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イース・オリジン 評価
*ジャンル:アクションRPG
2006/12/21発売の「限定特典版」を使用しており、大部分は修正パッチなしでのプレイに基づいて記載しています。なお、サポートプログラム1.0.0.3を適用してみましたが、解像度設定以外には特に気付くような違いを感じませんでした。
プレイ環境
東芝 dynabook Satellite AW6(ノート) CPUCore2 Duo T7200(2.13GHz) メモリ 2GB(PC2-4200
DDR2 SDRAM)
GeForce Go 7600 (256MB) WIN XP Home DirectX 9.0c
ここのところ2機種以上でプレイしたことが多かったのですが、このゲームについては特にトラブルやパフォーマンス上の問題もなく上記機種で快適にプレイできたため、1機種でのレポートとなります。
どんな感じ?
これの前に出た「フェルガナの誓い」については「イース6に乗っかったイース3」という感じを受けたものでした。これに対してオリジンは1,2の系統という色合いが強いものとなっています。舞台となるのはごく一部のイベントを除いては巨大の塔の中となります。塔の中にいろいろなエリアがあって(砂漠があったり水中エリアがあったりもしますし)やってみると閉塞感は感じないのですが、イース6やフェルガナの後だけに野山や海岸を探索したり、町や村を訪れたりというような要素がないのをさびしく感じるプレイヤーも出てくるかもしれません。
この塔はイース1の後半の舞台となるところですし、敵やNPC、ストーリーなどについてもイース1や2と密接に関わっています。音楽なども含めイースの1や2のオマージュに満ちあふれた作品です。これら過去作をやっていないと、ただ単に話が分かりにくくなるのみでなく、実質的な面でも不利になります。イースシリーズをやるのはこれが初めて、というのはおすすめできません。
アクション性は結構高い方ですし、障害物を避けてのジャンプなど戦闘以外の面で難しいところもありますが、イース6やフェルガナよりは取り組みやすくなっている面はいろいろあります。また、キーボードでもさほどひっかかるところなくプレイできました。多分パッドの方がやりやすいのかもしれませんが(戦闘が続いた後など、「連射機能」付きとかだったらそりゃ楽だろうなとか思ったことはありました)。
以下、()内は詳細に書いている項目です。
○いいところ
・イース1〜3に通じる悲しい独特の雰囲気(ストーリー、グラフィックとサウンド)
・緊張感があって小気味のいい戦闘(システム、ゲームバランス)
・戦闘が難しいところもレベルアップや装備改善で乗り切りやすい(ゲームバランス)
・キーボードプレイでも最後までやれる(操作性)
△評価が分かれそうなところ
・塔の中だけでも単調ではないが、いろいろな所を探索できる過去作とは異なる(システム、ストーリーなど)
・過去作とのからみが強く、知っている人には懐かしいが知らない人はなじみにくそう(ストーリーなど、ゲームバランス)
・ザコ戦はそこそこだが、ボス戦は「やり方」をつかまないと勝てない難易度(ゲームバランス)
・ジャンプアクションや、マップの見極めなどがかなり困難なところはある(ゲームバランス)
・定点セーブ制(システム、ゲームバランス)
・2人のキャラ+その後で異なる風味を楽しめるが、全部やって一つのゲームという面も(システム、ストーリーなど)
×ちょっとね、というところ
・やや分かりにくく、慣れても煩雑さを感じるメニュー操作(操作性)
・ログ機能やマップ機能などがなく、目的や場所の把握は自己管理あるのみ(システム)
システムなど
- マイキャラとして使用できるのは当初二人で、キャラと難易度を選んだなら進行はほぼ一本道です。必須ではないクエストやイベントはほぼなく、自由度といえるようなものは成長や戦法に関して少しある程度です。なお、このイースはアドル君の冒険ではなく、アドルが活躍した時代から見ると昔のことを描くゲームとなっています。
- 当初から使える二人のキャラ、ユニカとユーゴは攻撃方法やスキルが異なりますし、どちらが主人公となるかで物語の流れが若干異なります。また、マニュアルや公式サイトにも記載がありますが、二人のキャラでクリアすると第三のキャラを使えるようになります。物語の流れなどについてはストーリーの項でもう少し書きますが、この三人分で一つのゲームであり、三人分をプレイしないとゲームの真価は分からないという面は強く感じられました。
- 「どんな感じ」でも書いているように、ゲームの大部分は(プレイヤーが操作できる部分については全てが)一つの塔の中が舞台となります。塔の中には水っぽい領域や炎っぽい領域などがあり、それぞれに雰囲気も敵も仕掛けもあって特徴が出ています。ですから閉塞的な気分になることはないのですが、ナピシュテムやフェルガナのように海や山や遺跡を探索したり、町や村があったりという多様性はありません。
- ゲーム中で拠点になるのは「女神像」で、セーブポイントでも回復ポイントでもある他、「加護を受ける」ということでキャラ強化もできます。「加護」のためにはSP(霊力の欠片)というものが必要になり、これは戦闘で倒した敵が落としたものを拾う、というのが主な入手手段となります。
このゲーム中にはショップのようなものはなく、武器は強化するのみ、防具は宝箱からの入手によるのですが、ある意味SPは金的な存在ともいえそうです。
- 前項で分かるかとは思いますがセーブは定点でしかできません。ロードの方は開始時以外、ゲーム中でもメニューを呼び出せる場合であれば(イベント進行中とかでなければ)メニューから「ロード」を選び、以前にセーブしたところからやり直すことができます。ただしボス戦中はメニューを呼び出すことができず、ロードも終了もできません。緊急避難的にはAlt+F4に頼る(マニュアルにも記載あり)ことになります。
ところで、マニュアルのキーボード操作表などでは緊急避難でなくてもゲーム中に終了したい場合にはAlt+F4がたてまえのような書き方をしていますが、望ましくはオプション中にあるゲーム終了からというのに触れておいてもいいのではないかとは思いました。(何か強制終了っぽいからという気分的なものと、このゲームでAlt+F4終了に慣れて、他のアプリケーションでの強制終了を怖がらなくなるのもちょっとなあという教育的な見地からで、実質的には問題はないだろうとは思いますが。)
- フェルガナなどと同様に回復アイテムを持ち歩いて自由に使用というようなことはなく、回復アイテムや能力一時アップのアイテムは敵が落とすもので、敵を倒してからしばらくの間しか利用可能ではありません。また、治療系の魔法のようなものもなく、回復は主として女神像に行くか敵のドロップアイテムかということになります。(塔の外周通路ではじわっと回復できますが、女神像はアイテムですぐに行けますが外周通路はそうではないので利用頻度は小さくなります。また、じっとしていれば回復できる装備品はありますが、入手は中盤のことになります。)敵からのドロップは欲しいときに出るというものではなく、それだけに出たら嬉しかったりとなかなか緊張感に貢献する設定でした。なお以上のことはHP(ヒットポイント)についての話でして、スキル使用やブースト(一時強化)のためのポイントについてはじわじわと経時的に回復するものになります。
- 敵については同一マップ内にいる間は再生がなく、他のマップに移動してから戻ったなら完全再生という面クリア的な設定です。ただし、ボスや一部の敵は再生しません。一方、HPがゼロになるとゲームオーバーですが、すぐに「再開」か「タイトル画面に戻る」かを選ぶことになります。「再開」はボス戦だと最初からになりますが、ザコ戦やトラップなどでやられた場合には最後に立ち寄った女神像からということになります。
- ボス戦についてはかなりザコ戦とは異なる扱いとなっています。まずザコがいる所ではメニューを出すことができるので、女神像へのワープで逃げたり、ロードをしたりが可能ですがボス戦中はできません。死んでからタイトル画面に戻ってロードしてやり直すか、Alt+F4で強制的に終わらせてやり直すかということになります。まあスキル切り替えは容易ですし、装備品については戦闘突入前に確認しておくべきことになるので、メニューを使えないこと自体がそう問題に思えることではありません。
- 二人のキャラですが、ユニカは斧使用(話が進むと剣を使うこともありますが)で近接攻撃(説明には中距離とか書かれていますが、近接と思っておいていいでしょう)、ユーゴは杖使用で光弾を飛ばす遠隔攻撃のキャラです。
方向指定とうまく合わせると特殊攻撃ができ、防御低下とかスタンのおまけがついたりもします。また、スキルは話を進めて必要なアイテムを入手した後に、アイテムに応じて風、雷、炎の属性のものが使用できるようになりますが、同じ属性のものでもキャラによってどんなスキルになるかは異なります。また敵との相性が出る場合もありますし、仕掛けの操作にスキルを要する場合もあります。
- 移動のみならず攻撃にもからむジャンプアクションも過去作同様にありますし、バリエーションもありますし、使いこなしが必須にもなります。結構難しいアクションを要求されることもありますが、そのあたりは難易度の項で。
- 新しい要素に出会った際にはチュートリアル機能というか、ゲーム内マニュアルが表示されますし、このゲーム内マニュアルはメニューを表示させられる段階であれば(イベントやボス戦以外ならほぼいつでも)見ることができます。
しかし、ログ機能とかマップ機能とかは一切ありません。一本道的に進んでいくだけなのでそう困ることはないのですが、中断した場合などには再開後に何をどうしようとしていたんだっけ?とか思うことがあります。またロード後は必ず女神像のところにいるわけなのですが、中断後で記憶薄れアンド勘が働かないような場合、どっちに行ったらいいのか分からない場合もあります。
加えて、同じ領域の中は結構景色などが似ていて分岐潰しや、何らかの事情で戻った後の探索し直しなどの場合にも結構迷いがちです。(迷っているうちにもレベルアップしたりすることもありますが。)イース1のオマージュに満ちあふれたゲームですしイースにマップなんて、ということかもしれませんが最小限のマップ機能ぐらいはあっても良かったのではという気もします。
- お遊び要素も少ないです、というかほとんどありません。モンスター図鑑ぐらいはあっても良かったかなという気はしますが。
操作性など
- 私はほとんどキーボード操作で進めたものでして、しかもノートPCでテンキーがなく斜め移動をしないという条件でやりました。斜めが使えようが使えなかろうが戦闘では相手の攻撃を避けて動き回り、隙を見て攻撃というのが必要になることもありまして、ほとんど縦横四方移動(プラス縦横同時押しの疑似斜め移動)で何とかなり、ハードモードでも十分進行可能です。まあ、移動はほぼ問題なしですが戦闘では斜めに攻撃できたらもっと楽かなと思ったこともあったので、あまりいい条件ではなかったはずです。ただ、この条件でも結構できると思ったのは、古き良き2Dの伝統がなんとなく生きているゲーム性によるところも大きかったような気もします。また、イース6の特殊なジャンプやぐるみんの必殺技のように、パッドでは比較的容易なのにキーボードでは悲しいほど困難というような操作がなかったのは助かりました。
- 古いゲームをなぞっているからという要因があるのかもしれませんが、メニューから必要な項目を選んだり決定したりの際の操作はやや煩雑に感じられました。またインベントリに含まれるアイテムの中には装備品的な扱い(選択している間は効力を発揮する)のものがあったりして、このあたり若干の分かりにくさや混乱の元(あれはどこにあったっけ?のような)がありました。
- 技の出し方などはイース6等よりはやりやすくなっていましたが、例えば特殊攻撃の方向指定→ニュートラルの操作やダッシュの方向2回押しなどは案外思い通りにやれないなという印象でした。どうも「ニュートラル」とか方向指定がからむと若干微妙になるようです。
- NPCと会話する場合や、女神像を使いたい場合など、ちょっと当たりの方向が悪いとリアクションがなかったりしますし、その「当たりの方向」がなかなか分かりにくいところはあります。あまり当たり範囲を緩くして、通過がしづらくなっても困るでしょうが…ただし、鍵の必要な扉はほぼ全て正面衝突で紛れにくくなっていましたし、女神像も回復だけなら接近しただけでOKという親切な面もありました。また、会話、セーブ、加護などについては敵がいるところで焦ってやるものではないので、そう苛立つこともなかったですし。
- 前述のようにノートPCでやっていて斜め不使用というのが影響しているかもしれませんし、3Dゲーム(特に俯瞰タイプの画面)に共通する問題点ですが、縦横の筋が見定めにくく攻撃やジャンプでの失敗につながりやすいというのはありました。
- 戦闘中の操作について前述の問題に加えて、飛行タイプの敵に対して狙いを定めにくくて厄介に感じるところはありました。奥行きの軸についての位置関係がどうも画面で視認しづらく、影を見て合わせたのでは遅れをとりがちになるし、行動パターンが分からないので先読みも効きにくいというような相手がいたのがつらいところです。ほとんどはスキルの使用で何とかなるのがまあ救いではありましたが。
- 若干細かいところにはなりますが起動から本格的ゲームをするまでの段階が少し気になりました。これの前に発売された幻想三国誌2でも同様でしたが起動直後のロゴマークがどうもスキップはできないようです。またその後スタートメニューに至るまでの画面はマウスクリック以外ではスキップできないようでした。さらに、キャラと難易度を選んで開始した場合のオープニングもスキップできないようでした(これはかなり長いです)。ロゴマークは短いですがプレイする度に出会いますし、新規開始後はしょっちゅう見るものではないとはいえ、キャラを変えてプレイしないと全体像が見えない作りだし長いものだけに、二度目三度目はスキップさせてくれてもなあ、とか思ってしまいます。(何か見落としているかもしれませんし、パッチ適用やバージョン等によって異なってくるかもしれません。)
グラフィック、サウンド
- ゲームとは別個に設定プログラムがあり、細かい設定はそちらでできます。もしも表示上の不調などが見られた場合にもいろいろ対応を試せそうなのはいいことです。
- 6やフェルガナに比べて、リアルというよりは絵画的・幻想的なもの志向しているようです。おそらく1へのオマージュにあふれたこのゲームの雰囲気に合わせて、そのような作風を採用したのだろうと思います。そのためか、6やフェルガナのようにぱっと目につくとか、思わず見入ってしまうようなところはなかったのですが、それらで感じた「伝統的なチビキャラ」や「吹き出しに汗とか!の演出」と背景などの間の違和感は、これについては持たずにすみました。派手さや目立ったところはないですが、塔内の光景は領域ごとのテーマとマッチしてよく作られていますし、敵モンスターも小憎らしくていい動きを見せてくれています。
- 人物画の雰囲気が過去作とかなり変わっています。時代が異なるということがあるので、過去作とのギャップはあまり感じませんが、今までのイメージを持ったまま取り組むとあれ?ということになるかもしれません。セリフの内容と合わせて表情の変わる顔などは良い味を出していました。
- 過去作3Dもので気になったのが、ジャンプした先などで時々発生したのする「地面にめり込む」現象でしたが、このオリジンでもジャンプ先とかものが飛んでくるような場合とかたまに変な重なり方をしてしまうことはあります。が、位置情報はきちっとしているのか、その後の動きに差し障るなどの実害はなかったので、プレイ中に特に気になるものではなかったです。
- サウンドですが、BGMとか宝箱を開けたときなどの短い音楽とかイース1のものを下敷きにしているのが多かったです。マップやモンスターと併せて、経験者には大変懐かしくなります。経験者以外(正直なところおすすめしにくい面もいろいろあるのですが)にも悪くないとは思いますが、今の世の中ですといささか古風な感じは否めないところかもしれません。
- これは過去作からそうなのですが、登場するキャラについて声の演出は一切なく、ひたすらプレイヤーがセリフを読むのみとなります。(過去作と異なり、主人公はアドルではないので、会話などもしますし内面を独白で語ったりもします。)声のあるゲームに慣れたプレイヤーだとさびしく思われるかもしれませんが、私は別にかまわないと思います。
ゲームバランスなど
- 新規にゲームを開始する際にはキャラを選択した後、イージー、ノーマル、ハードから難易度かを選択することになります。難易度が上がるとボス・ザコともタフになりますし攻撃力も大きくなり、ちょっとしたミスも命取りにつながりやすくなります。しかし、敵の行動パターンや攻撃方法が根本的に異なるということはありません。(弾数が増えるとか行動が速くなるとかはありますが。)
- ザコ戦についてはイージーだと慎重に進まねばならない段階は相当に短く、大部分はバサバサと倒しながら進めるでしょう。爽快感を味わいたいならイージーにするのがいいと思います。ノーマル以上だとなかなか一撃で一体倒すようになれません。
ノーマル→ハードと難しい方にシフトすると、慎重に進まねばならない段階が長くなりますし、力押しはしにくくスキルなどしっかり使ってやらないといけないということになります。ただしマップは同一ですし、トラップや仕掛けについてもハードだから難しくなるとかはないように思いました。逆に言えばジャンプなどが難しいところはイージーでも難しいとも言えるわけです。
- ボス戦については、過去作の大部分と同様にやり方(敵がどんなことをしている際には回避専念をすべきか、どうなったら攻撃をするべきか、また有効な回避・攻撃法はなど)が分からないとどうにもならないという要因が非常に大きいですし、やり方はやられながら学ぶ、どうかすると何度もやり直しながら学ぶということになります。これはどの難易度でも共通することになり、イージーだからガンガン攻撃していけば大丈夫というものではありません。ただし、難易度が上がるほど攻撃が厳しくなったり、行動サイクルが速くなったりとかはありますから、より慎重に巧妙に動くか、レベルアップや加護などで基礎力をアップするかは必要になります。
- ザコ戦、ボス戦ともレベルアップするなり、女神像で加護を受けるなりすれば進めやすく・勝ちやすくなります。やり方は分かったがどうもやられるというような場合には有効ですし、やり方も分からないままやられる場合にもとりあえず強化してみれば方策が見えてくることでしょう。
(なお、装備品改善による恩恵もかなり大きいので、ボス戦でめちゃくちゃにやられるなんて場合には装備品のとりこぼしや改善のし忘れなどがないかチェックしてみる必要もあります。またザコ戦は装備改善ができるまでは我慢、できたら結構楽という段階の繰り返しになります。)
- 女神像は要所要所にありますし、当初より所持することになるアイテムを使えばすぐに像のところにはワープできます。またボス戦の手前には大体像が配置されていますし、少し戻るとレベルアップに適したザコがうじゃうじゃいる場所があります。さらにザコを叩けばSPが得られ、これがたまれば加護を受けることでキャラ強化ができます。これらの要因により、少々苦戦する場合でもザコ叩きで強化して乗り切るのが苦ではなく、全体的によく配慮されていると思いました。
- オリジン特有の要素として、キャラの選択というものがあります。選択時の説明書きにはユーゴ→初心者用、ユニカ→中級者用(第三のキャラは当初は選べません)となっていますが、これはちょっと微妙かもしれません。総合的に見ればユーゴの方が進めやすいところが多いかなとは思いますが、探索対象のマップや敵との相性もありますし一概に言いにくいものを感じました。多分どちらを先に使ったかなどでも印象が違ってきてしまうかもしれません。まあどちらでやっても、というところに落ち着いてはしまいそうですが、説明書きには若干疑問が残りました。
- ジャンプアクションなどが難しいところはいくつもあります。ただし過去作にあったようなジャンプアクションと向こうにいる敵を両方気にしなくてはならないというようなところはほぼなく、落ち着いてゆっくり対処でき、やり直しているうちにうまくいくようになりやすいと思います。
- 定点セーブ制ですが、このタイプがあまり好きでない私にとってもおおむね悪くないと思えました。前述のように像の配置とか、一発帰還アイテムの存在があり、ザコ戦があるエリアの突破がさほどの苦痛にはならないので。
- 謎解き的な面では特に難しいというようなことはないものの、何かを見落として行き詰まったように感じる、というのは結構起こりやすいかもしれません。いくつもの似たようなマップがつながっていますし、ちょっと変わっているところを見落とすと先に進めなくなるというような所があちこちにあるからです。
- 一つ気になるのはイース1経験者とそうでない人とでは懐かしさの要素の有無のみならず、難易度的な面でも差が出てしまいそうなことです。イース1を下敷きにした仕掛けとか敵に出会うことは結構多く、経験者でしっかり覚えている人ならもちろん、うろ覚えの場合であっても「やりながら学ぶ」の容易さがかなり違ってくると思うからです。
- 一応このゲームのために書き添えておくと、イース1を下敷きにした部分についても3Dなりのものとかこのゲームの設定によるものとかアレンジなり付加要素なりは加えられており、「まんま」と思える部分はほぼなかったです。
ストーリー、キャラ
- このオリジンは、おそらくイースシリーズの中では最もストーリー面で凝ったものだと言えるでしょう。ただし、前にも書いていますが三人分プレイしてはじめて一つのゲームをやったと言えるようなものですし、第三のキャラが実はキーマンであり、このキャラでプレイをしてクリアに至らないと全体像のみならず本質的なところも見えてこないということになっています。
だからこそこの第三のキャラは当初から使用可能な二人でクリアしないと使えないようにしていたのかとは思いますが、趣の異なる二人でクリアした後だけに、この第三のキャラは単なるおまけか視点の相違だけかとか思ってしまうと、かなり損をしてしまうことになるでしょう。私自身「おまけっぽいな、もういいかな?」とか思っただけにやらずじまいになってしまう人も出てくるのでは?とちょっと気になるところでもあります。
- 舞台はほぼ塔だけですし、敵味方しか人はいませんし、お遊び要素もないですが人間関係(女神なんかもいますが)はいろいろありますし、それらがしっかりきっちり描かれていたのは好感を持てました。主人公二人以外のキャラは、どのキャラを使っているかによって態度や会話が変わりますし、大筋では一致しているものの(ああ、あっちのキャラでやったときあんなことがあったなあ、などと思います)、若干ストーリーが違うこともあります。このあたりの解釈は正伝と外伝のようなことになるのか、平行宇宙や平行時空のようなifもの(もしあの人があそこでああしていたら)になるのか、そこらは明示されてはいません。
しかし、当初から使える二人のキャラについてのストーリーは一応起伏もあり、完結もしているものの若干物足りないところや説明されない点が残るようになります。繰り返しますが第三のキャラでプレイしてこそのオリジンとは言ってもいいものと思います。
- イースの過去作について、ストーリー面は一応起伏もありますし、探索の道筋に沿ってもいましたが、いくらか表面的なものやパターン的なものを感じるところはありました。このオリジンについても当初から使える二人のキャラでプレイしている分には同様なものを感じました。しかし第三のキャラまでやってみると前述のようにストーリー面で凝ったものという印象も持ちましたし、過去作との整合性という枠のなかで実に良く人間関係を描いたものだと感心しました。全部を見たならという条件付きで、ストーリーについては高く評価したいと思います。
総合的にみて
あちこちで触れているようにイース1との関わりはとても深いです。またイース1は2と併せて初めて完結するゲームとも言えますから、このゲームについてはイースの1と2をやっていることが条件とは言いませんが、強くおすすめです。
アクション性は結構強いですが、スキルの使いこなしとか敵の行動の見極めなど考えなくてはならない要素も多分にあり、単に反射神経だけで避けて攻撃してというものでもありません。また、少々反射神経的なものがついていかない場合でも、レベルアップなどのキャラ強化で対応できる面もありますし、いろいろと遊びやすく配慮されてもいます。
イース1・2の経験者であり、イース伝統のアクションものが好きなら楽しめるゲームでしょう。あとあえていえば「世界の広がりよりも緻密な人間関係と歴史物語ということでもいいなら」というのがあるんですが、前の方の条件に合っていればここは自然に引っ張られて楽しめるかと思います。
あくまでも、私の個人的な感想に基づく評価です。