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ライオンハートサーガ 評価
*ジャンル:ファンタジーRPG
プレイ環境
東芝 DynaBook G8/U25PDDW (ノート) CPU P4 2.50GHz-M メモリ 1024MB(DDR SDRAM)
GeForce4
FX Go 5600(64MB) WIN XP Pro DirectX
9.0b
HDDをHDN-60DS(ディスク回転速度7,200rpm)に換装、元のドライブは4,200rpmだったはずで読み書きは高速化していると思われます。
どんな感じ?
非常に強く「中世」の雰囲気を感じさせてくれるゲームです。全くの架空世界、想像世界ではなく世界史を下敷きにしており、登場人物は史上と創作物との有名人が多数出ています。そして、世界史を下敷きにしているものの、もしあの時こんなことがあったら?という「ifもの」でもあり、ifの条件に魔法的な要素が加わることでファンタジー風になるとともに、世界史の下敷きの下にさらに神話が見えてくるという構成をも実現しています。世界史や文芸、神話などの知識がある方が楽しめることは確かですが、あまり詳しくない人でもそういう雰囲気が好きなら合う可能性は高そうです。
マルチストーリーRPGをうたっているだけあって、行動や選択肢によって進行がいろいろ変わりますし、サブクェストも沢山あり、奥の深さを強く感じさせてくれます。ただし、前半はそういう多様性を強く感じられるものの後半はかなり一本道性に近いものとなり、前半と後半とではまるで違うゲームのようにさえも思えました。前半を楽しめた人ほど後半は単調に感じるのではないでしょうか。
システムなど
- 基本的にマイキャラ(キャラメイクか、用意されたキャラから選択か)一人で進行します。戦闘やクェスト解決などで経験値を獲得し、レベルアップによって得られたスキルポイントをスキル(武器使用、鍵開けなどのシーフ技能、魔法の技能)に割り当てていきますので、成長にはプレイヤーの意志が大きく反映され、楽しくも悩ましいところとなります。さらに最初に設定する特性や、レベルアップやクェスト・イベント等で得られる特技というものもあり、さらに楽しませ・悩ませてくれます。
- レベルアップでは腕力・知性などの能力値は伸びませんが、クェストやイベントによって伸びることはあり、特技のうちには能力値を伸ばすものもあります。あと装備品で装備している間だけ能力値をアップさせる効果があるものもあります。またクラスのような概念によるスキルや装備品の制約はほぼありません。種族やクラス類似概念はキャラの能力値やスキルの値に影響しますし、装備品のうち特定スキルの下限値が設定されたものはありますが、要は成長次第ということになります。
- 基本は一人なのですが、行動をともにしてくれるNPCというのはいます。クェストがらみで時限の場合もあれば、ゲームの最後までという場合もあります。NPCに対しては「ついてこい」「そこにいろ」以外の指示は出せず、装備品の変更もなく、おそらく成長もしません。ただしいつでも外せますし、文句を言われるなど特に気分にこたえるようなこともありませんが。
- 戦闘はリアルタイム制で、操作としてはクリックで武器攻撃、右クリックで魔法などの使用になります。ポーズはありますが、バルダーズゲートシリーズなどのようにポーズをかけた状態で移動、攻撃、魔法使用などを指示することはできません。装備変更、ポーションなどのアイテムを使用、呪文の選択をすることはできます。この点は戦闘での操作性の印象を大きく左右するものとなりますが、そのあたりは操作性の項に書くことにします。
- 武器などの性能や魔法の効果については、上限〜下限となっていることが多いですし、回避とかクリティカル発生などについてはパーセント設定の確率の世界になっています。総合的に運次第の面は非常にあります。
- バルダーズゲートやDivine Divinityなどと同様に、マップではまだ行っておらず見えていないあたりが黒くなっており、移動していくにつれて明るくなります。また移動については徒歩オンリーと考えていいです。こういうところが面倒になるかどうかはゲームバランスとのからみになるのですが…ということでゲームバランスの項でもこの件についてふれることにします。
- セーブ・ロードはほぼどんな時点でも自由にできます。セーブデータにはコメントを付けることができますし、セーブを行った場面の画像も見られます。ただし、既存のセーブデータを選んで上書きするというようなことがができませんし、ならば前のデータは削除して同じコメントを付けてとか思っても、一つ削除しただけでセーブ画面が閉じてしまいます。つまり連続して幾つも削除したい場合などにもいちいちメニューからセーブを選ばなくてはなりません。で、やってられないのでエクスプローラなどでということにするとファイル名は勝手に付けられているし判別をしにくいです。そのあたりちょっと使い勝手が悪いかなという面はあります。
- クィックセーブとクィックロードがあり、クィックセーブについては一つだけ保存可能で常に上書きとなります。クィックロードでは必ずクィックセーブのデータが呼び出されます(クィックセーブより後の時点で保存した通常セーブのデータが存在した場合でも)。
- このゲームのセールスポイントが「究極のマルチストーリー」ですが、会話の選択肢や、どこへ行って何をするかなどにより、大きくゲームの進行は異なることになります。又種族その他によってNPCのリアクションが違いますし、会話の選択肢は能力値、スキル、それまでの行動などによって違ってきます。クェストは必須のものや必須でないものがいろいろありまして、解決のしかたも一通りではありません。これまたプレイヤーにとっては非常に悩ましくもあり楽しくもあるところです。
- 会話の選択肢の中には、特定の能力値やスキルが高いと出現する選択肢を示すマークがあります。BGなどではないもので、分かりやすくなるとか、あれを上げておいて良かったと実感できるという点ではいい工夫だと思います。
- 随時キャラのエクスポートができますし、これとキャラ作成時のインポートとを使えば、能力値やスキルを受け継げることから強いキャラでゲームを始めることができます。育て方を間違えて困るというようなケースも考えられますが、いよいよこれはダメだということになった場合にも全くのやり直しよりは楽にそこまで進めることでしょう。
- ゲーム開始直後の超序盤は結構チュートリアルっぽいことになっていまして、鍵開け、スニーク、アイテム確認や装備変更などについてはほぼNPCの指導に従っていれば分かることになります。別にチュートリアルがある方が、リプレイ時にはいいかと思いますが、そうわずらわしいわけでもないのでまあいいかというように私は感じました。
不具合?
- 環境依存の要因があるかもしれませんし、頻度は高くはないのですが、マップ切り替えをともなう移動の際に強制終了(CTD、クラッシュトゥデスクトップでデスクトップに戻ってしまう)が発生するというのが何度かありました。
- 仲間を連れ歩いている際に、その仲間が何かの拍子で(としかいいようがないのですが)固まってしまい、「そこにいろ」「ついてこい」モードを切り替えようが、敵から攻撃されようが何とも動かなくなってしまいました。しばらく続けているとまた何かの拍子で(としかいいようがない)戻りました。GamebansheeのForumにも同様の事例があがっていましたが、どうも原因・対策ともはっきりしないようです。
- ローカライズの方の問題かもしれませんが、たまにNPCのセリフや会話での選択肢が日本語になっていない場合がありました。この点についてはカプコンサイトで公開されている修正パッチの修正内容となっているのですが、パッチ適用後にも会話の選択肢が英語表記のままのところがありました。
操作性など
- 移動や戦闘については、画面表示をキャラクタ中心に固定するか、画面端にカーソルを持って行った際にスクロールさせるかを切り替えることができます。固定式もスクロール式もそれぞれにメリットデメリットがありますから、切り替え可能というのはとても良いです。
- ただし、移動についても戦闘についても若干操作性に難はありました。まず移動ですが、マウスで移動先を指定のみでして、これがまたあまり離れたところを指定はできませんし、状況によっては指定はできたのに途中で止まってしまったりします。キーボード等での移動はできず、位置の微調整は非常にやりにくいです。また、移動先を指定したつもりが会話になってしまったり、拾いたくもないアイテムを拾ってしまったりにもなりがちです。
- 戦闘では、マイキャラについては対象を指定しての攻撃指示をするまでは何もしない(死ぬまでじっとしている)し、いったん攻撃以外の行動をとったあとにも攻撃指示をする必要があるというのが、意外に面倒なことになってきます。まず、対象指定のアイコンが大きくて対象をきっちり指定するのが難しいですし、対象が動いている場合には非常にアイコンを合わせにくいのです。さらに、攻撃指示のつもりが移動指示になってしまったり、アイテム取得になってしまったりすると、その後ちゃんと攻撃指示を行うまではやられるばかりになります。
仲間(召喚した場合も同様)がいる際とか、仲間ではなくても味方側のNPCが共に戦う場合にはさらに面倒で、これをクリックしてしまって話しかけたことになるということが多発します。仲間の場合には話しかけたことになってしまうと「解雇しますか」が出るのでことさらに厄介です。
以上の点の多くはポーズをかけて指定できれば解消できるのですが、移動、攻撃、呪文の使用についてはポーズをかけてもアイコンを合わせるだけしかできず、敵が向かってくるような場合などだとポーズ解消後に相手が動くので結局同じことになったりします。
- 操作は画面下側のメインインタフェースに集約しているので、覚えやすいし扱いやすいです。各種ウィンドウの呼び出しや、各種モード切替などは大体キーが割り当てられていますが、変更はできないようです。
また、メインインタフェースにはクィックスロットがあり、ここに入れたアイテムや呪文は数字キーで呼び出せます。キャラの育て方などにもよるでしょうが、スロットが7個だけというのは魔法を多用したい場合などはちょっと少なく感じます。また、アイテムは数字キーで即使用になるのに、呪文は選択となって使用するのは右クリックというのもちょっと間違いを呼びやすいです。
- 解像度が高くないこともありまして、結構大きなメインインタフェースを消すと周囲が広く見えていいのですが、これをやると拾ったアイテムが何だったかとか、戦闘における彼我のダメージの種類が何かとかの情報を見られず、常に情報を把握しておきたいならばしょっちゅうメインインタフェースを呼び出さなくてはなりません。操作はほとんどキーでことたりるのに全部を表示させるか消すかしかできないことに不満を感じます。履歴のウィンドウだけを、それも小さくして表示できるようにでもなっていればとても良かったのですが。
- 履歴ウィンドウは戦闘表示(何を入手したとかレベルアップしたとかもこちら)と行動表示(主として会話内容)とを切り替えるようになっています。特に便利にも思えなかったです。戦闘については、毒とか病気のダメージがいちいち出るのがうっとうしいですし、敵の攻撃など知りたい情報が流されてしまうのが嫌でした。そもそも毒などの状態異常が…という話はゲームバランスの項に。それから、画面にポップアップ表示されるNPCの会話が、行動の欄に表示されるときとされないときがありました。
- とにかくいろいろな設定をなかなか覚えていてくれないゲームです。また判定のタイミングが問題になるのかと思われますが、移動したり何か行動をとったりした際などに、モード解除がされたりされなかったりすることがありまして、これがもちょっとうっとうしいです。
グラフィック、サウンド
- 背景などについては、格別リアルであるとか美しいというほどでもないのですが、町中にしろダンジョンにしろいかにもという雰囲気が出ていますし、丁寧さが感じられるところも好印象です。
- キャラの動きにはちょっと違和感があります。特にマイキャラについては歩きが自然でなく人型のロボットでも見ているような気分になります。NPCはマイキャラよりは自然なようにも思えますが、若干変です。敵モンスターなどの動きはいいと思うのですが…
- 魔法効果などはインパクトは大きくないですが視認や操作の邪魔にならない程度でいいと思いました。ダメージを受けた際に敵味方とも苦悶するのはいいのですが、毒や病気が残ったとき長く「うっ」という声を聞かされるのはかなりうっとうしかったです。
- BGMはそのものとしてはとても良いのですが、使い方がちょっとおかしいのです。どうやらある領域にいくとBGMが流れ、そこを外れるとフェードアウトするようなのですが、敵を分散させるためにヒットアンドアウェイをやったりすると音楽が出たり消えたりでいらだちますし、場所によっては二つの音楽が入り交じったりして、ここでヒットアンドアウェイなんかやった場合にはもうぐちゃぐちゃということに…
- そのものとしてはいいが使い方がというのは効果音にも言えるので、一部の敵では非常にうるさかったり、音が急に大きくなったりなどが耳につきました。
- 会話の際、一部のNPCには音声データがあるのですが、しゃべりの部分はそれっぽくて良かったと思います。声のあるNPCと声のないポップアップだけのNPCがいるイベントはちょっと違和感を感じますが、まあそれぐらいは…
ゲームバランスなど
- 敵については、結構敏感というか賢いところがあり、マップでまだ黒くて見えないところからも出てきますし、戦闘をやっているとさらに遠くからも駆けつけてくる傾向があります。面倒でも引きつけては下がって倒しを繰り返さないと多数に囲まれて危ないことになりがちです。しかもこの押し寄せてくる速度が速い場合が多く、操作性の項で書いたようになぜか大きいカーソルを合わせて攻撃するのが容易ではありません。(合わせにくいから大きくしたのかもしれませんが、そうだとしたら功を奏したとも言い難いので…)
- フィールドやダンジョンの敵は一度倒すと原則的に復活しません。ただし、クェストがらみで補充される場合があるほか、たまに前と同様の敵がいる場合はあります。アクシデント的に行くことがあるエリアで、同じマップでも必ず敵がいるところもありますが、手頃な相手とは限らないですしパターンが決まっているので繰り返すと飽きます。そんなこんなでザコ叩きを繰り返して経験値を稼いで強くなり、ガンガン進もうというのは容易ではありません。スキルの割り振りなどでどうしてもという場合にはエクスポート→インポートということになるでしょうか。
- マップ切り替えを伴う移動をした際に、付近に敵がいて襲ってくる場合があります。こういう時に腹が立つのは画面表示がされて操作できるようになったら即やられてしまうことです。ポーズさえも間に合いません。画面が暗い間に声が聞こえたりするので、こちらが入力さえできない(それどころか画面も見られない)間に敵の処理がされているのでしょうか。シビアな戦闘は嫌いではないのですが、こういう理不尽なのはいただけない感じがします。
- 操作性の履歴のところと、グラフィックのところに書いたこともからみますが状態異常がかなり嫌なゲームです。怖いほど厳しいとは言えないものの、うざったいだけというのはかえって気分が良くないですし、いちいちうめき声が出るのがうっとうしく感じられます。状態異常に対する治療のポーションやら確実な治療呪文がないのは、何かの間違いか嫌がらせでしょうか?
- 上記に限らず、治療・回復手段に乏しいゲームです。宿のようなものは一切なし、寝袋やら簡易ベッドのようなものもなし、そもそもキャンプとか休息・睡眠といった概念がありません。生命力(HP)マナ(MP)の回復は自然回復かポーションか、地面に落ちていたり敵を倒すと出現したりする光る球を吸収するかということになります。あと生命力については回復や吸収などの呪文がいくつかあります。ポーションや光る球は後の方にいくと結構不足気味になり(あまり効果の大きなアイテムがないこともありまして)、特に魔法をよく使うキャラに育てた場合のマナ回復が問題になりがちです。節約のためにじっとさせておいたり、その間他のことをしていたり(プレイヤーが)までしたりして…
ストーリー、キャラ
- 冒頭に書いたようにマルチストーリーが売りのゲームでして、たしかに序盤から最後に至るまで途中の選択などでいろいろな展開になります。ただし、(これまた冒頭に書いたところではありますが)実際に最後までプレイをしてみると、「いろいろある」という感じの強さが前半と後半とでは大きく違うことになります。前半は必須のクェストにもいくつかの流れがありますし、サブクェストも沢山で本当に底が見えないと感じられます。ところが後半になると、基本が一本道ですし、サブクェストなどもぐっと少なくなります。進め方が一通りでないなど、「いろいろある」の要素はありますが前半よりは少なく、どうしても前半と比較してさびしいめに感じてしまうことになりがちでしょう。
- これはゲームバランスとの関連になりますが、後の方になるとかなりしぶとい敵や硬い敵が出てきまして、ザコを片づけてマップを明るくして進んでいくのに時間がかかるようになり、単調感が増します。また、後の方でいくエリアは一方通行だったりすることが多く、実は「いろいろある」要素があるのに一本道っぽく感じられるというのもあります。
- 進行やクェストについては「いろいろある」ゲームながら、NPCのリアクションは特に面白くもなければ変化にも乏しく会話が楽しいゲームとは言いにくいです。
- 下敷きになっている歴史や伝承、創作物と、このゲームのストーリーやキャラとの重なりやズレは、歴史や文芸などに詳しい人ほど楽しめそうですし、それほど詳しくない人でも中世風でもありファンタジーでもある雰囲気に貢献してくれると思います。
ただ、これについても後半部分については、戦闘+探索+移動がメインという感じになって、ストーリーの要素がやや希薄に感じられることになります。加えて、後の方ほど誰が何をどうしてどうなったかというのが分かりにくくなり、せっかくの神話+歴史・著名創作+ゲーム世界という多層構造を楽しみにくくなっていたのは本当に残念です。これに拍車をかけるのが、前半ではとても有用な非戦闘スキルが、戦闘の比重が増す後半ではありがたみが少なくなり、ついつい伸ばさなくなりがちという要因でして、非戦闘スキルが高くないと後の方で多層構造の理解をしづらくなってしまうということになるのです。
ローカライズ部分
- 不具合?の項に書いたように、会話データの一部が日本語化されていないままであり、修正パッチでも対応し切れていないところがありました。そう多いわけでもなく、修正パッチ適用後だとほとんど出会わないかと思うのでさほどの支障ではないのですが。
- 英語版がどういう表記になっていたか分からないので、ローカライズの粗と言えるかどうか疑問ですが、同一アイテムの由来について「ゾロアスター」「ツァラツストラ」が混在していたりします。なるべくなら識者が全体をチェックしてこういうところでいたずらに分かりにくくならない方が望ましいには違いないでしょう。
- マニュアルのできや、ウェブのコンテンツ、修正パッチのリリースなどの点ではプリンスオブシンなどと比較して対応がいいと思います。重箱の隅モードに入れば、ウェブの攻略ヒントでNPCの名前を間違えているとか些細なツッコミを入れることはできますが、まあそのぐらいは許容範囲ということで。
総合的にみて
BGとかDDとか「いろいろある」ゲームが好きな方なら前半は楽しめる可能性が非常に高いでしょう。操作性の問題や戦闘の単調さを、「いろいろ」要素が大きく上回っています。ただ、この前半があるからこそ後半が味気なく感じられるというのがかえすがえすも残念なところです。ボリューム感がなくなっても、後半はダーっと進んでしまうという作りにしても良かったのではないかと思いますが。
あくまでも、私の個人的な感想です。