「魔法の少女 シルキーリップ」 第9話 『ゆがんだ恋のチョコレート』    2月になりました。リップは最近どうも、クラスメートの様子がおかしい    ことに気付きました…。 イザベラ「みんなバカみたいに浮かれて…やっぱり人間って下等ね」 リップ「ねぇ茶子ちゃん、どうしてみんな、そわそわしてるのかな?」 『ねえ茶子ちゃん、どうしたのかなぁ。みんななんか落ち着かないけど』 茶子 『えへへへ、リップちゃんもわかるでしょ』 リップ (怒)「わかんないわよ!」 (哀)「わかるって…言われても…」 (喜)「えー!わかんないよー!」 茶子 「もうすぐ、バレンタインデーでしょ…。だから!」 リップ 「なにそれ」 茶子 『え、知らないの? バレンタインデー』 リップ 『バンアレン帯?』 茶子 『お約束のギャグはやめて!』 「あのね、バレンタインデーっていうのは、女の子が好きな男の子に  チョコレートを送る日なの! ちなみに2月14日よ」 リップ (怒)『なによそれ、くだらない!何でチョコレートを送る訳?宗教上の理由?』 (哀)「か…変わった、風習ね…」(e) (喜)「あははは!面白そーね!それ!」(e) 茶子 『もう!リップちゃんどうしてそんないじわる言うの?』 リップ 『ちゃ、茶子ちゃん…』 相原 「リップちゃんは誰にチョコレート贈るの?」 リップ「え、え、え?」 サル   「にひひひひひひ」 ハゲタンク「ケッ」    変な風習! 人間界が好きなリップもこの習慣には疑問を感じました。    家へ帰ると、さっそくリンに話し掛けました。 リン 「あら、リップちゃん」 リップ 『ねぇ、リンさんはバレンタインデーにチョコレート贈る相手とかいるん  ですか?』 リン 『え、あたし…? うん、いるけどぉ…』 リップ (怒)「ふぅん…やっぱりね…。リンさんもか…」(1) (哀)『そ、そうなんだぁ…』 (喜)『えー!だれだれ? もしかして、伊丹さん?』(2) リン (1) 「悪い?あたしにだって好きな人くらいいるんですからね!」 (2) 「やだ!やめてよ! 大学の先輩よ」 リップ 『ねぇ、どうして2月14日じゃないと駄目なの?どうしてチョコレート  なの?』 リン 『あたしも変だとは思っていたけど…そんな事いいんじゃない?別に』 リップ (怒)『もう…リンさんは解ってくれると思っていたのに…』(3) (哀)「あーあ…あたしには、わかんない事ばっかり…」(4) (喜)「そーよねー!恋人のいるリンさんにとっちゃ、そんな事どーだっていいはず    ですもんね!」(5) リン (3)『リップもクラスの男の子とかに贈ったら?』 (4)「りっぷちゃんって、妙な事にこだわったりするのね…」(e) (5)「でしょー!」(e) リップ 『そんな男の子がいりゃぁいいけどねー…』 リン 『あら、だったらおじさんでもいいんじゃない?感謝の気持ちって事に  しておけば。でも…あ、そうか!ドメさんって確か甘いもの駄目だった  はずね…』    2階のキッチンではシェイクがなにやら作っている。 シェイク「お帰り、リップ。ルルルン、ルルルン」 リップ 「あれ?シェイクおばさん…げ、チョコレート作ってる・・・・・・」 シェイク「リップも一緒に作らない?」 リップ 「は、はぁ…」    翌日になりました。授業の後、城ヶ谷先生はクラスのみんなにこう注意    しました。    「バレンタインでみんな浮かれているようだけど、不用品を学校に持って     くるのは禁止されていますからね」と。 サル 「リ、リップちゃん」 『リップちゃん、明日はバレンタインデーでやんすねー!』 リップ (怒)「だからどうしたの?」 (哀)『サル君…どうしたの一体…。あなた変よ』 (喜)「そうだねー!それで?」 サル 『ぇっと、だ、だからぁ…バレンタイン…』 リップ 『あーあ、ここにも熱に浮かされている人がいるわぁ…』 サル 「リップちゃんの気持ち…以前からうすうす感ずいていたでやんす!だから  明日は…」 『下駄箱空けて、待っているでやんすよ!』 リップ (怒)『なーんであたしがあんたに!』(1) (哀)「あのねサル君…、待っていてもこないものはこないのよ…」(2) (喜)「あはははははははは!ばっかねぇ、なんだってあたしが、あんたみたいな    エテ公に!」(1) サル (1)『ひ、ひどいでやんす…。ひどいでやんす!』 (2)「えっ・・・!?」 ハゲタンク「よ、よぉ!」 『よう!リップ!』 リップ 『どうしたの、妙に浮かれて。まさか…ハゲタンクまでバレンタイン病?  やっだー!』 ハゲタンク 『よ、よせやい!俺はクラスのアウトローだぜ!そんな甘っちょろいもん  関係ないぜ!』 リップ 『ムリしちゃってぇ…』 ハゲタンク 「だいたい、この俺にチョコレートを贈る物好きがいると思うか?」 リップ (怒)「わかんないわよ!そう悲観的になる事なんて、ないじゃない!」(1) (哀)「良かった…。ハゲタンク、見直したわ」(1) (喜)『ははーん、さてはあたしにチョコレートの催促ねぇ。あー情けな〜い』(2) ハゲタンク (1)「フン!それによ!」 『チョコレートなんて、やるって言われたってもらわねーぜ!』 (2)『ち、ちくしょー! リップのバカヤロー!』(e) リップ 『エライ!それでこそ、ハゲタンク!』 ハゲタンク「じゃ、じゃーな!」    バレンタインに浮かれているみんなを不思議に思いながら、自分の部屋に    戻りました。 ケチャ「よう、どうした、リップ!」 リップ「ふう・・・・・・」 『人間ってやっぱり変。どうしてチョコレートのやりとりなんて…。  クリスマスも変だと思ったけど、これだけはどうしても理解できない!』 ケチャ 「だろうな…。以前、私が人間界にやって来たときには、こんな風習なかった  からなぁ…うーん…」 『そうだな…企業の経営戦略もあるだろうな。チョコレート会社が需要を拡大  する為にね。ただ、それだけが理由じゃない。要はその戦略に乗せられて  いる人々がどう思っているかだ。ま、幸せそうにしているんだからいいん  じゃない?』 リップ (怒)「イザベラのセリフじゃないけど、人間って時々信じられないような事に熱中    するのね!バカみたい!」(1) (哀)『人間って…、バカなのか、頭がいいのか、良く解らないね』(1) (喜)「そーよねー!ま、いーや!どーせ、あたしには関係ないし!」(2) ケチャ (1)『バカだよ人間は…だから必死で英知を求め…ま、いーや、今日はもう  寝よう!』 (2)「クックックッ、いじけるなよリップ…、今日はもう寝よう!」(e) リップ 『英知を求める…かぁ…』    翌日、2月14日になりました。 リップ「なーんか、今日はズル休みしたい気分…」 ケチャ「くっくっくっ、これも修行のうちだぞ。さて、私はバレンタインデー見学     でもするかな?」    ケチャはリップのペンダントの中に入りました。    学校に着くと、みんなが大騒ぎをしています。    リップは、胸騒ぎを感じました。「下駄箱…!?」    何とリップの靴入れにプレゼントが入っています。 リップ「なに…これ…」    包みの中身はどうやらチョコレートのようです。よく見ると贈り主の名前が    入っています。 リップ「相原詩美…相原さん!?」    リップは相原さんのチョコレートを手に入れてしまいました。 リップ「どうしよう…」 三野 「なーんかチョコレートが混乱しているみたいね。下駄箱に入れた人に     限って」    教室に向かう途中も、何やら、騒がしいようです。 室谷 「七恵さん…し、知らなかったよ…」 三月 「だから勘違いだって、言ってるでしょ!?」 海音寺 「ミ、ミランダさん…ありがとう…」 ミランダ「バカ!アンタノクツイレニイレタオボエハ、ナイワヨ!」 土防 「宇佐美さん…こ、困るんだよな…」 宇佐美「え?え?」    リップは、相原を見つけました。 リップ「あ、相原さん」 相原 「え!?」    リップは相原に例のチョコレートを見せました。 相原 「う、うそ…」 『こ、これって…どうして大竹さんが!』 リップ (怒)『とぼけないでよー。バレンタインデーて、女の子が男の子に愛を打ち明ける    日でしょう?どうして?どうして…!相原さん、あなた異常よ、変態よ!』 (哀)「相原さん…気持ちはうれしいんだけど、こんな変態じみたのって…」 (喜)「相原さん!やっぱり前からあなたおかしい人だなって思ってたんだ!    ヘンターイ!」 相原 『あたし変態なんかじゃないわ!なにかの間違いよ!誤解よ!』 リップ 「どういうこと?」 相原 『あたしは東峰君の所に入れたのよ!』 リップ (怒)「じゃー誰かが入れ替えたっていうの!?」(1) (哀)『ご、ごめん。疑ったりして』(2) (喜)『あはははは、そうよねぇ。おかしな話よねぇ。よーく考えてみれば、    おかしな話よね!うん、そうだ!そうだ!』(2) 相原 (1)「そんなの解らないけど…誰だろう?」(2) 相原 (2)『問題は、誰がこんな悪質ないたずらをしたかよ』 相原 「とにかく絶対に許せないわ!」 リップ「とりあえず、これはお返ししとくわ」    いきなり、サルが近寄ってきました。 サル 「リップちゃん、愛してるでやんすよ!」 リップ「え、ええ?」 サル 「あっしはうれしいでやんす!」 リップ「なによ何!?」 サル 「これ!」    サルはリップにチョコレートを見せました。 リップ「うそ!」    さらに、茶子が泣いています。 茶子 「う、ううううう…」 『リップちゃん、聞いてよ!もう、めちゃくちゃ!あたしのチョコレート、  用務員のおっちゃんの所に!』 リップ 『茶子ちゃん、どうやら下駄箱にチョコレートを入れた人は、みーんな同じ  ような被害にあっているみたいよ』 茶子 『悪質すぎるよ!いたずらだとしたら…誰がそんな事を!』 リップ 『誰かしら…可能性としては…解らないわ、やっぱり』 茶子 「きっと下駄箱に手掛かりがあるはずよ!」 リップ (怒)「でもね、茶子ちゃん!犯人を見つけ出してどうするつもり!?」(1) (哀)「・・・茶子ちゃん…、そんなにむきにならなくても…」(2) (喜)「探偵ごっこでも始めるつもり?おっかしー!」(3) 茶子 (1)「決まってるじゃない!ぎったんぎったんにしてやるわ!」 (2)「う、うん…。まぁ、そうね…」 (3)「リップちゃん!人の話はまじめに聞いてよ!」    イザベラは何かを知っているかもしれない。リップはイザベラに    話し掛けました。 イザベラ「ンフフフフフ」 『ふ〜ん、とんだトラブルねぇ』 リップ 『イザベラ!まさか、あなたが!』 イザベラ 『よしてよ。あたしがそんなバカバカしいことするわけないじゃない』 リップ (怒)「どうやらあなた、犯人に心当たりがあるようね!」 (哀)「イザベラ…うたぐったりして、ごめん…」 (喜)「そーよね!そりゃそーだ!」 イザベラ 「ンフ…」 『そうね、じゃ、ヒントをあげましょう。犯人はチョコを貰えるあてのない  人。ンフフフ、誰でしょう?後は自分で考えなさい』 リップ 『一応お礼は言っておくわ。ありがとう、イザベラ。よーし!そうとわかったら  犯人捜しね!』    チョコを入れ替えるとしたら朝のうち…下駄箱で過視時を使って調べて    みるかな…?    リップは、下駄箱の前で、小声で呪文を唱えました。 リップ「リラルル・ラリルル・リラルルル 魔導・過視時」 リップ「…2時間前・・・・・・」    リップには、2時間前の映像が見え始めました。 ハゲタンク「ちくしょう、ちくしょう…。入れ替えてやれ、入れ替えてやれ。       ざまぁみろ、ざまぁみろ。あれ…リップは下駄箱にチョコ入れて       ねーのか…」 リップ  「ハゲタンク…」 ハゲタンク「入れ替えてやれ、入れ替えてやれ。ケッ、ざまぁ見やがれ!」 ケチャ  「やはり…一丈寺君が犯人か…」 リップ「ハゲタンクはどこにいるのかしら…」    リップは、隅にいるハゲタンクを見つけました。 ハゲタンク「な、なんだよ」 『な、なんだよ、リップ』 リップ 「…あなた…下駄箱のチョコレート入れ替えたでしょ。名前まで書き換えて…」 ハゲタンク 「見てたのか…おまえ?」 リップ (怒)「みんなにあやまりなさいよ!今ならまだ間に合うから!」 (哀)『かわいそう・・・。なんでこんなバカな事を』 (喜)「ばっかみたい、こんな真似して!」 ハゲタンク 『うるせー!おまえに俺の気持ちがわかってたまるかよ!』 リップ ー20(怒)「わかるわけないでしょ!あたし女の子だもん!」(1) +25(哀)『素直になって…、冷静に考えてよ。こんなこと、いずればれちゃうよ。    あ、あげる、あたしがチョコレートあげるから、みんなに素直に謝って…。    ね、お願い』(2) +25(喜)「そんなに落ち込まないでよ、ハゲタンク!」(2) ハゲタンク (1)「バッキャロー!そーゆー事、いいたいんじゃねーよ!」 (2)『す、すまねー、リップ。お、俺がばかだった…。うううううう!』 「お、俺、みんなにあやまってくる!」 ハゲタンク「ちくしょー!あやまりゃいいんだろ!ばかやろー!かすやろー!!」 リップ  「ハ、ハゲタンク・・・・・・」    ハゲタンクはクラスのみんなに謝りに行きました…。 リップ「・・・」 ケチャ「なぁリップ、みんなあのハゲを許すと思うか?」 リップ「多分…無理ね……」    愛ゆえに過ちを犯したハゲタンク。リップは人間社会の歪みを垣間見て    しまいました。                                つづく