7人リレーの展望 第1回

 トータス3日間大会の2週間後には岐阜県坂下、テレインとしては椛の湖で、第8回のクラブカップリレーが行われます.学生も社会人も参加可能なイベントとして、とくに各地の地域クラブでは年間目標になっているこの大会.トータスも過去に2度の運営を含め毎年のように参加してきました.今回から何度かに渡ってクラブカップの優勝を争う各チームの情報を中心に戦力分析や優勝予想をしていきます.

・クラブカップリレー

 各地域クラブの年間目標としてすっかり定着した観のあるクラブカップ7人リレー.その第1回は世界選手権の壮行チャリティーリレーとしてトータスとR.M.O.サービスの合同開催という形で行われました.ともすれば「いかに強いエリート選手を集めるか」という戦いになってしまいがちのリレー競技に「制限選手」というファクターを盛り込むことで、それまでの日本にない新しいリレー競技が誕生しました.歴史を重ねるにつれて制限選手のルールに手が加えられ、創始者であるR.M.O.サービス山川さんの理想とした、「(地域)クラブ日本一」を決めるにふさわしいようになってきました.ちなみにトータスは第6回でも運営を担当しています.

・制限選手のルール

 第1回から第6回までは6人制(うち制限選手は2名)で、そして昨年の第7回から7人制(うち制限選手は3名)となり、今年も昨年同様のルールでクラブ日本一が競われます.制限選手のルールも久しぶりに据え置きとなったわけですが、トータス内ではこの制限選手についていくつかの議論があります.ひとつは正規チームを組むために必要な人材として、多くの「オリエンテーリングをあまりやらなくなった人たち」を取り戻しているということです.これは簡単なようでなかなかできないものであり、たとえ年に一度でも、オリエンテーリングをしに戻ってきてくれる人がいるというのは価値のあることだと思います.一方、制限選手の適用についてはトータス以外でもさまざまな意見があると思いますが、「エリート選手」こそ制限して、それ以外はもっと自由なチームが選手で構成してもいいのではないかという意見があります.しかし、昨年の様子を見る限りでは、勝負はエリートよりも制限選手で決まっており、現行のルールはなかなか優れもののようです.

 では勝負を決める重要な要素となっている今年の制限選手に関して大会要綱から詳しく見ていきましょう.ルールは昨年同様であり、制限選手にはA,B,Cの3種類があって、基本的に一人ずつを含む必要がありますが、3人とも女性である場合は年齢制限がなくなるという特別ルールがあります.

【制限選手A】
次のア〜エのいずれかの条件を満たす者。走順は次項を参照のこと。
ア.50歳以上男性
イ.15歳以下男性
ウ.30歳以上女性
エ.20歳以下女性

【制限選手B】
次のア〜ウのいずれかの条件を満たす者。走順は、【制限選手A】【制限選手B】のどちらかが、5走か6走のどちらかを走ること。もう片方の制限選手の走順は任意である。
ア.40歳以上男性
イ.18歳以下男性
ウ.女性

【制限選手C】
次のア〜ウのいずれかの条件を満たす者。走順は任意である。
ア.35歳以上男性
イ.20歳以下男性
ウ.女性

 さらに、7区間のコンセプトと設定トップタイムは以下のようになっています.

1,2,4,5走 一般的なリレーコースでトップが30分
3走 ランニングコースでトップが35分
6走 テクニカルなコースでトップが35分
7走 エリートコースでトップが45分

 昨年のまでのデータと照らし合わせると、優勝争いの鍵を握るのは条件が複雑な制限選手A,Bの2人です.このA,Bに昨年デットヒートを演じた多摩と京葉はともに1走でA-ウを起用し5走にB-アを起用していました.しかし、これはクラブメンバーの年齢構成などによるもので、それぞれの制限条件を見ると、必ずしも最強ではなさそうです.

 手元にデータがないのですが(情報求む!!)、制限選手A全体で最速だったのは(ア)の条件を満たすサンスーシの尾上さんあたりではなかったでしょうか?各条件では平均してア>ウ>イ>>エの順に速いことが期待され、つまりは強い50歳以上の男性を有するチームが有利と考えられます.逆に(エ)の条件しかそろえられない場合は大きく不利と考えられますが、地域クラブではあまりありえないでしょう.

 制限選手Bの最強はどう考えても静岡OLCの村越さんであり、これを別格としてもア>イ>ウの順に有利であることは容易に想像できます.また、Aとの比較でもこちらが間違いなく有利なわけですから、よほど特殊な事情のない限り、5,6走で制限選手Aが走ることはないと思われます.

 制限選手Cも最強は村越さんでしょうが、ともかく有利な順にア>イ>ウでしょう.そして、村越さんのようにチーム最強メンバーが制限選手でない限りは、通常1,2,4,5走のうちで3人の制限選手が使われることになります.簡単といわれている3走に足のある制限選手を起用するチームもありますが、これまでの経験からこの区間で大きな差がつくケースが多くあり、エリート級の男性を用いる戦略が一般的です.

 ここまでのことから、優勝を争うチームとしては

【制限選手A】にア.50歳以上男性またはウ.30歳以上女性を
【制限選手B】にア.40歳以上男性を
【制限選手C】にア.35歳以上男性またはイ.20歳以下男性を

そろえられないと厳しいと考えられます.では次回以降では以上を踏まえた上で昨年までの上位入賞チームを中心に、各クラブの戦力を分析してみましょう.(石澤)


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