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ザ・テンプル・オブ・エレメンタル・エヴィル
The Temple of Elemetal Evil 評価
*ジャンル:ファンタジーRPG(Dungeons & Dragons 3.5E 準拠)
プレイ環境
東芝 DynaBook G8/U25PDDW (ノート) CPU P4 2.50GHz-M メモリ 1024MB(増設:DDR
SDRAM)
GeForce4
FX Go 5600(64MB) WIN XP Pro DirectX
9.0b
HDDをHDN-60DS(ディスク回転速度7,200rpm)に換装、元のドライブは4,200rpmだったはずで読み書きは高速化していると思われます。
どんな感じ?
詳細な解説は()内の項目に
いいところ
・画像、音、雰囲気が非常に良い(グラフィックやサウンドなど)
・戦略と運不運が絶妙にからみあった戦闘(システム、ゲームバランス)
・パーティメンバー全員キャラメイク+NPCを入れる、の両方が楽しめる(システム)
・善悪いろいろと行動することができ、進行やエンディングが変化する(システム、ストーリー)
イマイチなところ
・行動や選択と評判や進行との関係が分かりにくい(ストーリー)
・クエストに関連性があったり、解決に至る行動の自由はあるのだが、スッキリしない所が残る印象(ストーリー)
・メニュー表示、セーブロードなどが遅く、しかも処理中の表示がない(操作性)
かんべんしてよ、なところ
・移動で時々おかしなことになり、予測のしづらさも加わってストレスがたまる(操作性)
・指示のし直しがほとんどできず、中止ボタンなどもない(操作性)
・複雑な設定に加えて不具合(もどき)現象が多発、何ができて何ができないのか非常に分かりにくい(不具合?)
・訳語の不統一や誤訳がかなり目に付く(ローカライズ)
システムなど
- PC(プレイヤーのキャラクタ)であるパーティメンバーはキャラメイクするか、またはセットされたキャラから選択することになります。キャラメイクの際の能力値設定ではひたすらサイコロをふり直していい目が出るのを待つ方法と、基本値に対して与えられたポイントを割り振っていく方法とのどちらかを選択することになり、前者は後者よりも能力値の高いキャラを作ることができますが、そのために粘って何度もやり直すと「再ロール」の回数がずっとステータスに表示されます。ちょっと意地悪くも感じますが、まあこんなのは受け取り方次第で、自分がよく粘ったんだと好意的に解釈して見ておけばすむってことですか。
- パーティにはキャラメイクしたキャラを5人まで入れることができ、さらにあちこちにいるNPCを3人まで入れることができます。NPCはクラスや能力がさまざまですし、パーティーに誘える条件や雇用契約内容(金の一部とか、アイテムの一部とかがNPCのものになるなど)、契約解消の条件とかもいろいろです。
そこらは面白いのですが、BGなどと異なりNPCはかなりPCと異なる存在で、このことでプレイヤーがとまどったり厄介に思ったりすることは結構発生します。
まず、NPCの能力値などは隠しデータのようになっていますが、スキルなどは見られるのにこういうのを表示しないのはどういう意図なのか分かりません。また、鍵開けとかをさせることはできますが、会話などに関わるスキルを持っているNPCであってもパーティ外NPCとの会話をさせることはできません。結構面倒に感じたのはマップ端の移動ポイント(クリックして次のマップに移動)をNPCがクリックしてもパーティが移動できないということです。まあNPCをわざわざ指定してクリックさせることはないんですが、パーティ全体を指定した状態で移動ポイントをクリックすると、真っ先に到達したのがPCであれば移動するが、NPCであれば移動せず、しかもNPCがじゃまになってPCが移動ポイントに行けず、ちょっと戻るように動かさなくてはならない、というようなことがしょっちゅう起こります。(移動に関しては他にいろいろあるんですけどね。)
- NPCは仲間というよりも傭兵に感じられることが多いのです。それというのも宝箱とか敵から得られる金、アイテムの一部は(度合いとか、金だけかアイテムだけかとかはNPCにより異なります)NPCが優先的にピンハネしてしまうからです。まあそこは我慢するとしまして(稼げばいいってことだしね)、非常に苛立つのは最初から持っていたものや獲物からピンハネしたものを絶対に売らず手放さずという設定です。インベントリに空きさえあればPCの分け前や購入物を与えて装備改善などもできるのですが、空きがなくなってしまうとそれもできなかったりしますし、改善できる場合でも重量超過になるから不要なアイテムを手放させようとしてもかなわないことになります。金輪際という感じで安物アイテムを手放さず重量超過状態でいられると情けないようないらだたしいような気分になってきまして…
- あとパーティ内のNPCと会話はできますし、NPCがいると発生するイベントもあるにはありますが、特にNPCを入れていたらいろいろあるという(BG2のように特別なクエストが発生するなど)期待をすると裏切られます。
- 進行は、自由度があるようなないような、という感じでした。大筋はここからあちら、次にあちらというような感じでほぼ定まっているのですが、その「ここ」やら「あちら」にはやってもやらなくてもいいクエストは沢山ありますし、ここからあちらに至る過程も一通りではありません。それなのになんとなく自由度があまりないような気がしたのは、「結局そこに行けってことか」になってしまうからで、つまるところ行けるところがそれほどないからということになるわけなのです。もう少し世界が広く、探索エリアがいろいろあれば自由度が高いと感じられたのではないかと思います。
- 上記に関連しますが、このゲームではパーティのアライメント(善悪、秩序と混沌の組み合わせ)というものがあり、それによってパーティを構成するPCのアライメントに制限が付きます。(ところがNPCに関してはこの限りにあらずだったり…)パーティのアライメントによりオープニングが異なり、初期のクエストや示唆される行動も違ってきます。イービル(このゲーム流にはエヴィル)だと本当に悪いというかダークというか。
で、これはいいとも悪いとも判断しにくいところになりますが、グッドだからイービル(エヴィル)だからグッドにあるいはイービルに行動しないといけないとか、大きく不利になるというような要素は意外に少ないのです。これは自由度が高いという点ではいいのですが、進行への影響についてはもう少しグッドのパーティでグッドにふるまったればこそ、というような面があっても良かったような気がします。
- イベントやクエストの進行が一通りでないのはいいですし、選択の余地が能力値やスキルによって広がったりするのもいいのです。ただ、それと「接近したら会話イベント発生」のコンボはちょっと。会話の相手が近いキャラとかそんなことで選ばれてしまいますし、会話に関するようなスキルを付けやすいのはどちらかといえば前線向きのキャラよりはローグとかそういう後の方に置きたいキャラになりがちなのに、です。まあこのあたりはこまめにセーブしてリトライするという要素になるかとは思いますが、初回プレイだ技能があれば異なる展開があるという見当も付けにくいですし、そもそもセーブするいとまもなくイベントに入ってしまうこともしばしばです。強制イベント発生は山場など最小限にしてほしいです。
- D&D3.5E準拠ということで、キャラクタの設定や成長、そして戦闘システムについてはBG系やIWDなどとは大きく異なりますが、PoR(プールオブレディアンス)とはかなり共通したものがあります。BGなどをプレイした人でPoRはやっていない人であれば、同じ系統だと思うと失敗することも多くなりがちでしょうから、はなから全く違うゲームと考えておく方がいいでしょう。
詳しくはヒントページの方に書きますが、特に機会攻撃(移動や呪文詠唱など特定の行動をする場合に攻撃を受ける)には要注意です。また機会攻撃に関してはPoRよりはきめ細かい設定になっており、かたわらを通過する相手にも機会攻撃がありますし、機会攻撃を避ける5フィートステップもあります。ポーションやスクロールなら機会攻撃をされるのに、ワンドとかはされない、という?というところもあるにはありますが。
- その他、たしかPoRも同様だったと思いますが、マジックミサイルは攻撃対象を振り分けて撃てるとか、ポーションを他のキャラにも使える(PoRはポーションによりましたが、これではどのポーションも可)とかがあります。
- PoRでは使えなかったドルイドやウィザードも使えますし、任意に選択できなかったフィート(特技)を選べるようになっていて、キャラの成長を楽しんだり悩んだりできるようになっています。ただ、スキル(技能)については、メイキングの際にはいろいろ考えてやれますが、成長の際のプレイヤーの意志の反映については案外どうこうできないなと感じました。レベルアップで与えられる技能ポイントを割り当てる際には、一つのスキルへの割り当てに対する制限が厳しく、かつ、全ポイントを割り振らなくてはレベルアップの設定を終了できないためです。
- 戦闘はほぼ完全なターン制で、PoRのような時間の要素もありません。若干戦闘が長引く傾向はありますが、ゆっくり考えて戦略を練り、いろいろな設定をしっかり使って勝ち抜くという点では、ステラテジーにも似た面白さがあります。戦闘が長引く傾向とはいえ、Wiz8とかPoRほどのかったるさはありませんし。ただまあ、動植物タイプの中には結構動きがとろいのもいるにはいますけど。
- セーブ・ロードは自由にできることが多い(戦闘中などでも)ですし、クィックセーブ・ロードもあります。クィックロードをした場合、必ずクィックセーブのデータがロードされるわけではなく、オートセーブなどがその後に行われていた場合にはそちらがロードされることになります。必ずクィックに対応か、最新のもの採用かどちらがいいとは言いきれず、好みと慣れの問題になるかと思います。
- 武器や防具などについてはまあいろいろあるというあたりでしょうか。このゲームではオープニング時点でパーティとして行動するメンバー達が何らかの目的を示されて最初の村に至るという設定であり、そのためか最初からある程度の武器防具は持っていることになります。以降は常道の通り店で購入するか、宝箱や敵からの入手で改善をしていくことになります。入手については、いいものは得られる場所が限られているなあという印象です。
- この点についてはある程度のグレードがあるものを元にして、「魔法の武器防具作成」を持つキャラが(金と経験値を消費して)プラス効果や呪文相当の効果を持つものを作成することができるので、「これ以上のものは自分たちで作りなさいよ」ということなのかもしれません。
自分たちで作るといえば、ポーション、スクロール、ワンド、ロッドなども作れます。経験値消費というのは、キャラの成長にバラツキも出ますし、ちょっと嫌なところもあるのですが、ポーションやスクロールの入手はかなり限られること、敵の数などを考慮すると呪文使用の制限は結構厳しいこと、レベルアップはレベル10までで、少々クエストを見過ごしたり戦闘回避していても終盤には余裕で上限に達してしまうこと(ランダムエンカウントもあり、経験値余りになりがち)などから、作ることが前提となったようなバランス設定と思われます。作れること自体はなかなか楽しいですし、いいのですが、貧乏性の私にはやはり経験値の消費はどうも抵抗がありました。
- ある程度戦闘などを繰り返したならば、HPと呪文(MPのような概念でなくどの呪文を何回使えるかという設定)の回復のために休憩、ということになります。(休憩は呪文を使用するためには必須のものです。)BGなどではほぼどこででも休憩できたものでしたが(戦闘や中断の可能性は場所によってありました)、PoRではある程度場所が限られていました。このToEEではPoR並かそれ以上と感じられるぐらい場所が限定されていて、村の中では宿(か相当の場所)以外では休憩のアイコンが出ません。
なお、休憩の代わりに「暇つぶし」というのがあり、時間を経過させられるのはいいことだと思いました。昼でないと利用できないショップや、夜でないと発生しないイベントなどもありますので。
- フィールドやダンジョンで休憩する場合には、ある程度の確率で寝込みを襲われて戦闘になります。ただし、キャラが寝ているという設定はなく、全員に指示をすることができますが、結構不利な体勢での戦闘にはなりがちです。弱いキャラを囲むようにとか陣形を考えて休憩しても妙なところに敵が割り込んでいたり、誰かが複数に対峙するようになったりしがちなので。面倒でもありますが、稼ぎにもなります。
- 稼ぎといえば、移動中(広域マップで行き先エリアを指定する場合)にもランダムエンカウントはあります。スキル次第ではただちに戦闘になるのでなく、敵がいる旨が表示され、戦闘するか回避するかを選ぶことができるようになります。この場合にも嫌な陣形での戦闘を強いられますし、川の中での戦闘になると、敵を倒してもアイテムゲットなどができず(死体が水中に消える)、じゃあ陸で倒そうかとか移動していると余分なダメージを貰う(移動に対する機会攻撃というのもあるので)ことになるという意地悪な設定もあります。
不具合?
- 頻度としては低いのですが、主としてエリア間の移動時にたまに強制終了してデスクトップ画面になってしまうことがありました。再度起動してみるとオートセーブデータは残っていることがほとんどで、多分新エリアの描画あたりでおかしくなってしまうようです。
- データがたまってきたら、という感じになるのでしょうか、終盤になると結構フリーズに近いトラブルの発生が多くなりました。これは移動などを指示した際にそれまでは気持ちよく動いてくれたのが動き出してすぐ止まり、そのままの状態が続くようになると危ないのでして、必ずではないですがそのうち止まったきりになり、タスクマネージャーを出してみると無応答になっていたりします。まあ強制終了(Alt+F4)や、デスクトップ画面に戻ること(Windowsキー押下)や、タスクマネージャー起動(Ctrl+Alt+Del)が効くときはまだいいのですが、どのキーにも反応せず電源断しかないことも二、三度ありました。傾向としては終盤ほどあぶなく(特定エリアではかなりよく発生したので、そのあたりは十分にプレイできていなかったりします)、続けてプレイするほどあぶない(ある程度続けてプレイしたら終了して起動し直すと比較的安全)という感じでした。なお、ゲーム内のオプション設定、ビデオドライバ変更、ハードウェアアクセラレータ設定などは試してみましたが変わるところはなかったです。
- 冒頭の「どんな感じ?」で、複雑な設定に加えて不具合(もどき)現象が多発、何ができて何ができないのか非常に分かりにくいというのを書いていますが、以下のようなものは不具合である可能性が非常に高そうに思えます。
ターンアンデッドで遠いところの敵も壊滅させた後など、敵がいない所に行くと音楽だけが戦闘モードになりました。(一度セーブしてその場でロードすると平常時に戻りますが、そうしない限りそのエリア中戦闘モードの音楽が続きます。)
似たようなことかと思われますが、敵を全部倒しても戦闘モードが終わらなかったことがありました。また、おそらく便宜上敵キャラ(隠し)扱いとしているらしいものが、どういうわけか戦闘に参加してしまい、攻撃できない倒せないで戦闘が終われなくなってしまったことがありました。この際には直後に確認するとロール履歴が空白になっていたりもしたのですが、一応そのまま続けてどうということはなかったです。
グッドホープの効果についてはマニュアルに記載があるのですが、インビジビリティ系で範囲効果の呪文を使った際に、範囲を出ても透明化の状態が続き、その後も「不可視状態」が続くというのがありました。イベントがらみの会話は成立するのですが、ショップではちゃんとした会話にならなかったりしてプレイには支障があり、呪文解除、ディスペルマジック、エリア切り替えの繰り返し、長時間休憩などでも直らなかったので結局ロードしてやり直しました。
- その他、武器・防具・アイテム・呪文の使用方法や効果についておかしいと思えることはいろいろありました。またログブックの記載についてはパーティ情報とか鍵のページは全くあてになりません。
また、エリアによってはパーティが接近したときに戦闘モードになるかどうか(敵対されているかどうか)が過去の行動などに依存するらしく微妙な場合があります。行動が進行に反映するのはいいのですが、「微妙」な点が問題で、最初は通しで再び通過すると戦闘になったりされると何か原因があるのか不具合なのかわけが分からなくなります。不具合の可能性が考えられると、このまま進めて大丈夫かどうかも不安になり、全体的にストレスがたまる、ということになってしまい、楽しみをそぐ結果につながったのは残念なことです。
操作性など
- 操作性については、発想はいいのだけど詰めが甘いと思われる点があちこちにありました。例えばラジアルメニューはそれ自体は結構使いやすいものなのですが、右クリックで呼び出す際のクリック位置が微妙なのか、なかなか右クリックで素直に出てくれないことがあります。よく使う機能はキー一発で呼び出せるようにしてあるのに、どうしてこのメニューに対しては設定がないのか疑問です。PoRなどはメニュー呼び出しがキーでできましたし、もしできなかったらずいぶん操作性に不満が出たと思われますが、このゲームでもあったらなあと感じました。
- 詰めの甘さの次の例としてコンフィギュレーションアイテムというものがあり、ステータス画面では、例えば遠隔攻撃用の装備(弓矢など)セットと接近攻撃用の装備セット(剣と盾など)を指定しておくことで、1セットごとを指定して簡単に装備変更ができるというものが挙げられます。このゲームの場合には、装備品そのものが記憶されているのでなく装備品の入ったスロットが記憶されているらしいのがネックになり、装備したり外したりとか、アイテムを拾ったり受け渡ししたりとかすると、セットを指定しても中身が先に指定したものでなくなっている、というのがしばしば発生します。外したり拾ったり受け取ったりしたアイテムがひたすら先頭のスロットから収納されるという設定とあいまって、実質的には間違いが多く、結局何かするたんびにどのスロットに何が入っているかを注意するか、変更したときによく確認するかしかなく、せっかくの一発変更の機能のはずが、結局省力化の目的を十分果たせないものになっていました。
- 詰めの甘さのもう一つの例。手持ちの装備品を右クリックで一発装備というのはあるのですが、これが二刀流とか二つめの指輪には効かず、最初のものとの交換になってしまいます。それぐらいはまあ我慢できますが、何度もうんざりするのは売買画面でのドラッグアンドドロップ強要で、こんなのはダブルクリックで売却とかできてくれると嬉しいんですけどねえ。ドロップ位置によってはちゃんと移らず元の欄に戻ることもあったりしてかなりうっとうしいのです。
- プレイヤーの指示に対して、「それはできない」というリアクションがどうもスッキリしません。例えば戦闘での1ターン内の行動で、行動できる分を越えるような指示をした場合、攻撃指示など時間不足と適切に表示されることもあるのですが、アイテム使用の場合などクリックで指示はできるのにノーリアクションだったりします。また、壁やキャラなどが障害になって遠隔攻撃できない場合についても、呪文によっては(場合によっては?)無理矢理指示すると使えることがあったりもします。その他不統一、曖昧、不適切と思えるものをあちこちで見ました。
- 移動ですが、一部のキャラが動かなかったり、おかしな方向に行ってしまったりというBGチックな現象が時折起こりました。BGの場合には全体として起こりがちであるので、あきらめなり用心なりという心構えができてくるのですが、これの場合にはおおむね気持ちよく移動していたなと思ったら、何の変哲もない所で急に一部のキャラが動かなくなったりするので余計にいらつきます。
また、隊形は指定しておけるのですが、移動先の地形などにより隊形を崩してでも移動はしてくれます。これが善し悪しでして、移動先で会話イベントが発生したり戦闘になったりする場合、まずいことも起こりやすくなってしまうのです。さらに、戦闘中でも移動先をクリックはできてしまうのだが、そこは障害物(これがまた微妙だったりしまして…)があって行けないというような場合に、適当にみつくろって移動させてしまってくれますが、これが又とんでもない位置をみつくろってくれたりしまして、こんなことなら移動させないでくれと思うこともよくありました。
- おまけに移動指示などの取り消しも効かないですし「中止」ボタンのようなものがないですから、戦闘に備えようとしたところが意図せぬ移動をしてしまい、弱いキャラが前に出て戦闘になってしまったりとかの嫌な状況に陥りがちとなります。
- 前回指定を覚えている方がいいのか、デフォルトに戻る方がいいのかは、一概にはいいきれないことなのですが、このゲームの休憩・ひまつぶし(回復なしに時間だけ進める)の設定は変です。デフォルトの休憩は8時間、それを変更して10時間休憩した場合、次に「休憩」を呼び出した際にはデフォルトの8時間に戻っています。ところが、8時間休憩した後、ショップとかイベントなどのために「ひまつぶし」の方を呼び出し、デフォルトの8時間を2時間に変更します。すると次に「休憩」を呼び出した場合、休憩時間の設定は2時間になっていたりします。最初、変わっていたり変わっていなかったりするのがなぜなのか分からず戸惑いましたし、休憩して呪文を使えるようになったつもりで戦闘突入、ありゃ使えないてなこともやってしまいました。
- セーブとロードや、エリア間移動をした場合のロードはかなり遅かったです。クィックセーブ・ロードもありますがやはり結構待たされます。特にセーブやロードの際には「セーブ中」とか砂時計とかの表示もなく、プチフリーズ状態で待たされることになり、カーソルが動くようになったら「ああセーブが終わったんだな」ということになるのがどうも気持ちが悪いです。他のゲームで「セーブしています」とかいちいち見せてくれなくてもなあなどと思ったことを心底すまなく思いました。
加えて、Escキーの押下からメニューが表示されるまでがまた結構待たされます。表示されてから、セーブ、ロード、オプションなどをクリックして表示されるまではそんなでもありませんが、いったん何かをするとゲーム画面に戻ってしまうというのは、最初の表示の遅さを考えると面倒なこともあります。例えば不要なセーブデータをいくつか削除しようと思う場合などそういう感じになります。セーブロードのインターフェイスについては、情報も豊富で見分けやすいですし、既存スロットの上書きもできますし、いい方だと思います。
- 地図に関しては、書き込みができる点使いでのあるものになっていました。拡大縮小のボタンがあるのにあまり使えませんが、それぐらいはスクロールでしのげますし、あまり広いマップもないのでまあ何とか。
ログブックについても、一応使いやすい、見たいところを見やすいという点ではいいものだと思います。不具合?のところに書いたようにどうも記載がおかしい点とか、噂の部分についてマニュアルの記載が疑わしい(金を払って情報を貰った場合以外は書き込まれない?)とか、内容的に問題があるところはありますが。
グラフィック、サウンド
- グラフィックは光景、キャラとも非常によく作り込まれていて雰囲気的にも大変良かったです。特に建造物内部は良い出来で、このクオリティでBGのような大きな街や宮殿なども見たかったなとか、PoRのエルフのダンジョンやドワーフのダンジョンだったらどんな風に描かれただろうかとかいろいろ考えてしまいます。
- グラフィック関係の設定はいろいろ項目がありますが(設定画面にもマニュアルにも説明がないのは不親切です)、いろいろ変えてみてもそれほどにも見た目は変わらず、処理の重さも変わらずという印象でした。不具合?で挙げた諸点の改善にも結びつかなかったですし。
- キャラの外観や動きもいいですし、装備を変更が反映もされます。魔法の武器道具なども付与された効果によってちょっと光り方が異なっていたりして楽しめます。ついつい性能よりも外観で選びたくなったりもしますが、まあそのあたりはプレイヤーの考え方次第で。ただ、ポートレイトは種類が少ないですし、エルフ系に偏っています。
- BGMも格別特徴的な印象にはならないのですが、ファンタジーRPGらしい雰囲気を出していましたし、効果音などが良くできているので全体として好印象が残りました。
ゲームバランスなど
- 戦闘については、序盤は結構厳しい目(超序盤は除く)、少し強くなってやり方が分かってくると易しく感じられますが、その後も要所の戦闘や終盤はかなり大変に感じられるというようなところかと思います。ただまあ、パーティ編成や育て方、NPCの採用の有無などによってかなり戦闘の難易が異なってきそうではあります。
- 要所の戦闘については力押しではなかなか勝ちづらい所があります。ある程度慣れて要領をつかむことも必要になりますし、有用な技能や特技、呪文をしっかり選んでいかないと後々苦しむことになります。
- クエストについては会話で適当な選択肢を選んだり、スキル依存などで出現する選択肢を選んだりすることで達成できたり達成が容易になったりしがちです。このあたりは、会話に関するスキルを持たせたキャラを使うぐらいのことで、あとはセーブロードなどを使ってやり直すかどうかの問題となり、あまり推理とか推測の余地はありません。ただクエストそのものがスッキリした解決に至らない場合(もっといい結果があるかも?とか心配になったりなど)とか、どこで何をすればいいのか十分な情報が得られない場合とかは結構ありました。
- 序盤は村の外に行くと戦闘が結構厳しいので、村の中で解決可能なクエストで成長をさせるのが必須とはいいませんが手堅いやり方になります。(これはBG1とかライオンハートサーガなどでも同様ですが。)ところが、これをやっているとたるみます。夜だと眠くなります。似たような家、家、家を巡ってはただ会話して回るだけで、しかも空き家とか家の奥とか二階などは多分雰囲気だけのための場所らしく、話して回る、調べて回るというのに緊張感がなく興味を持続するのが難しくなってくるのです。BGとかライオンハートサーガですと、どこかに行くといきなり戦闘があったりとか、会話などの成り行き次第では戦闘になったりとか適度に山があるのですが、これの場合ほとんどは淡々と話して歩くだけで…
- 村を拠点にして、探索できるところが広がっていく段階は適度にレベルアップすることもあって楽しくなります。ただ、集落にしろフィールドにしろ何もない空間が結構あります。世界に深みを与えるためにはいいことなのかもしれませんが、移動の問題点やエリア切り替えの待ち時間も考えると少々不要な空間がありすぎてだれていたような気はしました。
- 後半から終盤はメイン目的の大きなダンジョンが探索の場となりますが、ここについては若干微妙な要素があります。このゲームは全体として善らしくも悪らしくも振る舞うことができます。メインダンジョンには悪の集団がいて、これらクエストなどを受けることもできるのですが、善を心がけてプレイするならあまり良いようには感じられません。ところが、委細構わずで全面対決路線を貫き、倒しながら進むと実に単調になります。これに対してあちこちからクエストを受けてうまく立ち回り、相手の裏をかこうとすればそれなりに面白く進められますが。
ストーリー、キャラ
- 大筋は同じながらあちこちの進行の違いが善らしさ、悪らしさなどを感じさせてくれる作りはなかなかのものです。ただ、最初に決定したパーティアライメントがどこまで影響しているのか、また、進行途中での行動やその結果得られる「評判」が、クエストの発生有無や達成までの過程にどう関わってくるのかが分かりにくく、進めていていまいちスッキリしない気分になるのがちょっと不満でした。
- 会話で出現する選択肢のうち、技能依存のものについてはアイコンが表示されます。ここはライオンハートサーガのそれと似た設定なのですがこちらの場合には能力値依存の表示はなく、より分かりにくくなっています。何でもかんでも示せばいいのかというわけでもないとは思いますが一部分かるんだったらもう少し分かるようにしてくれたらと。その方がリプレイの意欲も起きますし。
- クエストの中には他のクエストを解決しないと発生しないものなどもあり、こういう関連性を追っていくとお使いクエストの中にもそれなりに物語性を感じられるところは良かったと思います。パーティ依存、キャラクタ依存、他のクエストを含むこれまでの行動との関連でクエストの発生の有無や進行が異なることも多々あります。ただ、ゲームバランスの項で書いたように、クエストが必ずしもすっきりした結末に達するとは限らないというのが少し達成感を損なうところになっていました。もちろん、人助けなどをしても割り切れない要素が残る、というような設定はよくあることで、うまく使えば世界に深みがでるものでもありますが、もっといい解決はないのかということに対する情報不足とか、他の点で不具合と思われるような要素があったことによる心配とかが、もやもやと心の底の方によどんで、というのはあまりいいものではありません。
- ゲームバランスの項に書いたように、終盤に近づくと悪の勢力に対して徹底的に手を貸さずに進めようとすると単調でつまらなくなりがちですし、背景についての知識もあまり得られなくなります。
ならば悪の気分でやれば楽しいかというと、前述のように後の方では楽しめるのですが今度は序盤がちょっと。人助けというかお手伝いタイプのクエストばっかりですが、やらないとイージーな経験値獲得の機会を失ってしまうことになります。また、会話などで選択できる悪っぽい選択肢というのが、小悪というかイジメレベルとも思えるようなものが多く、なんだか気乗りのしないものばかりで爽快感が得られません。まあ、逆に見れば善らしくやっても悪らしくやっても楽しめる面はあるとも言えるわけですが、段階的に偏りがあるというのが単調とかだれる、という感じにつながり、つまるところ善の気分でも悪の気分でもちょっとなあ、ということになりがちではないでしょうか。
- 終盤での行動によりエンディングは大きく異なることになりますし、必須ではない部分での行動も若干反映されます。これは達成感があったり思い返してみたりできる部分ではあるのですが、ある行動の反映と、別の行動の反映とが矛盾とまではいいませんがそぐわないことになったりもしていささか興醒めになることもありました。大きな方向性を優先して、それに合わない部分は不採用というようなことでも良かったのではないかとも思うのですが。
ローカライズ
これはちょっと問題ありで、不統一や、明らかな誤訳などがあちこちで目に付きました。意地悪なようですが、どの程度かを示すためにおかしいと思われる点の例を挙げておきます。
- ソーサラー、ウィザードの使い魔ですが、マニュアルではカラス、ネコ、イタチ、トカゲ、ネズミ、タカ、ヒキガエル、コウモリ、ヘビ、フクロウがゲーム中の表示では、略奪、猫、雪上車、リザード、ラット、ホーク、ヒキガエル、バット、スネーク、オウルと、ヒキガエル以外全て表記が違っていますし、略奪(ravenとravageを混同したのか?)、雪上車(weaselはいたち・雪上車)とか、使われる場面が分からずに直訳したらしいものが入っています。
- 同じような現象は、魔法の武器道具作成で付与する効果を選ぶ際の一覧表にもあり、大半は呪文名がそのまま表示されているのに、一部日本語に訳されたものがまじっていて探しにくく分かりにくくなっていました。中にはノック→昏倒のようにすぐに分からない訳にされているものもありましたのでなおさらです。この点は必要な呪文が示されるので確認は容易ですが、数が多いので一覧で分かりやすい方が助かります。
- その他エリア名やクエストのタイトルにはおかしなものが結構あって、「モートハウスの崩壊によりレベル最大値」(多分○○の廃墟の最上層、ぐらいか)、「エディの羊飼い座の求愛」(Herdsmanは牛飼い座ではなく、牛飼い、牧夫ですがタイトルだけだと訳しにくいでしょうね)、「タージョンはもっと従者を求める」(followerを信者と訳すのが適当でしょう)などがあり、それ以外でも「こげ茶色の図体のでかい男」(アンバーハルクを一生懸命訳したんだろうなあ)、「炎のクロークの目」(炎の目が描かれたクロークですが)、「よろしい」(井戸のところで表示されるので、多分wellだったのかなあと)など、断片的に見せられて訳すのでは変にもなるわな、と思うのを含めいろいろあります。
このあたりはまあ、なんとか我慢できる部分なのですが、上二つのような不統一はできる限りなくしてほしいところです。
- 訳や訳語の問題ではないのですが、エリア名が長くなるとマップ一覧では前の方しか示されなくなり、いくつかのマップは同じ文字列となってしまって選びにくくなってしまっていました。ポップアップで表示とかスクロール、折り返しなどが技術的に困難であれば略称を使うなどして一定の長さにおさめるとか何とか。
あと、細かい点にはなりますが、PDFファイルになっている英語版マニュアル(らしい)では冒頭にある「キーボードコマンド一覧」(あらかじめ設定されたキーボードショートカット)が後の方の分かりにくい所に移っているのはちょっと不便です。
総合的にみて
BG系やライオンハートサーガなどと比較してスケールの小ささは感じますが、本来なら小規模ながら作りが丁寧な佳作となっていたはずです。しかし、設計や発想はいいのに実装段階でマズってしまったと思われる不具合や不備が足を引っ張って、プレイしていていろいろとストレスを感じるものになっていたのは残念なところです。このシステムと絵や音のクォリティで不具合を低減し、クエストなどに工夫をしてくれたらとてもすばらしいゲームになるのではないかと思わせる面はあるだけに。
メディアクエストとライブドアの組み合わせはいろいろなゲームを日本語化してくれるのはいいのですが、このゲームのようなローカライゼーションだとちょっとね、というあたりは日本語版の評価も下げることになり、今後出るゲーム(セイクリッドプラスやアイスウィンドデイル2など期待のタイトルがあるのですが)にも差し障ることかと心配な気持ちにもなります。
あくまでも、私の個人的な感想に基づく評価です。