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Heroes of Annihilated Empires Episode I
〜黄泉の国 アトランティス〜 日本語版 評価
*ジャンル:RTS + RPG
*主として1.1a修正パッチ(日本語版公式サイトよりダウンロード、リンクはヒントページに)適用状態でのプレイに基づいて書いています。
また、主としてキャンペーンモードのプレイについて書いていますし、シングルプレイのみを対象としています。
公開済みの修正パッチがゲームバランスの修正をともpなっていることもあり、今後修正パッチ公開等があった場合、評価ページおよび攻略ページの記載内容と異なる点が出てくるかもしれませんが、当サイトではフォローしきれない可能性が高いです。そのあたりについては公式サイト等で修正パッチによる変更点などをご確認ください。
プレイ環境
東芝 dynabook Satellite AW6(ノート) CPUCore2 Duo T7200(2.13GHz) メモリ 2GB(PC2-4200
DDR2 SDRAM)
GeForce Go 7600 (256MB) WIN XP Home DirectX 9.0c
推奨環境スペックがそこそこ高いこともあり、ノートでは荷が重いかなとも思いましたが、描画など一番上に設定してもおおむね快適にプレイできました。終盤のものすごく多量の敵が出てくるところのみ若干処理の重さを感じましたが、困るほどではなかったです。
どんな感じ?
RTS(リアルタイムステラテジー)とRPG(ロールプレイングゲーム)の融合型(RTSとRPGが渾然一体)と言っていいでしょうか?シナリオ(キャンペーンモード)やマップ(バトルモード)があり、それらをRTS的に、またはRPG的に進めていくことができるゲームです。おおむね複数ジャンルの中間型や混合型、融合型のゲームというものは、それぞれのジャンルの典型を基準にすると若干中途半端とかどっちつかずな点が生じがちになるものですが、これの場合そのあたりはとてもうまく作っていると思いました。ただ、演出面で映画ロードオブザリングを思わせるところが多々あるのは、亜流感とか二級品感につながるところがあり、もうちょっと控えめにした方が良かったのではないかという気もしました。
以下について詳細な解説は()内の項目に。
○いいところ
・RTS面もRPG面も楽しめるようにうまく作られている(システム)
・キャンペーンはシナリオごとにいろいろなシチュエーションで目的も異なって面白いが、要学習の面もある(システム、ゲームバランス)
・ゲーム中の画面は雰囲気が出ていて美しいし、音楽や効果音も良い(グラフィックとサウンド)
△どっちとも言いきれないところ
・ちょっとやり方を間違えるとどうしようもなくなる場合がある(ゲームバランス)
・敵が多い場面が多く、うまく育てて上手に対応すれば一人で始末して爽快感があるが、忙しい(ゲームバランス)
・操作面では親切な面や使いやすいところと、状況に対応しにくい面とが同居している(システム、操作性)
×ちょっとね、というところ
・イベントやムービーは映画ロードオブザリングの影響が色濃く感じられる(グラフィック、サウンド)
・前半部は背景や登場人物の考えなどがよく分からず、振り回される感じや主人公の行動に苛立ちがちとなる(ストーリーなど)
システム全般
- バトルモードの場合、最初に「RTS vs. RPG」と「RTS」から選択があり、もっぱらRPGっぽく進めることもRTSとRPG混合タイプ的に進めることもできます。これに対してキャンペーンの場合には基本がRPGであり、ところどころにRTSモードになるところがある(生産の概念が入ってくる)という感じになります。
また生産の有無にかかわらず、配下のユニットを使える段階は結構よくあり、戦闘についてもできるだけ主人公を駆使してRPGっぽくやるか、配下のユニットも活用してRTSみたいな感じでやるかはかなりの程度プレイヤーの意志で選べます。
- キャンペーンモードでは設定面でバトルモードと共通するところもあれば、独自のところもあり、RPG+RTSとして楽しめるようによく調整されているという感じになっています。
- キャンペーンモードの場合、かなり独立性の高いシナリオを、ストーリー展開に沿ってこなしていくことになります。各シナリオの独立性が高いというのは、シナリオそれぞれにマップ、目的、使用できるユニット(ない場合も)があり、過去のシナリオのマップに行くことはできなくなっているというような点があるからです。その一方、各シナリオを通じて主人公はエルハントであり、あるシナリオでエルハントを成長させたり、アイテムなどを入手したりした場合、それらは後続のシナリオに反映します。このあたりはかなりRPG的な感覚でプレイできると言っていいでしょう。
- キャンペーンモード、バトルモードのいずれについても、ヒーローについては敵を倒すと経験値が得られ(配下ユニットが倒した場合にも得られますが少なくなります)、経験値がたまるとレベルアップします。レベルアップした際には、攻撃力が強くなる、ヒットポイントが増えるなどの所定のパラメータのうち、ランダムに(多分)選ばれた二つの増加が示されます。プレイヤーはその二つのうちから一つを選んでヒーローを強化することもできますし、示された二つが気に入らなければキャンセルし(パラメータ増加はなし)、かつ次回レベルアップ時には全てのパラメータから選べるようにすることもできます。パラメータ増加の程度は二つが示されるときにはランダム(多分)、全てが示されるときには中程度の増加ということになります。
- ヒーロー以外のユニットについては、経験値のようなものはなく、戦闘で強化するという面はありません。しかし、ユニットを生産する設備をグレードアップすることにより(資源消費を伴いますが)、より強力なユニットが出てくるようにはなります。
- セーブについてはイベント進行中でもなければほぼ随時することができますし、セーブデータはキャンペーンモード、バトルモード別に多数おいておけますし、名前も付けられて見分けやすいです。
- ジャーナルは会話イベントの内容がそのまま記録されますが、今なすべきことの要約などは見ることができません。シナリオとシナリオの間のイベントなどは記録が残らず、会話が見られたら全てよく分かるというものでもないので、ある程度プレイヤー自身が把握し、管理しておく必要はあります。
不具合?
- イベント進行になるところで本来の絵と異なる絵が表示されて止まってしまったことが一度、イベント進行の途中で止まってしまったことが一度ありました。マウスやキー操作など一切受け付けなくなり、強制終了(Alt
+ F4で終了できたのが一度、タスクマネージャから終了させたのが一度)するしかありませんでした。厳しい戦闘の後でなくて良かったです。
- 変なところにはまり込んだ状態になって動けなくなったというのが一度だけありました。だめもとでセーブしてロードしてみたら動けました。
- 4Gamerの記事を見ると、修正パッチなしの状態ではちょっと不安定とか、1.1パッチ適用でパッチなしより不具合が増えたという記載がありました。環境によっては問題を生じるかもしれません。(修正パッチの説明に、「シングルプレイでの致命的なバグの修正」というのがあるので、パッチ無しというのはちょっと怖いようにも思えます。)
操作性など
- 操作性がどうこう以前に、最初の時点で基本的なところが分かりにくいのがちょっとひっかかりました。マニュアルは結構ていねいに色々説明されているのですが、ヒーローやユニットの選択までは素直に頭に入ってくるのですが、基本中の基本と思われる移動先指定とか攻撃対象の指定が分かりにくかったです。よく探すとユニットインターフェースのボタンの説明に書かれてはいますが、探さないと分かりません。ボタンについての小さい字の説明だけでなく、本文中でユニットの操作としてまとめた説明があっても良いと思うのですが。ゲーム中にチュートリアルがあるわけではないですし、移動とか攻撃移動のボタンをクリックしたところでアイコンの形が変わるとかでもないですし。
- 分かってしまえば、これは結構使いやすいです。アクションRPGなどではよく移動先指定も攻撃対象指定もクリック(左)というのがありますが、敵の数が多い場合やこまめに指定をしたい場合など誤操作が起こりがちで、アイコンの形で何をするかを見分けられる場合であっても、焦っている場合や敵味方が動いたりするとやはり間違いが発生しがちになります。両方とも同じ操作だと攻撃をするつもりが移動して敵に囲まれるような体勢になるなど悲惨な事態を招きがですが、この操作体系だとそういう失敗がなくなります。(ダンジョンシージシリーズで後発のものは攻撃=右クリックに変更されたのもここら辺を考慮してのことかと思います。)
- ただしちょっと間違いやすいのが魔法(呪文など)の扱いで、
ユニットへの攻撃の指示の場合 クリック(左)でユニット選択→右クリックで攻撃対象指定 となるところ、
攻撃呪文の指示の場合 クリック(左)で呪文選択→クリック(左)で攻撃対象指定 となります。
呪文は一度使うとその後しばらく使えませんから、その間武器攻撃でしのいで、結局呪文と武器攻撃を交互に使うようなことも多くなりますし、一瞬「あれ?どっちだっけ」になってしまったり、呪文を使うつもりで敵を右クリックして武器攻撃になってしまったりすることも出てきます。
呪文の対象指定も右クリックで良かったのではないかとも思うのですが、何か問題があったでしょうか?
- RTS性の部分については若干操作をしづらく感じます。キャンペーンモードはエルフ勢が自軍勢力となるので特に思うところですが、緑が基調になっているのは雰囲気的には納得がいくものの、背景・建物や背景・ユニットが似通っていて視認がしにくいことが多いですし、建物同士やユニット同士も見分けにくいことがよくあります。来襲に備えるとか初期配置はゆっくり指示できるから良いのですが、敵が多方面から来る場合や消耗戦が続いている場合の補充などではやりにくさを感じますし間違いも起こりやすくなります。画面の拡大縮小をできる幅が狭いのがこれに拍車をかける要素もあります。
- 移動とか攻撃行動については、結構予想と違う行動をしてくれて戸惑います。移動では多分おなじみの(他のゲームでもよくあった)味方を回避した後変な方に行ってしまう現象が発生するのでしょうか?(見ていると結構うまくスルッと通り抜けるのですが)たまにおかしな方に行ってしまったりどこかで引っかかっていたりして迷子になるユニットが出てきます。
攻撃については
遠隔攻撃のユニット→敵が遠くにいても敏感に反応するが、無理追いをしがち
近接攻撃のユニット→敵が近づいて来ても知らん顔をすることが多い、けど無理追いをしがち
という傾向があるもので、打たれ弱い遠隔ユニットを後方において、近接ユニットが壁になってというような構想が崩れがちとなります。
- グループ作成とか、ダブルクリック(等)で同種ユニット選択とか、Ctrl+Aで全部選択とか、まとめて指示を与えるための選択方法はいろいろと準備されているのですが、有効範囲がどこまでなのかちょっと疑わしいところがあります。マップ全域から呼び寄せたつもりが遠方のユニットは動いていなかったり、かと思ったらずいぶん後から遠方にいたユニットが動いてきたりというような具合で。
どういうわけかマニュアルには書かれていない(か、気付きにくい書かれ方か)ようなのですが、ドラッグで複数ユニットを選択することもでき、多方面から敵が来る場合などに、ひとかたまりのユニットを分割指定したりする場合、いささかおおざっぱにはなりますがそれでも良ければ結構便利だったりします。
- シングルとマルチがあり、シングルにもキャンペーンモードとバトルモードがあるゲームだからと思いますが、ゲーム開始からモード選択などの多くの段階を踏まなくてはなりませんし、終了の時も順を追って終わっていくことになり結構面倒なことになります。終了の時ぐらいは完全終了にするか一つ前のメニューに戻るかの選択ができてもいいのではないかと思いました。
また、キャンペーンモードの場合、ロードとは別にシナリオの頭からの開始もできるのですが、これをやると前のシナリオからの継承(ヒーローの得たもの)がありません。そのあたりの区別がちょっと分かりにくいです。
- 細かいところになりますが、オープニングやイベント(シナリオ間)はEscキーでスキップできます。しかし、会話イベントになった際のセリフの吹き出しは小さな「×」印をクリックしないと消えないし、次のセリフが出ないことが多いです。これもEnterキーとかEscキーで消える、進めるというようになっていても良いのではないかと思いました。
グラフィック、サウンド
- グラフィックは正統派ファンタジーらしい雰囲気も出ていますし、しっかりと描かれていて好印象です。
- キャンペーンモードではシナリオとシナリオの間はストーリー進行を物語るイベントがあるのですが、このイベント部分についてはごく一部がムービー、多くは静止画での描写となっています。静止画部分は1画面に複数のコマがあり、1コマずつ描かれていくという漫画的なものとなっていました。物語とか絵本的な雰囲気になってはいるものの、さすがにムービー部分と比べると迫力には欠けます。
- エルフ側勢力がアンデッド大群の侵攻を受けるというシチュエーションが似ているからというのはありますが、オープニングとかムービーシーンは映画ロード・オブ・ザ・リングっぽいところが多分に見受けられます。ファンタジーの王道らしいといえばそうなのですが、「どんな感じ」のところで書いたようにマイナス面に働くところもあったのではないかとちょっと気になります。
- BGMは重厚でクラシックなファンタジーRPGらしいものですが、バリエーションはあまりありません。効果音は雰囲気の演出に貢献しておりなかなかいいものだったと思います。
ゲームバランスなど
- キャンペーンモードでは難易度の設定(二段階)があり、バトルモードではもうちょっと細かく設定をすることができます。
- 操作性のところで、最初ちょっと分かりにくいが分かると使いやすいということを書いていますが、戦闘についてもそういう面があり、進め方を間違うとどうにもならなくなってしまうこともありますが、うまくやればヒーロー一人で大量の敵を始末できて爽快感があります。どういうやり方が「うまく」でどういうのが「間違い」かというのが必ずしも分かりやすいとは言えず、そこら試してみたりやり直してみたりということも必要になってくるので、それを面白いと思う人も苦にする人も両方いてそうに思えます。
- 私自身は試行錯誤ややり直しは苦になりませんでしたが、単にやり方の問題だろうか、何か根本的に悪いことをしてしまったのではないだろうかと悩むことは何度かありました。
- シナリオクリアの条件はあまり厳密でなく、ある敵を倒すとかあるところまで行ってしまえば、途中でしょうしょうすっとばしていようとシナリオが終わってしまうことがよくあります。あまり条件判定が厳密でないのはいいのですが、すっとばすと話の流れもよく分からないうちに進んでしまうということも起こりがちになり、いいとも悪いとも言い切れないものを感じました。
- RPGっぽいシナリオもRTS性の強いシナリオもありますが、いずれについても大量の敵がワラワラとやってくる段階が結構よくあり、そういう段階をどうしのぐかというのが、前述のような間違えば地獄、うまくやれば極楽という要素になりがちです。
- 呪文については画面下部に並んでいるものしか使えません。(インベントリから一覧で見られるものは、見られるというだけで使うことができない予備的なものです。)使用可能な呪文の入れ替えには外したい呪文を右クリック、すると予備のものが左上から順に使用可能なものに入る、という操作自体はまあ良い(かったるいですけど)としても、呪文の入れ替えだけでマナが消費されてしまうというのはちょっと酷ではないかと思います。加えてマナ不足で使用できない呪文は入れ替えられないという点についてはもう嫌がらせのように思えます。キャンペーンモードではシナリオごとに呪文の適不適がありますし、新たに入手したものが有用なこともあります。刻一刻と敵が迫ってくる局面で呪文の入れ替えに手間取っているのはあまりにも情けない話です。まあマナ回復のポーションをどんどん使うという手はありますが、ポーション保持数も限られるし入手の具合も分からない状況ではそれもなるべくならやりたくないことになるので。
- ポーションでも言えることですが、装備品欄の枠数と、売却・購入可能な店の配置を考えるとインベントリの制限は結構キツイ目と思いました。またショップについてはポーションの店ではポーションのみ、装備品の店では装備品のみしか売却できないので、このことがインベントリ制限のきつさを感じさせることもしばしばありました。
ストーリー、キャラ
- ストーリーがあるのはキャンペーンモードだけですが、おおむねオーソドックスですし展開にもメリハリがあったのは好印象です。ただ、序盤から中盤あたりではかなり説明不足なところもあり、主人公の行動に納得がいかずマイキャラとして扱うのに抵抗を感じます。中盤ぐらいから物語世界の背景が分かってくるとともに共感できる面も感じるようになるので、序盤の説明不足もわざとか?という気もしますが、ちょっと突っ走りすぎではないかなとは思います。
- 主人公以外の主要人物についてはごく一部の例外を除いてイベントだけの登場となります。また配下ユニットについては育成要素もないですしキャンペーンモードといえども持ち越しや再会がほとんどなく、主人公以外に思い入れをする余地がありません。まあゲーム的には主人公の育成を楽しめるので良いといえばそうなのですが、せめてごく一部の例外のキャラだけでももうちょっと育成したり続けて使えたりという要素があっても良かったように思いました。
ローカライズ
テクモからのローカライズものは初めてなので、どんなものだろうと期待と不安が入り交じった気持ちでしたが、全体的には無難な出来で、一部のゲームのように日本語文のわけが分からないとか、重大な不一致や誤訳が頻出するようなことはなかったです。ただし、解放とすべきところを開放とするおなじみの誤用とか、「攻撃しつつ移動」について「攻撃移動」「臨戦移動」のように訳語の不一致が見られるところはありました。
総合的にみて
RPG要素とRTS要素のからみがよく、戦闘をとても楽しめるゲームになっていました。特にRPG的にヒーローを育てて大量の敵をガンガン倒したいという向きには大変好適なゲームです。操作性も全般に悪いところは少なく、抵抗感の少ないできでしたが、行き届いているところが多い反面、もうちょっと何とかと思ってしまうところもあったのは残念です。それから映画ロード・オブ・ザ・リングを思わせる演出がありすぎて、正統派ファンタジーの佳作であるわりに、若干チープ感が感じられるものになっていたのも何とかできなかったかなあと思ってしまいます。
あくまでも、私の個人的な感想に基づく評価です。