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シベリア 評価
*ジャンル:アドベンチャーゲーム(非アクション・謎解きメイン)
プレイ環境
Epson Direct Endeavor 9000Pro(ノート) CPU Pentium M 770(2.13GHz) メモリ
1024MB(PC2-4200 DDR2 SDRAM)
GeForce Go 6600 (128MB) WIN XP Home DirectX
9.0c
高画質の設定で、ほぼ不満を感じることなくプレイできました。ただし結構メモリ食いなのか、他に大きなものを起動しているとフリーズすることがありましたし、他のタスク(プログラム)と切り替えなどを行うと、このゲームに復帰できないことが多かったです。環境依存の要因はあるかもしれませんが、なるべく他のことをやらずにプレイする方がいいように思われます。
なお、OSによっては修正パッチを適用するのが望ましいでしょう(2006.08.08時点)。(公式サイトへのリンクは全般ヒントのページに。)
どんな感じ?
MYSTシリーズなどがそうですが、会話をしたりあちこちを調べたり、アイテムを入手してそれを適切な場所で使って、というようなことで話を進めていくタイプです。当初から主人公が抱えている仕事をしようとすると何やかにやと問題やら事件が起こり、結局あちこちと旅をしてしまうというようなことで、ゲームの進行に伴いいろいろな場所でいろいろな登場人物に出会うことになります。
アクション性の要素もないですし、手順違いで進行不可能になるとか、その他ゲームオーバーもない作りになっているので、美しい風景を楽しみながらじっくり遊びたい人には好適ですし、変化や緊張感を求める人にはちょっと合わないかもしれません。
○いいところ
・現実のような非現実のようなノスタルジックな雰囲気をよく出している(グラフィックとサウンド)
・前述の雰囲気とよく合ったキャラやストーリー展開(ストーリー、キャラ)
・時代に取り残された世界・人やロボットもの(名前はちょっとおいといて)が好きな人には好適(ストーリー、キャラ)
△評価が分かれそうなところ
・しっかり調べ回るタイプでアクション・ミニゲームなどは含まれず、じっくりプレイが好きなら良いが変化を求めると飽きるかも(システム)
・こういうタイプに慣れた人には容易〜ちょうど良い位、不慣れだと詰まりやすいだろうと思われる(ゲームバランス)
・基本的にゲームオーバーはないので焦らなくてもいいが、緊張感はあまりない(システム、ゲームバランス)
×ちょっとね、というところ
・移動がかなりだるく、階段・入り口・取るなどの動作が特に遅い(グラフィック、操作性)
・会話(英語)の字幕(日本語)は自動的に切り替わるのだが、切り替わりがやや遅い(操作性)
システムなど
- オーソドックスな調査・謎解き・フラグ立てタイプのアドベンチャーです。見落としで行き詰まる以外にはゲームオーバーとか解けなくなるということはほぼないように思われますし、また操作についてはひたすらマウスで画面中のどこかをクリックするだけですから、基本的には嫌気がささずに注意深く進めさえすれば大丈夫です。(とはいえ、行き詰まったと思ったときはさすがに面倒に感じますが。)
アクション性の部分とか、必須・必須でないを問わずにミニゲーム的なものとかはないですから、変化があるのが好きな人や気分転換的なものが欲しい人には単調に感じられるかもしれません。(ストーリーや雰囲気にしても、例えばすごくギャグっぽくなるとかそんなようなこともなく、比較的同じような調子で進みますし。)
- セーブ・ロードは、イベント進行中などでないならほぼいつでもできます。特にロードについては、終了やメインメニュー復帰の後ロード開始という手間が増えるタイプではないのが好印象です。(最近はこういうセーブロード同等タイプが少なくなっているようにも思えますが。)
- セーブデータは多数保存できますし、最近のセーブほど前の方に置かれて選びやすいというのも使い勝手が良いです。ただ、セーブデータの見分けはタイムスタンプと画面の画像だけになるので、同じような風景の中で行ったり来たりすることが多くなるという点を考えるとセーブデータの見分けは容易とは言い切れません。というか、こまめにセーブするほど見分けにくくなったりします。
ロード後にどの段階のデータであったかがすぐ分かればいいのですが、後述するようにログ機能が親切というわけでもないという点もからんで、やり直しの容易さについては若干難があることになります。まあ、進行不能・ゲームオーバーが発生しない作りですから、「よく分からないからやり直してみよう」ぐらいしか「遡ってやり直す」必然性は考えられず、あまり実害はないということにはなりますけれども。
- この設定で、主人公が日記とか調査メモとか付けないのは不思議なのですが…とストーリーの項に書きそうなことを書いてしまいましたが、要はろくなログ機能がなく、主人公が今いる地域で何をどれだけ調べて分かったのか、今は何を調べたり探したりしているのか、てなことがよく分からない場合が多くなるので、中断後の再開の際などにはちょっと不便です。これまた手順違いで進行不可能とかないから別にいいだろうといえばそうなのですが。
操作など
- 操作については、移動にしろ会話にしろ、何か調べる・取る・使う場合にしろ、皆マウスで画面内の適切な所をクリックということになります。この際には画面に表示されるアイコンの形をちゃんと見て、ここに移動させる、とか、ここを調べるとかできることがわかるわけです。覚えるべきはアイコンの形ぐらいで、操作方法で迷うことはあまりないでしょう。
- しかし、「操作方法で」迷うことはあまりなくても、ゲーム進行について迷うことはよくあるものです。このゲームの場合行き詰まったと思った場合には何かを見落としているしか考えられないと言っていいですから、行ける範囲内で見直し、調べ直しをすることになります。この際に「アイコンの形が変化する範囲」のアバウトさに結構いらつくことがあるのです。特に「他の面への移動」と「調べる(拡大する)」が広いのは、同じものなのか異なるものなのか分からないというのがつらいところでして、よく調べようとこまめにクリックすると同じことになってがっかり、というような事態が多発することになります。もちろんあまりにもピンポイントでしか変化しないというのも難易度のいたずらな上昇につながるわけですが。
- 会話(音声は英語)の際の字幕表示が若干かったるいです。多分十分に読み取れるようにという配慮かと思いますが、セリフの音声が終わってからかなりの間をおいてしか切り替わらず、おそらく多くのプレイヤーは読み終わってからしばらく手持ちぶさたになるのではないでしょうか。
また操作性という面からいうと、基本的には自動的に流れていくというのが厄介なことになってくるのでして、いっそ一面ごとにクリックなどしなければ進まないというのなら多少面倒ではあっても分かりやすくて良いかと思います。これの場合には自動的に流れるもので、うっかり右クリックなどしてしまうと次のセリフをとばしてしまったりしないかというような心配がつきまとうことになってしまうのです。
グラフィック、サウンド
- この点についてはこのゲームの最大推奨ポイントになると思います。特に懐かしさや異世界感がほどよく感じられるグラフィックは素晴らしいと言っていいでしょう。リアルさ、細かさなどについては最近のものは特にそうでしょうが、他にも良いものはいろいろあると思います。しかしこれの場合には実に良く雰囲気を出しており、ゲーム全体として統一感を保ちながらも主人公が訪れるあちこちの場所の特色をもよく描き出しているといういわば芸術的な面で卓越したと言ってもいいレベルのものを実現していると言えるでしょう。
- また、ムービーが再生される場合もしばしばあるのですが、ゲーム画面とムービーとの違和感のなさも出色といっていいでしょう。(案外タッチの違いなどが気になることもあるものなのですが。)
- ただし、視覚面が全面的に良いかというとそこはちょっと問題になるところがあります。モーションキャプチャーなども使ったリアルな動きを実現してはいるのですが、いかんせん画面内での移動等がかなり遅く感じられます。走らせてもまだキビキビという感じになりませんし、調べるとか階段や入り口を使う段になると、走らせていた場合でも接近するとゆっくり歩いて動作するようになってしまいます。ゲームの性質上、同じ所を行ったり来たり、また何度か調べ直したりというようなことも多くなるので、繰り返しがうっとうしく感じられるのは残念なところでした。なお、この点については後継作「シベリア2」ではずいぶん改良されていました。
- サウンド面に関しては、BGMも効果音も控えめという印象でした。ただしこの「控えめ」というのはいい意味でということで、音楽や効果音にこれ見よがしのわざとらしさがなく、全体としてゲーム内世界を感じさせるのによく貢献するものになっていました。
ゲームバランスなど
- 「どんな感じ?」のところにも書いていますが、結構プレイヤー次第の面がありそうに思えます。MYSTに代表される、画面中での反応に注意しながら進み、謎解きやパズルなどをこなしながら行動範囲を広げていく…というようなゲームを経験しているなら、このゲームの難易度はそれほど高いものとは思わないだろう、という可能性が高いでしょう。反面こういうタイプのゲームに不慣れな人が取り組むと、見落とし多発でしょっちゅう行き詰まり、行きつ戻りつをすることがとても多くなって「難しい」という印象を持たれるかもしれません。
- 要するにこのタイプのゲームとしてはそう難しい方ではない、とは言えると思います。分かりにくい手順とか、理不尽な謎解きとか、酷なトライアルアンドエラーを要求するパズルとか、突拍子もないアイテムの使い方とか、そういう要素がほとんどなく、見落としさえ注意すれば詰まるようなところは数少ないものと思われるからです。「数少ない」と書いているように、ところどころ若干難解な謎解きなどもあったりはしましたが、しょっちゅう出会うというわけではないのでそこだけ「がんばれば」ということで何とか。
- ただし、例えば行き詰まったとして、ある所で何かを使わねばならないらしいことが分かったとします。手持ちのアイテムを試してみてだめ、するとどこか探し直さなくてはてなことになります。ここまではいいのですが、その際にどこを探すべきかとかそういった点についてはヒントも少ないし、理詰めで考えて見当を付けられないようなことが多くなっていて、ひたすらあちこち探せ、調べろというような傾向がうかがえます。まあ段階毎にみると行けるところがものすごく広いというわけでもないですし(序盤には結構広い段階がありますが)、手持ちのアイテムがとても沢山たまるというわけでもないので、あまり負担が過大に感じられるとか、そのため作業感が増すというようなことは起こりにくいと思います。
- 加えて、操作性やグラフィックの項に書いているように、会話とか移動とかがかったるいという面はあるので、見落としたかなと思う際のやり直しは幾分うっとうしく感じられるかもしれないな、とは思います。
ストーリー、キャラ
- 物語は主人公がある町を訪れたところに始まり、当初の目的(お仕事)を果たすために行動しているうちに新たな課題が生じ、そのためにあちこちと旅をすることになり行く先々でいろいろな事件が…というようなことで、まあよくある「巻き込まれ」タイプの一つみたいなところはあります。
- 舞台となる場所は、現実のものらしくもあり、何となく幻想的な、過去に行ったような、あるいは夢に見ているような場所でもありという感じで、ゲーム全体として現実っぽさと幻想っぽさはほどよくいりまじっています。
- 現実らしい要因の一つは、主目的が仕事であることであり、あることをしようと思うといろいろな問題を解決せねばならないという、社会人の多くが出会っている状況が、幻想性で緩和されつつも「目的」としてつねに存在しているというところにありそうです。
もう一つ、主人公が携帯電話という結構現代的なアイテムを持ち歩いており、それによって上司やら親族やら彼氏やら友人やらがいろんなことを言ってくるというこれまた「ありそうな状況」に出会ったりもしますし、このアイテムを使って何かするというような場面もあったり、という要因があるかと思われます。
- 幻想っぽさ、これが過去とか懐かしさ、また夢のようなという印象につながるところなのですが、主人公が旅する世界やその住人の多くは過去の遺産的な存在であり、現状で繁栄していたり時流に乗っている所・人はほぼなく、過去には繁栄していても今は…という所・人がほとんどとなっています。それでいてそれらの所・人が否定的に描かれているというわけではなく、ノスタルジックに「古き良き」という目で見られている感が強くなっています。そのせいか、主人公が非常に焦らなくてはならない場面においてすら、どことなくのんびりとした雰囲気も感じられます。
加えて、この郷愁をさそう世界に携帯電話を通じて介入してくる現実的要素が実にイライラさせるものが多いあたり、とても効果的に両者の交錯が描かれており、互いに互いを強調する役目を果たしていたとも思います。
- ストーリーの大きな流れについてはよくできていたと思います。序盤で見えてくる流れがしっかりと受け止められて一本の芯となり、その流れに沿って主人公がいろいろなことを理解し、考えすらも変わってくるような様子が自然に描かれます。
ただ、アドベンチャーゲームにはよくあることとも言えますが、主人公に旅をさせたり、事件を発生させたり、細かい部分での謎解きを取り入れたり、というようなことのために、若干強引ともいえる展開が目につくというのはあちこちにあります。さらに気になるのは主人公その他の登場人物の行動で、とても分かりにくかったり納得しかねるようなところがあり、自然な流れを阻害する要因になっていました。
ただまあ全体としてみれば前述のように大きな流れはなかなか良いですし、幻想的な雰囲気で救われている面もありますし、不満がさほど大きなものになっていたとは言えませんが。
ローカライズなど
- 操作に関する部分は全て日本語、セリフはほとんどが音声を伴いますがそれについては英語のままで日本語の字幕表示が付きます。(字幕はオフにもできます。)音声まで日本語の方がいいかどうかはプレイヤーの好み次第となるでしょう。セリフの字幕やアイテム説明その他日本語になっている部分については読みやすくて良いと思いました。
- ロボットに似て非なる存在の「automaton(オートマトン)」は「からくり人形」と訳されています。一般には「自動人形」という訳語が当てられることが多いように思いますが、自動人形だとロボットぽく感じられるからとか、古めかしさ、懐かしさを演出しようとしたとかそんなことで「からくり人形」を採用したのかなとも思われるのですが。このあたり違和感を感じるかどうかはプレイヤー次第になりそうです。
総合的にみて
非アクションタイプで謎解き要素の強いアドベンチャーゲームが好きな人なら、楽しめる可能性はかなり高いでしょう。特に、近世〜近代、スチームパンク、ロボットもの(実はこのゲームでは「ロボット」は禁句なのですが)が好きだったらおすすめです。あと、どちらかというと社会人経験がある人の方が主人公に感情移入しやすいでしょう。ただしあまり仕事や恋愛などに疲れているときにやると逃避願望を刺激してしまうかもしれませんが。
以上の条件に合わない人でも、こういう雰囲気が好きで、解き急ぎをせずじっくりゆっくり調べながらというのがOKなら適性はあると思います。
あくまでも、私の個人的な感想に基づく評価です。