演奏するのは本当に困難です。実は私もこの曲を演奏してみようと思ったのですが、ピアニストから拒否されました(^^;)。確かにこういった作品は、どこか非人間的な、機械的な技術を要するので、演奏は非常に困難です。逆に、こういった作品こそコンピューターで演奏するとよりその曲の持ち味が生かせるのではないかと思います。特にフルートのダイナミックレンジはそれほど広くないので、ブーレーズが細かく書いた強弱の素速い変化を実演で表現するのは殆ど不可能ですが、MIDIならば非人間的な技も、また複雑なアンサンブルも楽々こなせます(とはいっても、あまりの複雑さにフルートとピアノの作品にもかかわらず制作に非常な時間がかかりました。)私は今までこの曲は何度聴いてもつかみ所がなかったのですが、制作してみてはじめてその緻密さ、そして面白さがわかるようになりました。それは一つには作曲者が書いた極端に変化するダイナミックスやリズムを忠実に再現してこそ初めてその面白さがわかるからなのではと思います。

ということで、いかがでしょう、ちょっと怖いものを聴くつもりでトライしてみて下さい。

なお、ミュージック・Eクラブの一度にアップロードできる容量の関係で、前半と後半の2つに分けています。

MUSIC E-CLUBさんで聴くことができます。
ストリーム再生のためにソフトのダウンロードが必要です。
サイトの案内に従ってダウンロードしてからお聴き下さい。

こちらから聞けます

前半

後半

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ブーレーズのソナチネのCD

ブレーズ:作品集

ブーレーズと関連の深い、パリ音楽院のフルート教授、ソフィー・シェリエによる素晴らしいCD。実演でも聴きましたが、繊細さとパワフルな音楽性を合わせ持った理想的な演奏。




Boulez & Dutilleux: Sonatines for flute




The Now and Present Flute














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