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Dungeon Siege II (ダンジョン シージ2) 評価
*ジャンル:アクションRPG
修正パッチ適用なしの状態でのプレイに基づいて記載しています。リプレイ時に途中からv2.2パッチを適用しましたが(詳細は全般ヒントページ)、私の場合には特に変わった点は見あたりませんでした。
プレイ環境
Epson Direct Endeavor 9000Pro(ノート) CPU Pentium M 770(2.13GHz) メモリ
1024MB(PC2-4200 DDR2 SDRAM)
GeForce Go 6600 (128MB) WIN XP Home DirectX
9.0c
1024×768で各種オプションを一番高く設定しても、ほぼ不満を感じることなくプレイできました。(敵が多数出る戦闘などでは画質が低下していたかもしれませんが、忙しくて見た目に構っていられなかったというのが実情です。)ただ、どういう状況でという特定ができないのですが、たまに動きが止まってしばらくしてから動き出すことがありました。長時間続けると起こることがある、一度起こるとその後もありがち、というようなことからメモリの消費と解放あたりの問題ではないかという気はしました。
どんな感じ?
ダンジョンシージ(以下DS)の続編で、システムなど基本的にはDSやその拡張であるアランナを引き継いでいます。DS本編・拡張アランナが有していたストーリー性やNPCの人間性の希薄さ、クエスト達成の手応えのなさなどRPG好きには不満が残った点について、かなりの改良がなされていますし、アランナで見られたアイテムコレクションを楽しめるようにという配慮なども受け継がれています。
ただ、変更点の中には万人受けしにくそうに思える点もあり、セーブデータの扱いなどは、何度もプレイしてほしいという意図が悪い方にいってしまったように思いました。
以下、詳細な解説は()内の項目に
いいところ
・DSやアランナ同様にきれいな世界を旅する気分になれる。(グラフィック、サウンド、システム)
・ストーリー展開の見せ方や、クエストの手応えとか連関性、NPCの人間的部分がしっかり作られている。(システム、ストーリー・キャラクタなど)
・戦闘では敵に対する攻撃を右クリックに割り当てたことで、移動・選択との誤操作が低減された。(操作性)
・キャラ育成はスキルツリーの導入で従来よりいろいろできるようになった。(ストーリー、キャラクタなど)
・また、ペットにも成長の要素があり、これが不要アイテムの始末もかねたものとなっていた。(ストーリー、キャラクタなど)
どっちとも言いきれないところ
・会話などはほぼフルボイスで若干かったるい所もあるが描写としては良い。しかし、会話は早飛ばしのようなことができるが、演出にはとばせないものもあり、厄介な戦闘の前などではうっとうしい。(システム、操作性)
・操作については概して分かりやすく、使いやすいが、ごちゃごちゃしたところでの移動などに若干難が残っていた。(操作性)
・多くの敵が再生することになったので、編成・育成の自由度は増したが、往復が面倒な面も。(システム、ゲームバランス)
・NPCの役割表示やマップの矢印はセイクリッド、スキルによっては自然環境からポーションを得られるあたりはディヴァイン・ディビニティなど、他のゲームを思わせる要素がいろいろある。
ちょっとなあ、なところ
・セーブは一つのみで、見直し、やり直しの幅が狭くなった。(システム)
・加えてどこでセーブした場合にもロード時は街などからとなり、敵再生設定と併せて止めにくい段階が長くなる。(システム)
・パーティメンバーに対する個別、一部への指示がDSやアランナよりしづらくなった。(操作性、ゲームバランス)
・ジャーナル機能は全体的には良いが、マップの使い勝手が悪い、クエストログでは会話で得られる有用な情報が収録されないなども。(システム、操作性)
・全体的には易しい印象なのに、戦闘でのストレスが感じられることがしばしば。(ゲームバランス)
DS等との関係
システムの基本的なところ、グラフィックや音楽など、世界観などは共通するのでプレイ感としては似た印象となります。しかし、特にDSやアランナを踏まえたというものではなく、従来作をプレイしていなくてもこの2を楽しめると思われます。ストーリー展開のドラマチックさや、クエストやNPCの存在感などを考えると、RPG好きな人だったらDSやアランナよりもこっちの方がより楽しめる可能性は高そうに思われます。
システムなど
- 基本的にマイキャラは一人で、NPC(パーティ入り可能な相手のみ)やペット(ショップで購入)をパーティメンバーにすることができます。ゲームはメインクエストを次々とこなしていくことで進行し、一本道タイプになりますが、マイキャラの育て方やパーティ編成の面でいろいろできますし、必須でないクエストもかなりあり、息の長いものや連鎖的に発生するもの、特定のNPCがパーティにいると発生するものなどいろいろあります。また、探索できる地域は広がっていく一方で、すでに行ったところに行くことはほぼ自由にでき、あまり一本道らしい息苦しさを感じるゲームではありません。
- いきなり不満な点から始めるのはこのゲームに気の毒なのですが、大きな変更点なのに公式サイトなどでは把握しづらい点なので。セーブロードに関してです。従来作ではセーブ・ロードはイベント進行中でもない限りほぼフリーにできましたし、セーブデータ数も沢山保存できましたし、ファンクションキー一発のクイックセーブ/ロードもありましたから、やり直しなどは容易でした。
ところが今作についてはセーブは一つだけ、フィールドでもダンジョンでもどこでもセーブはできるが、そのセーブデータをロードして再開した際には街(などの拠点)からということになっています。原則的に一期一会思想みたいなもので、やり直しは視野に入っていないようです。私は攻略をやっていますから特にそうですが、一般プレイヤーでも「あそこでああしたら?」というようなことは結構あるんじゃないでしょうか。ちょっとこれは好きになれない設定です。(私が確認できた限りではということですが、エクスプローラ等でセーブデータ等を別所にコピーし、それを書き戻せばセーブした状態から正常に続けることはできました。)
- もう一つ大きな変更点は敵の再生です。多くのザコ敵は移動中などではある程度、ロード後にはほぼ元通りという感じで再生しているので、キャラを成長させるための経験値稼ぎは容易です。ですから、成長の方向性や仲間の選択にあたっても、従来作にあったような「経験値は限りある資源→失敗すると痛い」という面はあまり感じられず、スキルや仲間を選ぶ際の負担が軽減されています。
- 反面、同じ所を通るのに同じような敵と戦闘をして、という面倒さにもつながります。このあたりは、特に稼がなくてもクエストなどやっていれば成長できるというゲームバランスの兼ね合いになりますし、まとめてゲームバランスの項で詳しく書くことにします。
- ダンジョンに入ろうがフィールドに出ようが、遠くまで行こうがロードの負担を感じることがなし、というシームレスさについては、DSやアランナと同様です。ただ、どちらかというとゲームバランスの問題ですが、ダンジョンや建造物の入り口付近ではこちらからは外が見えないのに敵は外から寄ってくるという一方向シームレスみたいなことが多発するのはちょっとイヤでした。
- キャラメイクでは種族を選べて、これがいくらか初期パラメータに影響しますが、それ以外は従来作と同じくほぼ外見を決めるのみとなります。種族がクエストやリアクションに関係するかなとちょっと期待しましたが、そういうこともないようです。
- 成長について従来作と同様に何を使わせ何をさせるかで能力値の伸びが決まっていくという要因が大きいものになります。ただ、今作ではスキル・スキルツリーというものが持ち込まれました。従来作では戦闘能力とタイプ(近接攻撃、遠隔攻撃、自然魔法、戦闘魔法)があるだけというシンプルなものでしたが、今作では近接攻撃でも片手+盾の防御に強いタイプにするか、両手武器持ちにするか、二刀流にするかというように成長の方向を選べることになります。このため育成面では従来作より楽しめる(迷える)ものになっていたと思います。
- 従来作でもペットがいて成長の要素もありましたが、今作ではNPCライクの各種ペットが登場し、それぞれのスキルやパワー(スキル依存の必殺技のようなもの)で戦闘にも活躍してくれます。それでは存在意義は?ということになりますが、その点についてはゲームバランスの項で総合的に書くことにします。また、何人までのパーティを組めるかについても変更がありますがこれもゲームバランスの項に。
- お便利機能はいろいろ充実していますが、チュートリアルとクエスト関係は特に親切です。ゲームの超序盤は実質的にチュートリアルに近いもので、実戦的にゲームをすすめながら基本的なことを学べるようになっています。クエスト関係ではジャーナルにはメインクエスト、サブクエストごとに、なすべきことが段階的に示され、済んだ段階にはチェックマークが入ります。さらに、画面に表示されるミニマップにはクエスト解決のために行くべき方向が矢印で示されます(メインクエストのみで、セイクリッドプラスのようにサブの分まで示されたりはしません)。
オマケ的なものにはなりますが、ジャーナルにはモンスター辞典もあります。
- しかし前項のような機能が問題なしに助かるかといえばそうでもなく、クエスト発生や進展の会話で得られる情報のうち、ジャーナルのクエストのところには記載されないものも結構あり、これが必須ではなくても有用な情報であることが多いのです。また、迂回路等の関係によるものかミニマップの矢印に従っていれば大丈夫というわけではないこともあります。致命的なことではないですが、なまじ便利な機能があるばっかりにという面があるのはちょっと悲しいです。
- 序盤のチュートリアル部分などはしっかり作られていますが、ゲームが進むと、お便利機能や今作特有の改善点と、基本的なリアルタイムシステムとのかみ合わせが悪い部分が目につくことがあります。たとえば、ジャーナルが更新されたとか、ここでセーブするかとかのダイアログが表示されたり(表示させないように設定できるものもありますが)、NPCがらみの会話イベントが発生したりしている時に敵が襲ってきたりすることが結構あるのです。表示やイベントの際には進行がストップするようにするとかしてくれないと、せっかくの工夫がプレイヤーの悩みの種になってしまうことがあります。
- クエストアイテムの扱いには気を使わなくてはなりませんが、DSやアランナであった会話により何かアイテムを渡される場合いったん床に落ちて拾わねばならないため、うっかり見落とすと結構面倒な事態になりそうだという問題については、クエストアイテムを別扱いとすることでその種の問題を回避するようになりました。クエストアイテムとして扱われるものはインベントリに入らずジャーナルで確認可能となり、うっかり捨てた売ったというようなことがなくなります。ただ、サブクエストの中には関係するアイテムがインベントリに入り、何かで失ってしまうこともありそうです。クエストによるかもしれませんが、再度取得可能など救済策が設けられたりもしていますけど、これもなまじ便利な機能があるために「インベントリのものは必須じゃない」という気分になってしまいそうでして…
操作性など
- 移動、攻撃、操作などほとんどがクリックというシンプル志向の操作体系も基本的にはDS・アランナそのままです。また、戦闘では敵に対する攻撃を右クリックに割り当てたことで、(左)クリックで行う移動・選択との間違い発生がなくなり誤操作が低減されています。ただ、(左)クリックが攻撃というのに慣れている人だと、ちょっととまどいや間違いを感じられることがあるかもしれません。また、攻撃を続けるには右ボタンを押し続けるか、右クリックを繰り返す必要があり、「戦闘姿勢」とのからみによりますがちょっと面倒なこともあります。
- 移動の際に移動先指定と、キャラ指定とが混同する、というのは依然としてあります。キャラ指定はキーボードでもマウスでも可能なのに対して移動はマウスでしか指示できないわけで、移動もキーボードでもできるようにするか、キャラ指定はキーボード又は顔絵クリックのみとしてしまっていいように思うのですが。
また、地形にはまったりするのを避けるためか、フィールド上で通れるところは意外に狭いようにも感じられました。移動先として指定できずいらつくことも結構ありましたし、なるべくならキーボードで方向を指定したらそっちに行ってくれるようなやり方も可能にしてほしいです。
- 従来作では本筋がらみやクエスト関連で画面でコンタクトしなくてはならないキャラや入手しなくてはならないアイテムが視認しにくいというのがありましたが、キャラにはマーク、アイテム等には効果を付けているので今作では見落としは激減すると思います。
- ただし、昇降機や隠しドアなどの操作ボタンや操作レバーが視認しにくいことは結構あります。ミニマップのマークが手がかりなのですが、これもあまり見やすいものではないですし、マップを縮小していると特に確認しにくくなります。ついでに実害は少ない(少々稼ぎが減る程度)ですが、何か入った容器(開いて取れるもの、壊して取れるもの)も視認しにくいものが多いです。
- ミニマップについてはまあこんなものでしょうが、従来のメガマップとか、思い切りすかっと見渡せるものがないのが不便に思えました。敵が再生するからずっと通常画面でやれということかなとは思いますが。また、ジャーナルにある世界マップ、街のマップなども方向の見当程度にしか使えず、マップ関係ではちょっと親切機能が不足なように感じられました。なお、Tabキーを押すと従来作にあったのと似たようなマップが表示されますが、このキー操作についてはマニュアルに記載されていません。
- DSではあまり気にならず、アランナでは気になったのが地面に落ちているものを拾う際のZキーでの取りこぼしでしたが、今作ではあまり取りこぼさなくなっています。ただ、拾い回ってくれる範囲が結構狭いようには感じました。ゲームバランスの項に書きますが、結構敵がワラワラ来ますしつられて深入りというのもありがちで、一段落付いた際にはかなり広範囲にものが散乱しがちになるゲームです。見えているのに拾ってくれないのにちょっと苛立つこともありますし、取りこぼさないようにと思うとちょっと注意が必要にはなります。
- また、DSやアランナで気になったのが、装備品の能力値修正で、修正してくれる装備品を外した際、修正の御利益で装備可能になっていた他の装備品が床に落ちる(手持ちのアイテム欄にも入らないので売買の際など結構面倒)というのがありましたが、今作は設定でそういう現象を避けています。装備品の付加効果は能力値やスキルに対するものですが、装備可能性に対する制限はキャラレベルまたは戦闘能力(クラス能力)レベル(自然魔法レベル幾つ以上など)になっていたりするからです。これは余計な手間が減って助かる設定です。
- これも結構大きな変更かと思いますが、従来作では一人とか一部のキャラを指定して移動させたり行動の方針を設定したりすることができました。ところが、今作ではキャラを指定してもそれは代表者を指定するだけであり、基本的に移動指定ではパーティ全部が移動しますし、行動の方針は「模倣」(代表者にならう)か「好戦」(積極的に攻撃)かとなります。このことによって戦闘がどうなるかについてはゲームバランスの項にまとめて書きますが、操作の点では少々どのキャラを指定していようが同様という感じである種の容易さにつながってはいます。
- いずれの設定にしておいてもたいていはパーティがまとまって動いてくれます。しかし、何の具合かたまに取り残されたメンバーというのが出てくることがあります。発生する確率は低いのですが、それだけにうっかりそのまま続けてしまったりしますし、このゲームでは敵再生があるので取り残された一人がいつのまにか後方の敵と交戦していたりします。
また、昇降機などに乗る際も、ほとんどの場合レバーやスイッチ操作の後に全員がちゃんと乗ってくれることになるのですが、これまた「何の具合か」という感じで、たまに取り残されるメンバーが出ることがあります。いずれも確率は低いのに、そこに文句を付けるというのはゲームに対してわがままなことかとは思うのですが、やはり出会うと苛立つし、気になる現象ではあります。
- 「模倣」設定は比較的まとまって動いてくれますが、戦闘の際にいかに敵が接近しようと攻撃してこようと指示するまではボーッとしているという間抜けさがつきまといます。ゲームバランスの項にまとめて書きますが乱戦になりやすいゲームですし、敵の視認が必ずしも容易とは限らないこともあって、腹の立つことが起こりがちです。一方「好戦」設定だと、そういう間抜けさはないのですが、あまり敵がいないところですらメンバーがばらけがちですし、突っ込んでいって乱戦になりやすいという要因もあります。
- いずれの設定の場合にも起こることですが、敵に対する攻撃をする際にはプレイヤーが状況をよく見ておいてやらないと、近接攻撃要員は変に回り込んで攻撃に行き、余計に敵を呼び寄せがちですし、遠隔攻撃・魔法攻撃要員は障害物(壁とか坂とか)があって、決して敵に当たらない状態であっても平気で攻撃を続けることがよくあります。具体的な注意点はヒントページの方に書きますが、戦力的に優位であったとしてもあまり安心してほったらかしにはできないことになります。
- カメラの移動についてはおおむねストレスを感じることは少なかったです。マウスポインタが端にいくとカメラの移動になりますが、未踏の領域はそうそう焦って進むもんじゃないし、意図せずに画面がグルっと動いて気分が悪くなるというような状況にあまりならなかったので。
- これは初代DS以来の問題で、しかも他の3Dゲームでもみかける現象なのですが、入り口のような部分を通過した際とか、フィールドでも狭いところに入った場合などに、勝手にカメラの角度が変わってどかっと拡大されてしまい、調整も小さな範囲でしかできなくなるし移動もしにくくなるというのがありました。今作ではそういうことが起こる場所は少なくなっていましたが、ところどころでは発生しました。こういう場合でも強制的に縮小できる(仮にパーティが見えなくなっても、移動は指定できる)ようになっていると助かるのですが。
グラフィック、サウンド
- グラフィックについては、風景などについては大変美しいですし、それぞれの街、砂漠、遺跡、森林、山などの雰囲気もいろいろで、またしっかりと描かれていて、本当に見ているのが楽しくなります。
- 魔法効果とか、飛び道具の軌跡とかは、画面が見づらくならない程度で適度に派手で好印象です。
- 従来作ではかなりリアルな臨場感があり、崖っぷちとか一本橋とかが多いので高所恐怖症の人だとちょっと怖いかも?と思うほどのところがありましたが、今作ではあまり端に寄れないようなこともあり、それほどでもなかったです。
- サウンドは、効果音などは良かったです。従来作では、方向性などを若干強調しすぎている嫌いがあり、滝の音や機械音などが、ごくわずかに動くとか向きを変えただけとか、キャラ選択をしただけでも急に大きくなったりほとんど聞こえなくなったりすることがあり、ちょっと気になったものでしたが、今作はそのあたりもほどよく処理されていました(もしかしたら環境依存の要因があるかもしれません)。
- 音楽はまあ期待通りというところでしょうか。従来作とフレーズや印象が似たものが多いですが、シリーズの統一感を重視すればそうなるものかと思います。これはアランナの伝説と今作とに共通して感じたところなのですが、フィールドやダンジョンの音楽はとてもいいのですけど、山場とかそういうところでは、もうちょっと盛り上げて貰うとゲームにメリハリが出たのではないかという印象が残ります。
- 従来作ではナレーションとか音声はほぼ完全に日本語化されていたりもしましたが、今作は英語のままです。どちらがいいか悪いかはプレイヤーの好み次第になると思います。
ゲームバランスなど
- DSやアランナは敵が再生せず戦闘機会が限定されたゲームですが、ゲームバランスについては全体を通してかなりよく配慮されていたものでした。また、難易度設定はほとんどいつでも変更が可能でした。これに対して今作ではほとんどの敵が再生し、好きなだけ戦闘をやって経験値などを稼げる一方、クリア後の二周目要素を除いては難易度設定というものがなく、戦闘が難しすぎると思った場合にはメンバー変更、メンバー強化、装備改善などによらざるをえません。
- ただし、初回プレイについては、さほど意識的にザコ叩きをして強化を図らなくても、メインクエストを追っていき、主立ったサブクエストをこなすぐらいにしていけば、大体戦闘は切り抜けて行けるなあという印象です。ただし、パーティ編成や育て方、サブクエストをどうするかなどによってかなり成長の程度→難易度の印象は変わってくることかとは思いますが。
- 前項に書いたように、全体的に見れば、難易度的にはそう難しいという印象にはならないわけなのですが、プレイしている最中に感じること、つまり部分部分については結構難しいというか、神経を使うというか、ストレスを感じることもあります。その要因としては、
(1) 敵がかなり多数いるところもあるし、それほどでもないところでも、戦闘をしているとかなり遠方の敵まで寄ってくる傾向が強い。結局よほど戦力に差が付かない限り(一、二撃で倒せない限り)結構な数を相手にする状況が多くなる。
(2) 敵が上から降ってくるとか、ジャンプやテレポートなどで急速に接近してくるとか、突如出現するとかが結構あって、用心していてもすぐに多数の敵を相手にしなくてはならなくなる。
(3) 敵がパーティの前の方にいる近接攻撃要員を無視して後方においている魔法タイプなどを襲ってくる状況がごく一般的に起こる。(ただし特定の相手に執着する傾向は従来作ほど強くないように思われた。)
(4) 遠隔・魔法攻撃タイプの敵は下がりながら攻撃を繰り返し、より多くの敵がいる方向にパーティを引っ張っていきがちである。
- 前項のような敵の傾向に対して、パーティはというと、一部メンバーの行動というのがし難いため、従来作のように盾役近接攻撃要員をどかっと構えさせておいて、遠隔・魔法で敵の一部を引っ張り出すというやり方が非常にやりにくいのです。この点に関しては、敵がワラワラと寄ってくる傾向の強くなったアランナでも初代DSよりはやりにくくなっていましたが、今作ではパーティが一括行動するのが建前のようになってきてことさらにその傾向が強く感じられます。要はそういうせこい戦いをするな、敵味方どかっとぶつかって戦えよということでしょうか。これがために前項の(3)や(4)への対処が大変にやりにくいことになります。
まあとにかく、そうなりがちなので、敵再生の設定をも併せて考えると乱戦状態前提でそれに耐えられるぐらいまでパーティを強化してから先に進むということが想定されているようです。
(なお、待機や防御をさせることが全くできないわけではありません。ただし、特に設定しないと使えないようになっています。)
- さらにストレスがたまるのが、何らかの操作をしなくてはならない場合で、ちょっとレバーやスイッチを入れるとかテレポーターを使うなんていう場合ならいいのですが、もうちょっと位置関係など考えなくてはならない操作もあり、こういうのはごちゃごちゃと全員で行くというのはとてもうっとうしいのです。一部の戦闘では戦闘中にそういう操作が必要となる場合もあり、単にうっとうしいのみならず、操作が遅れる、うまくいかない、味方に被害が出るなどの実害を伴うこともあります。一人以外を下げて退避させ、一人にやらせるとずいぶん楽になるのですが。
もう一ついうと、戦闘にそういう工夫がされている(単なるぶつかり合いではすまない)場合があることはいいのですが、そのことと、細かく行動させられないシステムとの整合性がちょっとなあ、ということにもなります。
- システムの項で書いている、ロードで街に戻される+敵再生による「止め時の難しさ」ですが、これもいろんな要因がからんできています。その二つと併せて、「止め時の難しさ」「ロード再開後の面倒さ」に寄与する要因を挙げてみると、
(1) ロードで街に戻され、セーブした時点で居た場所まで再び行かなくてはならない
(2) 敵が再生しているので(1)にあたってはまた同じような戦闘をしつつ進まなくてはならない
(3) 前述の「部分的難しさ」が戦闘に対する億劫さに拍車をかける
(4) 親切設計のはずが案外迷う(マップの使い勝手の悪さが寄与)
- ただし、敵再生の設定により、何度もやりなおしていれば経験値や金、アイテムは稼げることになります。また、そういうことを想定しているのか、必須でないクエストのうちにはある程度話が進まないと発生しない、進展しないというようなものが結構あり、達成や報告のための往復が多くなる傾向にあります。つまり、クエストをしっかり拾ってはこなしていけば、特にザコ叩きのようなことをしなくてもちゃんと育つという面もあるわけです。このあたり、同じような戦闘を繰り返すと爽快感より単調感が強くなるという現象の影響もあるでしょう。
- 戦闘後にアイテムを拾い集めたり、街などに持っていって売却したりというのが、結構面倒に感じます。安アイテムよりは金の入手が多くなっているようで、そこらの面倒さを緩和させようという方向にはあるみたいなのですが、繰り返している時や終盤はやはり面倒になります。
- もうひとつ言うなら、同じような戦闘を繰り返すことによる単調感と、戦闘後の拾い集め、戦闘前後の調査などの行動がだんだん作業のように感じられてくるというのが、続けているほどに戦闘の爽快感を上回りがちになります。疲労(プレイヤーの)や、マップの使い出の無さ+ジャーナルやミニマップ矢印の不行き届きなどによる「複雑なマップでもないが案外迷う」現象がこれを増長します。
ここで「セーブして一休みしてからロードして続ける」が選べないというのが結構つらいのです。テレポーターがあるところまで行き着けば、そこと街とは瞬間移動ですから、安心してやめられるのでして、テレポーターの配置も全体として見れば適正なところにあるとは思うのですが、実際にどこにテレポーターがあるか分からず進んでいる(しかもこっちでいいのか?と疑問だったりする)際には、テレポーターまでがんばればというのも、目的地までがんばらなくては、というのも同じようなことに思えてしまいます。
- 特にこの傾向が強くなるのが終盤で、まあ終盤の敵や厄介だ、カタイというのは当たり前のことかとは思いつつも、次から次へと同じようなカタイ敵、戦闘後には使い出のないアイテムがわんさか、というのを繰り返していくと、初代DS以来の「爽快感を上回る単調さ」という問題点はやはり健在だったかとちょっとうんざりしてきます。
- システム的なことになりますが、戦闘で受けたダメージが大きいと気絶(行動不能)→死亡の段階をたどり、全滅しない限り一部のメンバーが死亡しても続行できます(蘇生手段もあります)が、全滅するとゲームオーバーですし、NPCがパーティにいない場合(主人公のみまたは主人公とペットしかいない場合)主人公が死亡すると即ゲームオーバーみたいなことになります。この際には「復活」しか選べず、「復活」により街(などの拠点)からのスタートになります。この際には「終了」でメインメニューに戻る選択もあって欲しかったです。
それというのも、「復活」した際には身一つで街からスタートすることになり、装備品等は死亡した場所まで取りに行かないといけないからで、一切がばらまかれる従来作よりは回収が楽になっている(クリック一つで事足ります)とはいえ、敵再生がありますから、その地点まで戦闘して切り抜ける、あるいは走り抜けることができるか?ということになってしまいますから。
追記:当初、主人公死亡でゲームオーバーと書いていましたが、これは主人公+ペットのパーティでのみ確認していた状態で、その後NPCがいるパーティでは続行できることが分かりました。
- ただし、今作の敵再生設定により、キャラの成長やパーティ編成は柔軟にできるようになりました。従来作では経験値が限りある資源であることが枷に感じられて、非常な覚悟を要したものでしたが。
- また、パーティに入れられるNPCは金を要求しませんし、そこそこの初期装備などを持っています。しかし、当初は主人公以外に一人しか入れることができず、それ以上増やそうとすると宿での手続きが必要となり、その際に結構な(序盤では)額の金が要ります。何でこういう制限をしようとしたのかよく分かりません。
- また難易度(一度クリアするまでは選択の余地がないのですが)によって上限が異なります。初回プレイではがんばって金をためたとしても全体で4人にしかできません。ある設定により、近接、遠隔、自然、戦闘がそこそこ使えないと、マップ上で行けないところが出てくるので、これは遊びの余地がない編成を強いられることになり、ちょっときついのではないかとも思いますが。
- 強化された面の一つに各種ペットの存在があります。従来作より強化できますし、強化にあたっては不要アイテム処理も兼ねられますし、ポーション使用なども可能で使いやすくなっています。ペットが完全にNPCパーティメンバーの代替にもならないので、上記のような制限がいささか厳しく感じられるのが残念なところでした。
しかし、キャラの顔絵などはおいといても、ペットの外観が敵っぽいのはちょっと慣れにくいですね。かなり続けていてもうっかり戦闘中に敵と間違えてしまうことがあるほどです。
- 従来作から敵からのアイテムゲットも相当に多い上、樽や箱の多さに閉口するという問題点がありましたが、今作ではそこそこ多いものの中身の多くがインベントリを占めない金であったり、ペットに与えるという方法もあったり(ペットを連れていればですが)して、比較的面倒さが低減していました。とはいえ終盤には前述のようにかなり面倒に思えたものでしたが。
- 合成的要素については微妙でした。うまくいけば店売りや敵等からのゲットよりいいものを作れることもたしかにありますが、入手機会やそれを含めた全体的な手間を考えると結局微妙になってしまいます。どうもちょっと「取って付けたような」システムと感じられ、おさまりがよくありません。こういう要素を入れるなら、トータルでゲームバランスをもうちょっと調整して使い出のあるものにしてほしいです。
- もう一つ微妙だったのが、呪歌の祭壇とチャントです。まあこれを使わないといけないような場面なども設定されていますが、それ以外にとても有効かというと、そこが「微妙」になってしまうので。多分、クエスト達成などのためどうしても使わなくてはいけない場合以外となると、「ちょっと使ってみたけど…」てなことになるんではないかと思いますが。
ストーリー、キャラ
- 従来作では、他の多くのRPGのファンがプレイされた場合に、クエストがあまりにも淡々と進行してしまうこと(特に遂行後にリアクションの変化がないとか、報酬はあってもささやかであるとか)、進行にかかわる人物、仲間にできるキャラ、そしてパンピーを問わず、会話や進行に伴うリアクションの変化についての面白みのなさ、といった点に不満を感じられるケースが多かったように思われます。これらの点に付いてはアランナでも若干の改善傾向は見られましたが、今作はさらに明確に改善がなされています。
- クエストについては、進行中とか達成後のリアクションなどもしっかり考えられていますし、達成のためにあちこちで会話をしなくてはならなかったり、あるクエストが別のクエストにつながったりすることがよくありますし、世界観・背景説明とつながるようなサブクエストもあります。
- NPCをパーティに入れていると、要所要所で会話イベントが発生し、NPC同士あるいは主人公との間でNPCの背景や性格などを感じさせてくれたりします。ただ、これについてはゲーム上の処理がちょっとうまくないところがありまして、これはシステムの項でお便利機能や会話イベントと、リアルタイムシステムとのかみ合わせの悪さとして書いていますので、ここで繰り返しませんが、せっかくイベントがあるのですがゆっくり楽しませてくれないことがあるのは多大に残念なことに思えました。
- 主人公(キャラメイク)でもNPCに関しても、種族の概念はあまり明確ではありません。キャラ育成についてはスキルツリーやスキルに依存する成長の方向性というものがありますから、従来作よりはキャラ育成は楽しめますが、そこらも種族の影響はあまりないですし。まあ、容姿などと同様キャラの性格付けの一環だと思えばいいことですし、特にこの点が不満というわけでもありませんけど。
- ペットについては役に立つとは思えても、あまりかわいいとか愛着がわくという感じにはなれなかったです。初代DSのラバなんかはほぼ完全に「歩く倉庫」というような存在で、戦闘には役に立たないところがかえって愛着がわいたりすることにもつながったものでしたが、まあなんかいろいろあるもんですね。もちろんプレイヤーによって感じ方が異なるかもしれません。
- ストーリーについては、結構オーソドックスなものながら、ゲームの進行にともなった展開はなかなか楽しめました。歴史が動いている場にいるという趣で興味を持ち続けることができるものでして。
- しかし、終盤の進行については若干分かりにくい・納得しづらいところもあります。
リプレイ
(この項は、2005.10.20追加)
- ゲーム開始時に難易度選択はありますが、一度クリアするまでは一番下の「傭兵」しか選べません。そしてクリアした場合、「そのキャラで続けるなら」上の難易度でプレイすることができるようになります。
つまり、戦士タイプのキャラを育ててクリアした場合、その戦士タイプのキャラを主人公にして「歴戦の戦士」をプレイすることができますが、他に射手や魔法使いタイプのキャラを作って、それで「歴戦の戦士」をプレイすることはできません。
下のレベルの最後の状態を引き継いでこその上の難易度でのプレイだから、という考え方なのだろうとは思いますが、ちょっとかたいかな、という印象になります。
- まあ前項のことは納得するとして、一度クリアしたそのキャラを使い、上の難易度でのプレイをするとします。この場合、前回プレイの成果を徹底的に引き継げるように、という思想がちょっと微妙な要素にもなっています。装備品とかについては、本来クエストをクリアしなくては得られないものを持っている、とかがあってもまだ違和感はないのですが、パーティメンバーの扱いとかになると、同じキャラがパーティと外部と二人いるというような状況も生じますし、そのような場合その外部のキャラはずっといることになりますし、ちょっとおさまりが悪いです。また、どのキャラやどのペットはどうやって仲間にしたらいいのかというようなあたりが分かりにくくなっていました。
- 予想が付くことかとは思いますが、上の難易度でプレイする場合、主人公のみならず仲間であったキャラのレベルや装備等も持ち越せるだけあって、敵もその分強くなっています。特にザコ戦よりもボス戦の場合、かなり大変になるように感じました。まあこのあたりは育て方などによってどう感じるかが異なってくるかもしれませんが。
強い状態で始めるからといって、ガシガシやれるというものでもなく、適当に苦労させてくれるあたりバランスがうまくとられているとも言えますし、2回目以降のプレイも含め1度目の終盤から感じる単調さというのにもつながっていて、一概にいいとも悪いとも言えない面と思います。
- アイテム集めなども、例えばセットアイテムなどは上の難易度に適した、より強力なものがあるとかいうわけでもないですし、上の難易度である程度続けていくと、レアものに期待することやセットものを集めることより、「エンチャント可能なもの」をいかに強化していくかという方にシフトしていくような傾向が出てきます。こうなると、エンチャントできる装備品と、エンチャントに使う試薬とがなかなか揃わなかったりとかしますし、そのあたりを楽しめるかどうかが、長く楽しめるかどうかに大きく響いてきそうに思います。
- この「2」そのものが初代やアランナと比べるとそういう傾向はあるのかもしれまず、初回プレイでもそうなのかもしれませんが、初回クリアの後引き継いでのプレイでは、魔法戦士など複合的なキャラを育ててみたり、近接攻撃要員ばかりなど偏ったパーティを組んでみたりしても結構プレイできるので、そこらいろいろやってみる面白さはあると思います。
総合的にみて
DSやアランナで不満が多かったであろう点をよく改善していたと思います。一部、従来システムとの組み合わせに無理があるようなところとか、若干存在意義が微妙であるような追加要素もありましたけど、まあ多様化、自由度の増加の面では貢献していることですし。
しかし、セーブ・ロードの設定変更でやり直しがしにくく(基本的にはできなく、ですが)なったこと、パーティの行動が制約されて力任せの戦闘が強いられるようになったことは、個人的にはかなり大きなマイナスです。あとはサブクエストがなくなって、戦闘やアイテムがだんだん面倒に感じられ、単調感が強まる終盤がちょっと問題に思えました。
とはいえ、従来のDSや拡張の紅染、アランナの淡泊さに不満を感じておられた方ならこれを試してみられるといいかなとは思います。セーブ・ロードの設定のおかげで、ちょっと途中で止めにくいのが難点なのですが。
その他
当サイトのページではマルチプレイには一切触れていませんので、マルチプレイに関して知りたい方はニュースサイトの記事などをご参考に。
Game Watch のレビュー (ファーストインプレッション)
Game Watch のレビュー (マルチプレイ中心)
4Gamer のレビュー (全般)
あくまでも、私の個人的な感想に基づく評価です。