ゆいちゃん同居日誌 12/01〜12/21


12/01
なんか元気がない。「おにいちゃん、留学ってどう思う?」留学? まさかゆいが? そういえば、そろそろか…。とりあえず、反対しておこう。
12/02
「あのね、おにいちゃん」「やっぱりいいの」といつものパターン。悩んでいないで相談してくれれば。でも、昨日反対したからなぁ(^^;。
12/03
帰るといきなり「お風呂に入るね」って。そのタイミングを見はからったように担任の木下先生が尋ねてきた。ゆいの母親が有名なバイオリニストでゆいにも才能があるかもしれないからとイギリスから先生が来日して2週間ほどレッスンをしたいそうな。先生の訪問はゆいも知らされていなかったらしい。「ゆい、留学しないよ、おにいちゃんと一緒にいる」「まだ留学するって決まったわけじゃない」「そっか、ゆい、うぬぼれていたかも」いきなり留学ってのは変だと思ったけどレッスン期間があったのね。この2週間で何が起きるんだろ。
12/04
11:00レッスンに出かけ、19:00に帰ってくる。池田先生って名前でイギリスの紳士風でとっても渋いんだそうだ。「ゆい、やっぱりバイオリン弾いてるのって楽しい。先生の指導はきびしいけど、がんばってみるね」なんか留学しそうだなぁ。え、学校休んでレッスン?
12/05
今日は一緒に来日したジョーンズさんにレッスンを受けたそうだ。若いとかどうとか話をしてたなぁ。「プロの指導は厳しいけど、バイオリンは楽しいね」留学度、上昇中(^^;。
12/06
なんかうれしくなるようなことを言われたらしい。が、いつものようにはぐらかせる(^^;。そういう性格よくないと思うぞ(爆)。ひょっとしてバイオリンの才能があるって言われて喜んでいるのかもと思ったけど、それって、留学するって事だよ(^^;。どうやら、カズになんか言われたようだけど…。
12/07
「お兄ちゃんってどんな女の子が好き?ゆいはどう?だめだよね、まだ子供だもの」そんな事ないってば。子供だからってのは関係ないよ(爆)。
12/08
「お兄ちゃん、彼女いる?」「いないよ」「じゃあ、ゆいがキープしてもいいかな。でも、無理だよね、ゆい、まだ子供だもの」いや、子供だから無理ってわけじゃないけど(^^;。
12/09
ジョーンズさんが形見のガタニーニを弾いたら、取ってもいい音がしたそうな。バイオリンとしては、いい音で鳴らしてくれるのはもちろんうれしいだろうけど、自分に愛情をもって接してくれるほうがうれしんじゃないかな。
12/10
「心を入れ替えてバイオリンの練習をするよ。ジョーンズさんには勝てないけど、おかあさんのバイオリン、いい音で鳴らしたいもの」って今までどんな気持ちで練習してたんだ?(^^;
「もう冬だね、冬と言えば、冬コミだね」「出展する」「凄いね、でも、ゆいの変な絵、書かないでよ、ゆいのおにいちゃんなんだから。あれ、前もこんな話したね」よく覚えてるじゃん(笑)。そういえば、ゆいの本、確認してないや(爆)。
12/11
「今日はレッスンお休みだからカズの家行ってくるよ。亜美も来てくれるんだ」そーいえば授業に出ないでレッスンだものなぁ。いい息抜きができたようだ。明日から、またレッスンらしい。
12/12
木下先生が尋ねてきた。ゆいの実の父と連絡が取れたそうだ。医者でアフリカの赤十字病院で働いているらしい。イギリス留学の件を話したら大賛成だそうだ。ゆいのバイオリンを弾いている姿はとても生き生きとしていて、生活のためにバイオリンを手放そうかなと話したときは悲しそうな顔だったそうだ。この事、ゆいにはうまく話せなかった。「池田先生にほめられちゃった。もうすぐお母さんと同じ音が出せそうな気がするよ」「ゆい、バイオリン好きだよ。だけど、もうひとつ好きなものがあるんだ。おにいちゃんだよ」、ゆいはこれからどのように決断するのだろう。24:00に風呂に入らないで眠る。あ、このイベント夜に見ないといけなかったのか(爆)。
12/13
「バイオリンってとっても楽しいんだね。でも、留学はしないよ。せっかくの機会だからレッスンはがんばるね」バイオリンにめざめたか。結局は留学しちゃうのかなぁ。
12/14
「ちょっとだけどおかあさんと同じ音が出せたよー」ってとっても喜んでる。ジョーンズさんもブラボーブラボーって絶賛してたそうだし。こりゃ、ゆいをイギリスに連れていかれちゃいそうだぞ(^^;。
12/15
「バイオリン弾くの、とっても楽しいね。でも、絶対、留学はしないから」しかし、レッスン終了後にはたしてどんなことが起きるのだろうか…。
12/16
池田先生と一緒にバイオリンを弾いて、とっても気持ちがよかったらしい。バイオリンがとっても楽しくなっているようだし。ゆいのバイオリン、一度でいいから聴きたいなぁ。
12/17
「池田先生が『ロンドンは素敵だよ。観光するのとは違うよ』っていうけど、ゆいはこの街が好きだから。カズや亜美や、それにおにいちゃんがいるから」池田先生、ゆいの才能を見いだしたんだな…。
12/18
木下先生が来て、ロンドン留学を勧めたそうだ。ゆいと同じくらいの年齢の子もいっぱいいるから大丈夫とか言って。
12/19
「ゆい、決めたよ。なにを決めたかは、ないしょ」まさか、ロンドン留学を決めたとか。
「明日でバイオリンのレッスンも終わり。少し、うまくなったよ。おにいちゃん、ゆいのバイオリン聴いてくれる?」もちろん聴くとも。
「おにいちゃん、アルバム、見る?」と言って、想い出を語るゆい。やっぱり、留学を決めたのかなぁ。おりしも新聞に留学している16才少女バイオリニストが記事になったる。
「おにいちゃん、ゆいの事、忘れない?」忘れないよ「ゆいもおにいちゃんの事、忘れないよ」これって、お別れの言葉か…?
12/20
まさかゆいの父親がアフリカから来て尋ねてくるとは。ゆいを引き取ってロンドン留学をさせたいそうだ。勤務地を一時的にロンドンに変更して。さすがに「帰ってくれ」なんて言えないから「僕から唯に話します」と言ったら納得した。「唯が大人になったら僕にください」というと「直接唯に言ってやってください。喜びますよ」と。なんで唯が喜ぶと判るんだろ(^^;。
風呂からあがってきた唯が何か話そうとしたんだけど、それを制して父親の訪問を告げ、ロンドン留学の件を話す。逢いたかったと言わないんだよな(^^;。びっくりはしてたけど。「行くな、一緒に暮らそう」というと「おにいちゃんに迷惑をかけてるのは判ってる。これ以上迷惑はかけられない。自分で考えてみるよ」と。結論は、判っているけど…。そういえば、プロローグで出てきた綾はどこいったんだ?
12/21
「ゆい、決めたよ、ロンドンに行くよ。いつまでも甘えるわけにはいけないから」「いくな」とは言えなかった。行ってしまうのは判ってるから。だから「判った、行ってこい」と言うしかなかった。「ありがとう、おにいちゃん」と言うと、すぐ玄関に。留守の間に父親が来て荷物とかはまとめて全部持って出てたんだね。それで、ぼくの帰りだけを待っていたんだね。なにか話すと別れが辛くなるんだろう。話そうとするのをやめて「さよならは言わないから」と旅立っていった。ゆいのいた、13ヶ月とちょっと、本当に楽しかったよ。立派なバイオリニストになって、戻って来いよな、ゆい。