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GIOTAIL ジオテイル 評価
*ジャンル:アドベンチャー・ノヴェル + RPG
*主として2007/07/20版のアップデートパッチ(公式サイトよりダウンロード、リンクはヒントページに)適用状態でのプレイに基づいて書いています。今後修正パッチ公開等があった場合、評価ページおよび攻略ページの記載内容と異なる点が出てくるかもしれませんが、当サイトではフォローしきれない可能性が高いです。そのあたりについては公式サイト等で修正パッチによる変更点などをご確認ください。
プレイ環境
東芝 dynabook Satellite AW6(ノート) CPUCore2 Duo T7200(2.13GHz) メモリ 2GB(PC2-4200
DDR2 SDRAM)
GeForce Go 7600 (256MB) WIN XP Home DirectX 9.0c
他の環境で試してはいないのですが、ゲームのつくりそのものによる「待ち時間」発生によって若干遅い印象になるように思われます。アドベンチャー部分での音声・画像効果表示や探索画面から戦闘への移行などではプチフリーズ?というぐらい停止状態になりますが、戦闘そのものなどは至って早いです。なお、細かいファイルが沢山ありますし、HDDとかメモリなどについてはなるべくパフォーマンスが高い環境の方が良いかとは思いますが、多分相当に良い環境でプレイしても「待ち時間」発生はあるんじゃないかと思います。
どんな感じ?
AVG(アドベンチャーゲーム)とRPG(ロールプレイングゲーム)のミックスタイプ(AVGらしい部分とRPGっぽい部分とが組み合わさっている)になっています。一応戦闘やレベルアップの要素はRPGらしいのですが、あまり戦闘で引っかからないようにという思想らしいゲームバランスのため、RPG要素についてはせいぜい「風味」程度のものでした。またAVG部分についてはストーリーを物語るノヴェルパートの比重が大きく、印象的にはデジタルノヴェルに近いようにも感じられますが、謎解き要素もありますし、選択によるストーリー分岐やマルチエンディングもあります。
以下について詳細な解説は()内の項目に。
○いいところ
・AVG部分の選択肢と分岐の関係は適度な難しさであり、分岐した部分の進行がなかなか面白い(システム、ストーリー)
・選択肢が表示された状態でセーブできるのでやり直しがしやすい(システム、ゲームバランス)
△どっちとも言いきれないところ
・謎解き面については難しいというか、意地悪な面がある(ゲームバランス)
・戦闘に関してはほぼひっかかることはないが、工夫や達成感などの要素もない(ゲームバランス)
・セリフも文章も多い目で描写がしっかりしているが、くどい印象となるところも(ストーリー)
・ダンジョン等の探索画面や戦闘画面は9801あたりであったような古い/懐かしい印象(システム、グラフィック)
×ちょっとね、というところ
・主要人物はほぼフルボイス、脇役は声無し(グラフィック、サウンド)
・「その他」キャラの絵は使い回しが多かったり、平板だったり(グラフィック、サウンド)
・長時間続けてプレイすると不安定になる(不具合?)
・その他細かい点で不具合っぽかったり使いづらいところが見受けられた(操作性、不具合?)
システム・全般
- AVG性の『ノヴェルパート』『移動パート』、RPG性の『探索パート』『戦闘パート』からなります。
『ノヴェルパート』…会話や説明の文章を読むだけ。ところどころに選択肢があり、その後の進行やエンディングに影響する。
『移動パート』…地域マップ上で行きたい所を指定。行ったところではノヴェルパートや探索パートになる。
『探索パート』…特定施設やダンジョンなどのエリアマップ。斜め俯瞰画面に主人公(パーティ代表)がいてこれを操作。
『戦闘パート』…リアルタイム戦闘で、特に指示をしない限り敵味方はAIに従って行動する。
- ノヴェルパート
一番存在感のあるパートですが、プレイヤーがやることはクリックかキー押下をしながら(自動的に流れるようにもできます)セリフや説明文を読むだけです。ただし、このパートでの選択次第で進行の分岐が決まったり、エンディングが変わったりしますから、「読むだけ」とはいってもリニアな一本道進行ではありません。また一枚絵(部分的に変わることも)イベントや、他のパートへの移行(いきなり、ということも)もあります。
クリック等である程度とばし読みできますし、ログボタンによって流れてしまった分も読み直せるのは親切です。(ITMediaのレビューではスクロールボタンで読み返せないのはたるい、というような評がありましたから、プレイヤーによりそこら感じ方の差はあるとは思いますが。)
また、早送りボタンにより大幅に(選択肢や他のパートまで、など)とばすこともできます。なら、リプレイにはそれでと思いますし、実際これをやれば大幅な時間短縮はできますが、飛ばされる部分はほとんど視認もできないほど速いため、未読部分のテキストや選択肢のところで止まった際に何がどうなってこうなったのか分からなくなります。2回目のプレイでは1回目とどこが変わるのかは分からないのが普通ですから、安心してとばせるのは3回目以降ということになってしまいます。それにクエストログのようなものはないですし、次に何をすべきかが分からなくなりがちということもあり、ちょっとためらいます。もう少し控えめな早送りでもあればなあとちょっと欲深なことも考えてしまいます。
このパートではセーブ・ロードもほぼフリーにできますし、セーブデータのサムネイル画像には会話や選択肢が表示されるので見分けも容易なのはやり直したいことも多くなるこういうゲームではとても良いことだと思います。特に選択肢が表示された状態でセーブし、ロードして選択をやり直せるのは親切です。
なお、音声についてはグラフィック、サウンドの項に。
- 移動パート
「つなぎ」という感のあるパートです。行き先を選んでクリックするだけですが、選んでしまうと戻れなくなることも多いです。幸い移動パートではほぼフリーにセーブ・ロードができるのですが、幸いでないことにノヴェルパートに比べるとセーブデータの情報量が少ないためロードしてやり直そうとすると、このセーブデータはどういう段階のものかというのが分かりにくいのです。そもそも、移動パートでは会話ログを見られないし、クエストログのようなものはないですし、どういう情報を得ており、何をすべきかというのはプレイヤーが管理するしかありません。まあ、プレイを続けている際にはおおよそのことは記憶だよりでも大丈夫ですが、このパートで中断して時間をおいて再開という場合にちょっと厄介です。うっかり話の進む場所に行ってしまうとよく分からなくなることもあり得るので。なお、なるべくなら移動パートに入ってすぐのセーブをおいておくという対処はできますし、行く順番を間違えて進行不能になるようなことはありません(ないと思います)。
- 探索パート
斜め見下ろし画面で、主人公(パーティ代表)を操作(操作の具合については操作性の項に)します。ところどころで戦闘が発生しますが、これはランダム発生のものと、イベント戦闘とがあり、ランダム戦闘では「逃げる」選択肢が出ますがイベント戦闘には「逃げる」がありません。ランダム戦闘で「逃げる」が失敗した場合やイベント戦闘では戦うしかないということになります。
イベント戦闘についてはマス目単位での管理がされているようで、イベント終了後でもその地点を通ると回避不可(「逃げる」なし)の戦闘が必ず発生するということが多くなります。同じ地点を何度か通るのが必須という場合も多く、ちょっとうっとうしく感じることもあります。
これは移動パートでも同様なのですが、これらのパートで会話イベントが発生し、うっかりマウスクリックやキー押下をやりすぎたなどによりイベントが終わってしまった場合(具体的にはイベント発生でノヴェルパートに移行し、イベント終了で移動・探索パートに移行するということになります)移動・探索パートでは会話ログを見ることができません。前述のようにクエストログのようなものはないですし、何をすればいいのか分からなくなってしまいますし、総当たり的に解決しても話の流れがよく分からないまま進んでしまうということもあります。これらのパートでもログは見られるようにしておいて欲しかったと思います。
- 戦闘パート
前述のように敵味方が勝手に動き回って攻撃したりするのですが、プレイヤーはその時対象になっているキャラ一人(操作キャラ)に対してのみ指示を与えることができます。戦闘中は味方キャラの状態(HPとMP)は常時表示されますが、敵の状態は分かりませんし、操作キャラや味方キャラの攻撃が効いているのかどうかも分かりません。また戦闘終了後には経験値獲得があり、金の獲得もあるようなのですが、それらについての表示はなく、経験値については移動・探索パートでのCAMPコマンドでキャラの状態を見ることで分かりますが、持ち金については売買をする時まで分かりません。戦闘でのアイテム入手もないようです。まあレベルアップしたとか何か獲得したというのが麗々しく表示されるのが良いとは限りませんが、ここまであっさりしているというのもさすがに達成感や戦闘の意義が感じられず、ちょっと工夫の余地もあるんじゃないかという気はしました。
経験値が一定量に達するとレベルアップしますが、プレイヤーが成長の方向をコントロールするような要素はありません。また、装備変更の概念もなく、プレイヤーがどうこうできるのはほぼアビリティ(スキルや魔法)選択のみとなります。
戦闘に参加するキャラは主人公固定+その他2名の3名のみで、ほとんどの場合4名以上のパーティでの行動となりますから、出撃するキャラの選択が必要となります。これは移動・探索パートでのCAMPコマンドで出撃設定から選んでおくこともできますし、戦闘直前の指定も可能です。先に敵の状態は分からないと書きましたが、戦闘直前のメンバー指定の段階で敵パーティの構成とそれぞれの属性は分かります。本来属性を考慮してこの際に選定すべしということかと思いますが、そのあたりはゲームバランスの項で総合的に見ることにします。
不具合?
- もしかしたら環境依存の要因があるかもしれませんが、長時間プレイを続けると表示がおかしくなったり、入力を受け付けなくなるという現象を何度か見ています。2時間程度(これはおおざっぱな目安で、環境やプレイ内容によっても異なると思います)でいったん終了し、再度始めるようにしてやると大丈夫なようでした。熱問題でもこのような現象が発生する可能性はありますが、冷房+冷却器使用でも暑い環境でも同様にプレイ時間依存でおかしくなることが多いですし、メモリ管理の問題(メモリリーク)があるかもしれません。ゲーム自体の終了→再起動でほぼ問題は起こらないようでしたが、十分に安全を期するならたまにでもPCを再起動してやるのが無難かとも思われます。
修正パッチによる改善点として、
「・探査パートで、徐々に処理が重くなり、まれにゲームが強制終了することがあったのを修正しました。」が上げられているのですが、まだ問題が残っているかもしれません。また、探索パートだけの問題ではないのかもしれません。
- これも修正パッチによる改善点で、
「・セーブデータをロードした際、正しい位置に戻れないことがあったのを修正しました。」
についても、修正し切れていないようでした。正確にいうと、ロード直後にはセーブ時の位置にいるように見えるのだが、すぐ1歩動いてしまう、という現象のように思えます。これが起こるために
罠のないところでセーブしたはずが、ロードすると必ず罠にはまる
イベントが発生するところの手前でセーブしたはずが、ロードするとイベントが済んだ状態になってしまう(高速で進んでしまう?)
など厄介な現象が起こることが何度かありました。
- 似たようなことになりますが、探索パートで踏破済みの部分は色が変わるようなところでセーブし、ロードした際に踏破済みの部分が未踏部分の色に戻ってしまっていた(それも全部がというならいっそスッキリしますが中途半端に戻っていたのでうっとうしいです)ことがありました。
- 数は少ないのですが、ロード直後にイベントの順番乱れが起こるのか、もっと後で発生すべきイベントが発生してしまうというところがあり、何度か試してみたところ再現性がありました。これも話の流れがよく分からなくなるという程度で致命的なものではありませんが、初めて出会うと面食らいます。
操作性など
- ノヴェルパート
このパートは一番しっかり作られているという印象で、欲しい機能もきっちり用意されていますし、インタフェースも分かりやすいです。細かいところにはなりますが、メッセージ確認の際のクリック位置が若干微妙で、メッセージ表示部分であっても機能ボタンの付近など場所によってはメッセージが切り替わらなかったりしますし、カーソルが文章に重ならないようにすると機能ボタンをクリックしてしまったりしがちです。
Enterキー押下なら無難なのですが、どうもクリックよりも多重押しが発生しやすいようにも思えたので。
あと操作性そのものの問題ではないのですが、キャラの会話音声はクリックでとばせるのに、効果音はとばせず、しかも効果音が鳴る間はカーソルも動かなくなって最初は「あれ、フリーズ?」とか思ってしまうのはちょっといただけません。一切合切早送りのボタンとか、Ctrlキーなら効果音も画面エフェクトもとばせますけど、これらだとちょっと早すぎて何もかもすっとばされ、初回プレイには著しく不向きです。クリックで次に進むぐらいが適当で良いのですが、とか思っていたら右クリックで効果音がとばせるみたいです…というのに気がついたのはリプレイもかなり進んでからでした。マニュアルの、Ctrlキーで強制早送りのところにでも書いておいてくれたらいいのに。
- 移動パート
システム等の項で書いている、会話等の見直しができないこと、このパートでセーブした際の情報量の少なさ、という問題点はありますが、行き先を選んでクリックするだけであり、特に操作について気になるところはありません。
- 探索パート
斜め見下ろしタイプのマップに、主人公(パーティ代表)が立っていて、キーボード又はマウス(主人公の足元付近に方向を示す三角形が出るのでこれをクリック)で、四方向のどれかを指定して1マスずつ動かすというもので、WindowsでなくNECの98用ゲームのような印象です。
それこそ98用ゲームの頃からこのタイプでよく悩まされたのが、キーボードの四方向(上下左右)と、画面の四方(東西南北)が感覚的に一致しにくく、間違いやすいという点です。ただし、この点については会話で進むべき方向が教えられる際に、「右上が北」などとゲーム中の会話できっちり示されるのは良かったと思います。さらにその後の同様の場合にも念押し的な記載がありましたし。
キーボードで行き先を指定したい場合には、ついつい「ここまで移動」というつもりで離れたところを指定したくなったりしますが、このゲームではあまり離れたところをクリックはできません。キーボードによるかマウスによるかを問わず、基本的に1マスずつ動かすものと考えておいて良いぐらいです。
- 戦闘パート
戦闘パートのエリアと、敵味方のうろつき具合とを考慮すると表示される範囲が狭すぎます。遠隔攻撃のキャラに焦点があたっていると(デフォルトの操作キャラは遠隔攻撃の主人公なのでよくこの状態になります)結構すぐに敵が表示範囲を出てしまいがちです。カーソルを画面の端に持っていくことでスクロールはできますが、これがまたダーッと行き過ぎてはまた逆に戻してを繰り返したりすることが多くなります。
また、戦闘パートに入る直前には敵パーティの構成とそれぞれの敵キャラの属性が表示されますが(この時にこちらのパーティ編成を行ったり変更もできます)、戦闘パートになってしまうと敵に関しては残りHPがどれぐらいだとか、こちらの攻撃がどれぐらいダメージを与えたかとかの情報がなく、どれだけ攻撃していたら倒れたかしか目安がありません。おおむね序盤ではすぐに倒せる敵が多いので、情報が乏しくても気になりませんが、中盤、終盤と進むにつれてしぶとい敵との出会いが多くなり、苛立つことが増えるようになります。
- ノヴェルパートの効果音について書いていますが、ゲーム中のロードなども結構待たされる印象となり、これまたプチフリーズ?と思うこともあるかもしれません。これは例えばパートから別のパートへの移行で見られる現象で、特に戦闘パートに移るときは止まる傾向がありますが、セーブデータのロードについては特に長いというものではありません。
- セーブデータについては1画面(ページ)に8個保存でき、それが10ページあるので、結構こまめに保存しても大丈夫です。ただし、前後1ページずつしか移動できませんし、セーブ・ロードの際には固定的に最初のページが表示されます。最近だと後の方のページに最新のセーブデータがあればそこが最初に表示されるようなものも多く、そのつもりで前から順に使っていくと終盤になるに従ってページめくりのためのクリックと待ち時間が増えてしまうことになります。
- ゲーム開始直後、会社等のロゴムービーもなければオープニング等の表示もなく、すぐにメインメニューというのは気持ちが良いです。
グラフィック、サウンド
- ノヴェルパート:グラフィック
教室、街角などの背景絵と、そこに登場するキャラの絵だけで構成されます。人が沢山いようが一人・二人しかいなかろうが、そのあたりは登場キャラの絵と文章でしか示されません。想像力の問題ということになるのかもしれませんが、たまに無人の教室の絵が示されて、文章では多くの生徒がどうこうしているというような記載がされる場合などちょっと違和感を感じることもあります。
背景の絵自体はしっかり描かれた印象ですし、雰囲気も出ていて良いと思いました。
キャラの絵も、主要人物については良いのですが、その他のキャラがちょっと…まず生徒の絵が男子と女子しかなく、「その他大勢」の生徒が皆同じというのはさすがに不気味にすら思えます。それでもまだ、立ち絵がある男子・女子なんかはましな方で、セリフのところの顔絵しかないようなキャラだと悲しくなるようなもので、これはちょっとプレイ意欲にもさしつかえるぐらいとなります。ここらはもう一がんばりしてくれていたらずいぶん印象が違ったと思いますが。
- ノヴェルパート:サウンド
主要人物のみセリフがほぼフルボイス(ごく一部声なしのところがありますが、欠落なのか演出なのかちょっと分かりません)、それ以外の人物は無声となります。主要人物とそれ以外の人物とが会話をすると、声+文章→文章のみ→声+文章というようなことになります。私はこのタイプはちょっと苦手なもので、ここでもまたもう一がんばり、せめて出番が多くて役割が重要な2,3人だけでも声ありにしてくれたらなあとか思いましたが、声なしキャラのセリフは説明文と同じノリで読めるので気にならないという人ならさほどの問題ではないかもしれませんが。
主要キャラの声については個性が出ていて中々良いと思いました。ただ、他のゲームでもあることですが、声が高いキャラと低いキャラがいて、高い方に音量を合わせると低いキャラの声が聞き取りにくく、逆をやると高い声の方がキンキンしたりというのはありました。
効果音はそれらしくて良かったのですが、前述の効果音が鳴っている間プチフリーズのような状態というのがあるためちょっと印象が悪くなってしまいました。それと、これも私が苦手だからで人によっては「どうってことない」かもしれませんが、ある局面でキーンという感じの高周波音みたいなのが使われるのは結構不快に感じられてひっかかりました。
音楽については個人的な印象としてまあまあというところでしょうか。曲調はいろいろありましたし、一連の会話で雰囲気が変わると音楽も変わるなど場面に合わせているという点は良かったのですが、ちょっと音質がざらついたような感じだったこと(ここらも環境依存の要因や好みの問題も入ってくるかとは思いますが)、雰囲気と照らし合わせて曲が浮いているように感じるところもあったこと(好みの問題かと思いますが)があって、総合的には、というところです。
- 移動パート、探索パート:グラフィック
移動パートについては特に難はありません。探索パートについては、雰囲気は「懐かしのRPG」調で、このパートと戦闘パートのグラフィックが主として「NEC98の頃のゲームみたいな」という感覚につながっているように思いました。まあグラフィックだけでなく、マス目ごとに戦闘発生とか、リアルタイムバトルとかシステム面でもそういう感覚につながる面はありましたが。懐かし感自体は持ち味ということで良いのですが、ノヴェルパートの雰囲気とはちょっとそぐわないようなところがあってやや微妙です。
- 戦闘パート:グラフィック、サウンド
敵味方ともキャラは「カワイイ」系ですし、もやもや〜っとしたものが飛んでいく描写や、ちょっと間延びしたような効果音も合わさって、メルヘンっぽいような雰囲気になっています。ノヴェルパートで敵味方の生死や世界の存亡がかかったシリアスな話になっていても戦闘はメルヘンというのはまあチビキャラを使うゲームなどではよくあるところですが、これの場合絵の雰囲気もかなり異なる(ノヴェルパートに出てくる魔物は結構おぞましいです)のが微妙な感じになるというのはありました。あと、何だかよく分からないが変なところをうろうろする敵もいたり、ちょっとダメージを与えるとすぐに表示範囲の外に逃げていったりというのも、「これって怖い魔物だったんじゃないの?」みたいな感想を呼び起こしたりします。
まあ敵キャラがカワイイのは持ち味としても、ボスとか終盤の方で出てくる難敵についてはそぐわなさが増しますし、そういうのの外見がスケッチかラフ絵みたいなのもあったりしてちょっといただけないという感じを持ちました。
- メインメニューからイベントの一枚絵を見ること、ゲーム中の音楽を聞くことができます。音楽は当初からいろいろ聞けるようになっていますが、絵の方はイベントをこなしてゲーム中で見たものしか選べません。一覧表で穴が埋まっていくことで、分岐や異なるエンディングを見たという度合いを知ることができます。
- 小ネタてきなことになりますが、場面によって「システム」「ログ」などのボタンの表示が違っています。ちょっと不統一ではありますがまあ戸惑うほどのこともないでしょうし、雰囲気を出すための工夫としてささやかに面白いと思いました。
ゲームバランスなど
- 選択肢とリアクション変化やストーリー分岐との関係については、おおむね見当をつけやすく、望みの方向に持って行きやすい方だと思いました。ただ、選択肢とエンディングの関係についてはヒロインとの関係よりはかなり見当を付けにくいですし、ヒロインの一人についてはエンディングまでそのキャラのルートで行こうとすると途中でちょっと難しく(見落としやすく)なっていたりはします。
- 経験値獲得と成長、そして戦闘というRPGっぽい部分についてはとてもイージーです。訓練所なんてところがありますから、これは結構鍛えないと戦闘で苦労するかも?なんてことを考えるかもしれませんが、あれはむしろ「謎解き」の訓練所だと思ってもいいぐらいです。訓練所を一切利用せず、ザコ戦も極力回避でも必須の戦闘を悠々切り抜けられる程度の難易度ですし、訓練所やザコ戦で積極的にレベルアップした場合と比べて格別戦闘が大変だとも感じられません。序盤の敵は、極力鍛えずにやった場合でも簡単に倒せますし、終盤の敵は相当に鍛えてレベルアップしていても結構時間がかかります。それでも相手がタフで倒すのに手数は要りますが、こちらの受けるダメージはたいしたことがないので、1キャラに集中してヒットした場合にちょっと回復ポーションを使う程度でことたります。
- そういうバランスなので訓練所は各ランクで1回謎解きをしてクリアすればもう利用しない、という建前なのかもしれません。一度クリアして後で行ってみるとランクごとの説明メッセージは表示されるが、マップはクリア後のものという変な現象が生じました。多分章ごとぐらいで(中途半端に)リセットされるみたいです。ただし、訓練所でザコ戦を繰り返して鍛えるには特に問題にはならないようでした。前述のように実はあんまり鍛える意味もないんですが…
- HPとMPの消耗は時間が経てば回復するので、動かさずにしばらく止めておけば戦闘が発生することもなく安全に回復できる(しかもそんなに時間がかかって面倒というほどでもない)というのもバランスがイージーだと感じる一つの要因になっていました。
- 戦闘パートで自分なりにいろいろ工夫してみるとよく分かりますが、戦況は把握しにくいし、キャラへの指示もやりやすいとはいえないです。正直RPG好きの人には手応えがなさ過ぎるとは思いますが、この作りで戦闘中忙しく指示をしなくてはならないというのも苦しそうです。結局ほったらかしておいてもいいというこのバランスが好適なのかもしれないとも思います。
このあたりは、戦闘で勝つために苦労をしないようにという設計思想かと思います。ストーリー展開を楽しんで貰い、苦労するなら選択肢と分岐、謎解き面の方でという、いわば、アドベンチャー性の方がメインであり、RPGは風味付けというようなものを感じました。
- 「どんな感じ」でも書いていますが、主として探索パートで出会う謎解きは難しいというか意地悪という印象が若干強く感じられました。その要因ですが、必要な情報を得るためにかなり歩き回らなくてはならないというあたりはまだ普通かと思いますが、トライして失敗しないとヒントが得られないとか、リアクションからやったことが正しいかどうか判断しにくいとかが話を厄介にしていたように思います。
- 移動パートについては、コマンド選択アドベンチャーによくある「総当たり」が有効で、そう難しいものではありません。また順番を間違えるなどでアウトになることもないですが、あるところに行くと話が進んでしまい、他のところのイベントなどを見逃すこと、それによって話が分かりにくくなることなどはあり得ます。
ストーリー、キャラ
- ストーリーは学園もので異世界が出てくるファンタジーものとしてはオーソドックスなところだろうと推測します(そういう小説・ゲーム等にあまりなじみがないので推測ですが)。若干話の進め方が強引だったりする面もありますが、あまりひっかかる所がなく進められました。
ただ、実をいうとプロローグ部分のノヴェルパートではいかにもな学園ものらしさ、会話と説明のくどさ、登場人物の極端さにかなり辟易し、ちょっとこれは最後までやれるかなあと不安になったものでした。(やや前のことになりますが、学園ものファンタジーのアドベンチャーに手を付けたとき、このような感触が結構長く続き、とうとう止めてしまったことなどを思い出したりしました。)しかし、第1章からは話が面白くなってきましたし、謎解きや戦闘の要素もあってゲームとして楽しめるようになりました。私の好みからは説明文の心理描写あたりはちょっとくどいように思えましたが、嫌気がさすほどでもなかったです。
- 分岐がいろいろあるのは結構なのですが、いろいろな分岐を見ないと分かりにくいところが出てくるという面はありました。他の流れも見てみようという気持ちになれたら良いのですが、なんだか説明不足だなあと思ってしまうかもしれません。
さらにはいろいろな分岐を見ても結局よく分からないところも残る(もしかしたら私の見落としかもしれませんが)のですが、それは歴史とか伝承についての部分なので、曖昧なところがあってもしかたがない、ということなのかとも思います。
- 分岐のうちには、特定の女性キャラと主人公とのイベントが沢山含まれます。大筋は同様ながら個々のキャラの個性に応じてうまく話を作ってあり、ここは他のキャラならどうなるだろうという興味が持てます。
- 分岐が多いだけあってか、たまに不整合(ここでそれはないだろう、というようなこと)がありますし、分岐と無関係に移動パート←→ノヴェルパートで、あっちにいるはずのキャラがここの会話に出てくる、なんてこともありました。ひどい破綻はなかったですが、なるべくなら細かいところまでしっかりやってある方が望ましいには望ましいです。
- また、誤字誤変換よりも脱字や欠落らしいものが目立つ傾向がありました。修正パッチ段階で訂正が行われたようですし、意味不明になったり不整合を生じるようなひどいものはなかったですが。
総合的にみて
既に書いているようにRPG要素については味付けとか気分転換程度のものと思っておいた方がいいです。つまり、主としてアドベンチャーゲームだと考えておく方が「裏切られた」と感じるところが少なくて良かろうということです。
その上で、システム、操作性、グラフィック、サウンドなどの面では「もう一がんばりしてくれていたら」という点があちこちに見受けられましたし、謎解き面では「苦労させてやれ」的な意地悪さが目に着くところもありました(これは一概に良いところ、悪いところとは決められず、手応えのあるのを求めるプレイヤーならいい要素になると思いますが)が、選択肢とストーリー分岐やマルチエンディングの要素については、かなり楽しめるものになっていたと思います。前述の謎解き面の意地悪さはリプレイとなると激減するので、「ここでこうしてみたらどうなるだろう」とか「今度はあのキャラと」とか考えて繰り返し遊べますし、リプレイの助けになる早飛ばしや、参考にも目標にもなる画像穴埋めなどの要素もあります。
できればもう一度ぐらい問題修正のパッチでも出して貰えればいいのですが。
コンセプトとしては良いですし、面白い面も持ち合わせており、特にRPG部分を中心にもっと改良された後続作が出れば嬉しいと思います。
あくまでも、私の個人的な感想に基づく評価です。