全日本レビュー

 福岡県宗像市で行われた第26回全日本選手権。穏やかな春の日差しのもとで開催されたが、例年以上にタフなコースとテラインで、棄権者が続出するなど波乱含みの展開となった。
 結果は、男子は村越真がついに20勝目。また女子は金並由香が初のタイトルを獲得した。選手権クラスの速報は以下の通り。

◎伝説に新たな1ページ、村越5年連続で20勝達成!!

M21E      (11.5km up 580m)

 1.村越真   静岡OLC    1:38:02
 2.鹿島田浩二 荏原品川     1:41:51
 3.加賀屋博文 渋谷で走る会   1:54:27
 4.富田吉郎  多摩OL     1:56:24
 5.柳下大   Forester     2:00:36
 6.松澤俊行  京葉OLクラブ  2:02:47

 7.石井龍男  千葉OLK    2:09:10
 8.菅原琢   多摩OL     2:10:45
 9.利光良平  Team白樺     2:13:01
10.小河原成哲 丘の上      2:14:10
11.高橋善徳  筑波大OL愛好会 2:14:30
12.国沢五月  トータス     2:15:18
13.篠原岳夫  筑波大OL愛好会 2:18:23
14.大西淳一  神奈川県横浜市  2:18:42
15.兼田僚太郎 Team白樺     2:20:20
16.安良和寿  東京都杉並区   2:20:27
17.山口尚宏  95年入学同期  2:23:48

 WCでは運営にまわる村越が優勝したため、WC代表の新たな選出はなかった.速報上では13位だった元木(Team白樺)は自己申告(他人に現在地を尋ねた)で失格の見込み.また、18位の安斎(アルプス社)以下は、村越の150%を超えたためタイムオーバーとなった.

☆村越真・・・95年度以来、5連勝。また79年度の優勝以来、通算20勝目となる。

「20勝目とかいう意識はないね。とにかく、今回は秋にした骨折からの回復加減を確認するという課題を持っていたから。でもそれは1週間前のインカレの併設大会で達成されてしまっていたから、その後の動機付けを保つのが、大変だったよ。今回のレースは、何もない斜面の走り方やルートチョイスやプランニングが重要だった。スピードコントロールを意識するのが大事だったね。我慢のレースになるなと予想していたので、小さなミスで投げやりにならないようにして臨んだよ。

2位との差4分3位以下とは15分というのは差が付きすぎだね。まあ、こういったテラインは、一度崩れるとずるずる行くのでしょうがないかもしれないけど。富士みたいテラインだったら、みんな接戦になっておもしろいんじゃないかな。

いつまで続くのかって?わからないよ。引退もしないけど、25勝、30勝という具体的なことも考えられないね。」

☆鹿島田浩二(落合選手の欄写真左)・・・94年度全日本チャンピオン。92年以来、6度目の2位。

ラップを見ると、前半のオリエンテーリングではほとんど互角だが、後半ロングレッグのルートチョイスと、凡ミスにより差がついている。これは実は95年の奈良、97年の広島で負けたときと同じパターン。この課題を4年もの間放っておいたのだから、まあ負けてもしょうがないと思う。そういう意味ではまだまだ詰めが甘いし、のびしろが残っているとも言える。

今年はいろいろな面で、思うように準備が出来ないまま全日本を迎えた。そんな中での2位は、いろいろな意味で自分自身、評価している。選手としては、弛まぬ努力と工夫が必要だけど、いつもOLを優先して生きていけるわけじゃない。ベストの状態じゃなくても、自分の環境に合わせた目標の設定とレースの迎えかたがある。そんなことに気づかされた。

だけど、村越さんは骨折という僕以上にどん底に落ちているわけだから、そこから勝ってしまうあたりは、OLの技術という面のほか、選手としてのセルフコントロールという意味でも、やはり今の僕より1枚も2枚も上ですね。

☆加賀屋博文・・・昨年の2位に続き、今年も3位とすっかり村越・鹿島田に続く座を獲得した感がある。

「10分のミスと飯バテで15分差の3位。勝つレースを目指して臨んでいたが、飛んでしまった。今日は速く走るより、我慢してミスをしない、というレースだったのに、肝心の中盤で大きくミスをしてしまった。

とにかく難しいオリエンテーリングだった。見通しの利かない林で、Aでかかれていても思うように走れない。藪や急斜面で方向ずれたらなかなか修正が効かないし、ヨーロッパのオリエンテーリングのようなタフさを求められた。それでも「ノルウェーよりは簡単だ」と言い聞かせながらレースしていたが...

この内容で3位、ということは、今日は上位の2人しかちゃんとしたレースをしてなかったってこと。ちょっとタフで難しいとすぐ大差が付く。日本のレベルはまだまだ高くない。」

☆柳下大・・・5位入賞は実力の証.来年度は飛躍の年となるか?

「かなり粘ったんだけどね.大きいミスはしないで粘って粘ったけど中盤で5分くらいのを2つやった.でも、それ以外はどうにかまとめられた.もう少しタイム的にはよくなるはず」

☆山口大助・・・途中棄権.WM代表の最若手として、どこまでやるか期待されたが…

「7番で吐いた.体調が悪くてどうしようもなかった.WCは予選にも出ない.就職などで忙しいから」


◎金並念願の初優勝、名実ともに日本女子のトップへ

W21E      (7.5km up 390m)

 1.金並由香  早大OC寿会   1:27:44
 2.落合志保子 OLCルーパー  1:32:42
 3.木植早生  Team白樺     1:33:11
 4.高野由紀  東京OLクラブ  1:33:25
 5.宮川祐子  筑波大OB愛好会 1:38:12
 6.三好暢子  上尾OLC    1:44:20

 7.塩田美佐  筑波大OL愛好会 1:44:39
 8.新桂子   入間市OLC   1:46:53
 9.加納尚子  Team Zebra    1:48:52
10.田島利佳  みちの会     1:50:36
11.畑山結佳  広島OLC    1:52:02
12.岩谷ひろみ 岩と谷の会    1:55:03
13.志村聡子  横浜OLC    1:57:41
14.出田裕子  OLP兵庫    1:58:29
15.志村直子  かすいち倶楽部  1:59:50
16.佐々木峰子 つくばROC   2:08:42

 金並が優勝によってエリートポイントトップも決めたため、女子のWC代表1番乗り以外の座は予選で争われることとなった.こちら女子では17位だった赤石(京葉OLクラブ)以下は、金並の150%を超えたためタイムオーバーとなった.また、金並の所属はプログラムで「東京OLクラブ」となっていたが、正しくは上記の通り(本人より確認)である.なお、期待されたインカレチャンプの小林(東北大OLC)は出走しなかった.

☆金並由香・・・念願の初優勝。2年連続エリートポイントもトップと、名実ともに女子オリエンティアの頂点に。

「優勝はうれしいけど、ラップを見ると、速くて勝ったというより、ミスをしないから勝てた。走ってた時も、遅いなあと思っていたし。今日の勝利は体力の勝ちでしょう。それと、自分はうまくないと、割り切って走ったのが良かったのかな?

正直、勝てるとは思っていなかったし、勝とうと思って勝った訳じゃない。2月には頑張ってトレーニングもしてたんだけど、3月に入ってからはいろいろあってたるんでしまった。ただ、今日のレースは基本をきちんとやって、後悔しないようにしようと思って走った。

WCは気持ちをしっかりともって、いい走りをイメージして走りたいですね。」

☆落合志保子(写真右)・・・ここ3年間、全日本では5位5位6位と安定した成績を納めてきた。ついに全日本チャンプも圏内に。

「2位は素直にうれしいけど、満足もしていません。一番で5分の大きなミスをしてしまって、それが最後まで返せなかった。でも最後まであきらめずに走り切れたことを評価したい。成長したなって。

これまでの全日本は、守って守って5位、とかだったので、今回はなるべく積極的に、と思っていた。最初からスピードを求めてレースをする。何があっても頑張ろうって。その課題は克服できたかな?

WCは頑張ります。目標ですか?30位以内を目指します。」

(報告・国沢五月+ちょっとだけ石澤)


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