遺伝子 さえ解析できればすべてが予想できる、とする神話。
DNA鑑定で個人を特定できることからもこの誤解は生じているようだが、指紋ですべてが予想はできないように、遺伝子が関わる決定範囲も限られた範囲のものである。
少なくとも、個人の遺伝子を解析することで、性別や遺伝病、容姿に関しては情報が得られるとしても、その遺伝子の持ち主がどのような人物であるのかを完全に推定することは現状では困難。
また、脳の各機能野は、成長過程での影響によって発達度合いが大きく異なってくる。同じ遺伝子を持つ一卵性双生児でも、芸術畑・技術畑と大きな好みの差・適正の差が出るほどの異なった脳機能発達を見せることもよくある。
個人の”資質”には、成長過程の環境のほうが大きく影響すると考えた方が「安全」である。
遺伝子操作で「頭の良い子/立派な子/育てやすい子」を作ろうとするような、安直な世間的需要・社会的影響が問題。
デザイナーベビー
性格・性向と遺伝傾向の関係。
アメリカの精神科医、クロニンジャー(またはクロニンガー)氏が考案。
遺伝に左右されやすい四つの因子:
「新奇性追求」「損害回避」「報酬依存」「固執」
環境に左右されやすい三つの因子:
「自己志向」「協調」「自己超越」
脳の傾向や、神経伝達物質のバランスに関わる遺伝の要素があるらしい。
「痩せ願望」の精神病理 を読んで
Identity
水島広子著 『「やせ願望」の精神病理:摂食障害からのメッセージ』
PHP新書 2001年
ここは過去記事置き場です:報道の経年変化を観察できます
環境の要素は、非常に重要である:ヒトで遺伝子表現型を調整することで
2008/04 EurekAlert
Nurture over nature
自然にまさる養育
遺伝子における恐怖
三つ子の魂は年々どんどん違っていく
恐がりのベースは遺伝子が形成するが、成長するにつれ恐怖反応は環境要因で大きく様変わりしていく
2008/04 news@nature.com
Fear in the genes
幼子の恐怖は遺伝子しだい
2008/04 New Scientist
Genes trigger phobias in kids and teens
2008/04 EurekAlert
Scientists find genetic factor in stress response variability
科学者は、ストレス反応可変性で遺伝子の要素を発見する
独裁的な性格の行動遺伝 発見される『冷酷さ遺伝子』
2008/04 news@nature.com
'Ruthlessness gene' discovered
Dictatorial behaviour may be partly genetic, study suggests.
2008/04 【日本語記事】スラッシュドット ジャパン
無慈悲な行動に関連する遺伝子発見
社会的行動に関わるバソプレシン
その受容体を生成する遺伝子AVPR1aの長さが短かいと無慈悲で自己本位的な行動を取る
2008/03 Discovery
Post Traumatic Stress Gene ID'd
PTSD遺伝子
あなたの幸福度はあなたの遺伝子しだい
2008/03 EurekAlert
Genes hold the key to how happy we are, scientists say
2008/03 BBC News
Genes 'play key happiness role'
遺伝子は、『カギ幸福役割をプレイする』
2008/03 ABC@オーストラリア
Happy genes set you up for life
幸福な遺伝子
2008/02 【日本語記事】cnn.co.jp 保守派かリベラル派か、遺伝子が決定要因に?
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200802170017.html ■
2008/02 EurekAlert
Genes and environment interact in first graders to predict physical but not social aggression
遺伝子と環境の相互作用は、1年生における身体的攻撃性を左右する
社会的な攻撃性では無問題
2008/02 EurekAlert
Is political orientation transmitted genetically?
政治的なオリエンテーションは、遺伝的に媒介されるか?
2008/01 New Scientist
Are political leanings all in the genes?
政治的な傾向も、遺伝子しだい?
2008/01 National Geographic
Early Birds, Night Owls: Blame Your Genes
早起き、宵っぱり:それはもしかすると遺伝子のせい
スローライフで早く死ぬ
2008/01 news@nature.com
Live slow die young
運動不足のライフスタイルは、あなたを早く老けさせる
生物学的年齢の1つの尺度によれば、アクティブな人々はカウチ・ポテト族より最高10年も『若い』っぽい
2008/01 BBC News
Sedentary life 'speeds up ageing'
まったりした暮らしは『老化の速度を上げる』
双子研究 ― 余暇の間、身体的にアクティブなほうが生物学上より若く見えると ―座りっきりの相方より。
2007/12 EurekAlert
Twins study shows genetic basis for face and place recognition
双子研究は、顔、そして、場所認識において遺伝子の基盤を示す
新しい証拠は、示唆する ― 我々の脳には産まれながらに顔・場所の認知機能が物理的に組み込まれている
「全ての脳は、同じ色」 By RICHARD E. NISBETT
2007/12 New York Times All Brains Are the Same Color
ジェームズ(二重らせん)ワトソンのご乱行に憤慨して語るニスベット
遺伝や脳の大きさを掲げてヒトの知能を語ろうとするこの愚かしさは何なのか。
遺伝=知能指数にあらず。
脳の大きさ=頭の良さにあらず。
エクアドルにはとても小さい頭蓋サイズになる遺伝子変異を持つ血統の一族がいるが、知能はごく普通である。
人種=知能差にあらず。
第二次大戦時、アメリカ兵がドイツ女性にたくさん産ませた混血児において、知能の人種差は見られない。
黒人-白人間で語彙習得能力に違いはない。
血液型も関係ない。
フリン効果のこともお忘れなく。
And it should encourage us, as a society, to see that all children receive ample opportunity to develop their minds.
リチャード・ニスベットは「木を見る西洋人森を見る東洋人 思考の違いはいかにして生まれるか」の文化心理学研究者
生まれながらに備わる気前の良さ
2007/12 EurekAlert
Are we genetically programmed to be generous? Hebrew University scientists say yes
我々は、遺伝的にプログラムされる ― 気前がよい?
ケチと非ケチは遺伝子が違う
特定変異AVPR1aを持った人々は平均より50%多く金を手放した
2007/12 BBC News
Generosity 'may be in the genes'
気前のよさも『遺伝子のせい』
2007/12 EurekAlert
Scientists identify gene that influences alcohol consumption
アルコール消費に影響する遺伝子
「星占い」の影を脳に見る
2007/12 PLoS ONE
Season of Birth and Dopamine Receptor Gene Associations with Impulsivity, Sensation Seeking and Reproductive Behaviors
ドーパミン受容体遺伝子連合は、出産の季節によって左右され、衝動性、新奇探求傾向、生殖行動に影響を与える
2007/11 PhysOrg
'Intelligence genes' proving hard to find: study
知能遺伝子という聖杯
Genes that can be pinned to intelligence are proving frustratingly hard to find
2007/11 New Scientist
'Intelligence genes' reveal their complexity
『知性遺伝子』は、それらの複雑性を明かす
2007/11 EurekAlert
Even minute levels of lead cause brain damage in children
極めて微量の鉛でさえ、子供に脳ダメージを引き起こす