話をする上で、他分野との用語のすりあわせが必要なのかな、と、こさえた自習メモ。
門外漢にはいろいろ耳慣れぬ表現のオンパレードではあれど、よく見ればなじみの概念が頻出する本、日本放送出版協会『幸福論 〈共生〉の不可能と不可避について』(2007/03) をベースに。
黒字はウェブや他の書籍から。茶色は雨崎。
幸福論remix:
『0,a,ア行』
『カ行』
『サ行』
『タ行』
『ハ行』
『ナ・マ・ヤ行』
『ラ・ワ行』
■ラ・ワ行■
【りだつ 社会からの離脱】
【リバタリアニズム】 自由至上主義 リバタリアン
- 「他の自由を侵さない限りにおいて個人に最大限の自由を認めるべきであるとする、自由に最大の価値を置く個人主義的な立場。」 〜はてな
- → ネオリベラリズム
- 社会の基礎として特定の価値観に頼らず、あくまでも身体の自己所有だけを根拠に、あとはそこから演繹される原理でいく。
そういう最低限の下部構造=「ユートピアのためのフレームワーク」の上で、それぞれの人間がそれぞれ勝手にコミュニティを作るのはかまわない。
- 流動性を抑制して、多様性を護持する方向。
- 公共性は無数の小さな世界に分断されはじめた。
情報技術はリバタリアン的な夢をうまく回すような技術的解決を急速に推し進め、蓄積しつつある。
- 他者のありようも考えないし、享楽の次元も考えない。
所有権を基盤にして、あとは市場に任せていればなんとかなるんじゃないか的な、乱暴な発想。
「思想」の外部。
その乱暴な思想が、情報技術によって実装され現実の社会を動かしていく。これこそが、ポストモダンというか、21世紀のリアリティ。
- リバタリアニズムの世俗的な形態がネオリベラリズム。
- ポストモダンでリバタリアンなメタユートピア社会は、価値観のレベルでの寛容を突き詰めていった結果、インフラのレベルできわめて非寛容になり、それが逆に価値観のレベルに侵入してくることで、結果として以前より非寛容な社会になってしまいうる。
→9.11 対テロ戦争
- リバタリアニズムの知名度アンケート
→2007/07 『リバタリアニズムとは何か。』
【リベラリスト】 自由主義者 リベラル派論客
- 和製英語。
本来は「リベラル」
- ギデンズやウォルツァー
- 「日本人で現在使用しているのは宮台真司、長谷部恭男、内藤朝雄、苅部直など少数。
リベラル同様、言葉のニュアンスが多岐に渡り、一概に定義しがたい。
現在の日本では人権や平和を重視する中道左派のニュアンスが強い。」 〜はてな
- リベラリズムは、たえず事実性を乗り越えようとする永久革命の実践。
-
「共存」や「共感原理」は、リベラリズムの基礎的な条件
。
-
リベラリズムの大義:どこにどんな「人間」として生まれ変わっても耐えられるかという思考実験から来る公正原則。
-
リベラリズム:立場可換性を突きつけるかたちで「公正としての正義」を確保しようとする価値観。
- では、どこからどこまでが「人間」か。
=恣意的な範囲を「人間」として尊重する、ディスポジション(傾き/偏向)がある。
-
そういう傾きを前提にして感情教育をしよう=リチャード・ローティの戦略。
- 「脱社会的存在」は「人間」じゃない。
- もともとリベラリズムは、行動/政策を正当化する思想だったのに、むしろ行動の正当性を挫く(ゆえに衆生の勇気を挫く)最終真理のようになってしまう。
- リベラリズムの非普遍性(リベラリズムを支える端的な事実性)について、公的にはごまかしてきた。
【りゅうどうせい 流動性】
【ルーマン】
- → 再帰性概念:選択と同時に選択前提もまた選択される
- →教育的コミュニケーション →機能の言葉
- ルーマン理論的には、「意味」は世界の複雑性の縮減のための機能の一つでしかない。
→物語
- システム理論家
- 「パーソンズから引き継いだ社会システム論にオートポイエーシスの考え方を導入し、第二世代の社会システム理論を切り開いた。」 〜ウィキ
- システムとは、複数の要素が互いに相手の同一性を保持するための前提を供給し、相互に依存し合うことで形成されるループである。
- システムは自己の内と外を区分(境界維持)することで自己を維持する。
- システムは複雑性の縮減を行うことで安定した秩序を作り出す。すなわち、あるべき状態を予期し、その状態に適合しようとする。
- ひとつのシステムはそれを孤立したものとして認識すべきではない。システムは外部環境が存在する場合に意味を持ちうる。
- 三七年前のハーバーマス・ルーマン論争
- 近代社会を恣意的な事実性を前提として運営するしかない;「社会システムはコミュニケーションの連接だけからなり、社会はコミュニケーションのシステムとして閉じている」
-
〈システム〉の全域化により〈生活世界〉が空洞化した成熟社会(後期近代)では、「近代社会とは事実的な循環に過ぎない」というウェーバー-ルーマン的な再帰性命題が、専門家ならざる広範な人びとに、ギデンズ的な再帰的自己記述として参照されるようになる。
- →神学と社会学:ウロボロスの蛇
- 「社会化」と「教育」を区別する基準として、自明性を重要視
- ルーマン系と称される教育社会学研究者たちには、生育環境の人為的操縦についての問題意識が薄い
- 近代社会は「前提もまた選択されたもの」という再帰性を帯びる
- →オープン・アーキテクチャー
【ルール主義】
- 最低限のルールをふまえさえすれば、あとは何でもあり。
ゲームの世界。
→『デプス:リセットやチャンネル変更』
- 移民政策では「非同化主義」 →共生主義:移民政策では「同化主義」
- 昨今では、最低限どころか過剰なルールを用いて、少しでも異質な者は排除してよしとする風潮 →多様性フォビア
ルール主義が「同化主義」的な意味合いを帯び、ルールに合意せずとも共生の実績を積むので、共生主義が「非同化主義」的な意味合いを帯びてくる。
- 過剰流動性に再帰的に対処せねばならない現在では、ルール主義が不可欠。
【ルサンチマン】
【レッシグ】
【レバレッジ】
【レヴィ= ストロースの《浮遊するゼロ記号》】
-
ヒト脳が全世界を把握する仕様になっていない部分を、吸い取って見た目きれい(整合性あり)にしてくれる消失点、みたいな。
- → サイファ
- 小松和彦はその『憑霊信仰論』で、先に引用したレヴィ=
ストロースの《浮遊するゼロ記号》としてのマナ分析を紹介して、「日本の『もの』とポリネシアの『マナ』とは変換可能な概念であり、その役割は同一であるということになるであろう」と明言していた。 〜 山内昶「もののけ1」法政大学出版局
- 「もの」という概念は、何も意味していな
い。レヴィ=ストロースの表現を借りれば、「それ故、いかなる意味をも受け取ることができる」。 〜小松和彦「憑霊信仰論」
【ローティの感情教育】リチャード・ローティ
- どこからどこまでが「人間」か、のような端的な事実性にともなうディスポジション(傾き/恣意性の存在)を前提にして感情教育をしようという戦略。
【「われわれ」の範囲は恣意的】
- 「われわれ」の境界設定の恣意性を覆い隠したい(見なかったことにしたい)のは、じつは市民の側。
- →ファシズム
- どんな公正原理も、何らかの選別と排除を前提とする。
- 全ての境界線は現行システムの産出物に過ぎないが、その理論的事実を再帰的に参照し選別と排除の営みが正当化され始めるや、社会は質を変える。
幸福論remix:
『0,a,ア行』
『カ行』
『サ行』
『タ行』
『ハ行』
『ナ・マ・ヤ行』
『ラ・ワ行』
『幸福論 〈共生〉の不可能と不可避について』
宮台 真司, 鈴木 弘輝, 堀内 進之介 (著)
日本放送出版協会 (2007/03)
『波状言論S改 社会学・メタゲーム・自由』
東浩紀,北田暁大,宮台真司,大澤真幸,鈴木謙介
青土社 (2005/11)