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![]() ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第9番、10番 (スメタナ弦楽四重奏団)
![]() ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第9番、11番 (アルハン・ベルク弦楽四重奏団)
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![]() ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番〜9番スコア
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弦楽四重奏というジャンルは、4つの声部という、作曲の最も基本的なスタイルなだけあって、多くの作曲家が非常に力を入れている分野。その中でも最高峰とされるのがベートーヴェンの16曲の弦楽四重奏曲。古典派から始まった弦楽四重奏の歴史はベートーヴェンで一つの頂点まで達したと言って良いでしょう。ベートーヴェン以後の作曲家は、いかにベートーヴェンを越えるか、ということを念頭に書いているようなフシもあります。それは交響曲の歴史とも似ていますね。 その中でもラズモフスキー伯に捧げられたことでその名前が冠されたこの中期の四重奏シリーズは、ベートーヴェンの最も脂の乗った時期の作品。ピアノ協奏曲4番、ヴァイオリン協奏曲、この後には「運命」「田園」のシンフォニーなどが書かれていて、まさに充実の時期。そしてこの作品以後、ベートーヴェンは四重奏からやや離れて行くことになります。 よく、むかし小学校なんかでは、とにかくベートーヴェンってのは「えらいひとっ」っていうイメージを植え付けられましたよね。でもよく考えてみると、何が偉かったんだろう・・・エジソンや野口英世みたいに、世の中に役立つことをした訳でもないし・・・ この弦楽四重奏曲の中に、その答えがあるかもしれないな、とふと作りながら思いました。第1楽章の冒頭は不協和音から始まる序奏。それは人なら誰でも心の中に抱く、どこからかくる不安定感、不安感とでもいいましょうか・・・そしておずおずと始まるかのような主部の速い部分。付点を交えて広い分散和音のヴァイオリンのソロから、ついにはハ長調の純粋で力強い和音の爆発とともに、生き生きとした主題が奏される。それは、漠とした不安をなんとか乗り越えて、とにかく前向きに生きよう、そんな強いメッセージがあるように感じます。この曲で特徴的なのが、弱拍に置かれる強いスフォルツァンド。非常に不自然に感じるリズムなのですが、これが何か、心の中にある迷いとか不安を無理にでも乗り越えたい、力づくでも生きてやる、そんな力を感じさせるのです。そして展開部は様々な葛藤を表すかのように対位法を駆使しながら「闘う」ように展開していきます。心に迷いや弱さが出たとき、この曲のこの楽章は、やはり苦しんで生きたに違いないベートーヴェンの闘いに聞き手を重ね合わさせて、そして力を与えてくれる。これはやはり「えらいひと」にしか出来ない、偉大な技なのだなと強く感じました。 終楽章は実に生き生きとした、スピード感あるフーガとソナタ形式が融合された作品です。スコアにはテンポの指示としてメートロノームが全音符84(二分音符168)でとあります。これはかなり速いテンポ。ベートーヴェンはだいたいちょっと普通よりも速いテンポを指示することが多いのですが、この曲も例にもれていません。ほとんどの実演はこのテンポでは演奏しない(あるいは演奏できない)と思いますが、ここはDTMですから、ちょっと実験的に指示通りのテンポを貫き通してみました。ベートーヴェンはちょっと狂気じみた人だったように感じますが、そんな常識を外れたようなところが、この速さで演奏するとわかるような・・・あまりにも気性が激しくて、近づきがたいとでもいうべきか・・・。息をつく間もないほどのパッセージが続きますが、しかしこのスピード感は快感かもしれません。 作っていて、この曲の端々に、交響曲的なパッセージがちりばめられていることにも気が付きました。たった4人でフルオーケストラで演奏されるシンフォニーにも匹敵するようなパワーを持っている、それがこの作品であると思います。 最近この曲の実演を聴きました。アマチュアの演奏ながら、なんていう力にあふれた音楽なんだろうと妙に感動してしまって、それからこの曲を打ち込みたくなって少し暖めていたのを一気に作ってしまいました。作曲者のメッセージが少しでも伝われば嬉しく思います。 |
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